こんにちは!dokuiro(Hiroyuki Tansei)です。
今回は韓国で開催された「ワールドプレミア:ソウル」に参加してきたのでそのレポートになります。
ワールドプレミアって何?
ワールドプレミアムは簡単に言うと「世界で初めて最新拡張を開封して遊ぶイベント」です。今回の場合、9/25正式発売、9/18日本先行発売の新セット「侵奪されし影冠」が9/11から遊べるイベント、ってことですね。
公式イベントページリンク
ワールドプレミア自体は金曜に開催されて、4回戦を行い、勝利数に伴ったプライズチケットが貰えるというカジュアルなイベントですが、土曜日からは同じくリミテッドで「コーリング」という競技イベントが開催されます。こちらも1日目が最新拡張のシールド、2日目が最新拡張のドラフトで行われることが定番となっており、要は「全く定石が確立されていない状況でのリミテッド」「更にその競技イベント」が楽しめます。他のTCGでは体験できないイベント!

普通の競技イベントでは、数週間前から本番を想定した練習を行ってから参加するプレイヤーが多いと思いますが、ワールドプレミアに関しては「ワールドプレミア当日までカードプールが分からない」ので、コーリングで勝つ為に練習する場合、木曜日に全容を理解してから、金曜日のコーリングまでの24時間未満しかちゃんとした練習はできません。ぶっつけ本番力がかつてなく試されるイベントです。
ワールドプレミア:ソウルまでにやったこと
まずは当然、旅行の準備。今回は休暇を木、金、月で取得して、木曜発の月曜帰国のスケジュールで動きました。パッキングや宿の確保、アプリの準備、換金など旅行面の準備を済ませた後は、FaB面の準備です。
ワールドプレミアまで公開されないコモンも多数あるので、完璧な予習はできませんが、それでもできる予習はいくつかあります。
①トークン・コモンカードだけでもテキストを把握しておく
カードテキストを把握しておくことで、当日に覚えなければいけないことをグッと減らせます。カードを覚えているだけでも、試合中に考えなければならないことも減り、プレイに乱れも生じなくなります。
②新ヒーローのCCやシルバーエイジのデッキを組んで回してみる
ヒーロー能力の理解や、このヒーローはどれくらいのゲームレンジで強いのか、どういったカードがデッキに欲しいのか、という理解が進みます。私は実際にCCで《マリス》と《ヴィセライ》のデッキを組んで練習していました。《レヴィア》については昔練習してた時期があったので割愛。
③コモンデッキを組んで対戦してみる
ある程度コモンカードが公開されてくると、シールドデッキを模したデッキを組んで対戦することが可能になってきます。①よりもリミテッドに近い形での対戦ですね。
以下のレギュレーションを決め、知人友人と対戦を行いました。
・IARのコモン27枚+レア3種x1枚ずつ
・コモンは2枚まで 色違いは〇
実際に組んだデッキは以下のような感じ。《レヴィア》はワールドプレミア当日まで公開されるコモンが非常に少なく、デッキが組めませんでした。
《マリス》
https://fabrary.net/decks/01M1WWHV921J1JM22K3D7283AA
《ヴィセライ》
https://fabrary.net/decks/01M1WTXBA9FM3HRAAR1H1FAMCQ
このコモン対戦を経ることで、以下のようなことがある程度理解できます。
・ヒーローにとって重要なコモンカード
・ヒーロー毎の相性
・先手後手どちらが強いヒーローなのか
・デッキの色比率のバランス
・デッキの特定の役割のカードのバランス
特に今回は《ヴィセライ》は「ルーン陣」関連のカードがどれくらい必要なのか、《マリス》は「ゾンビ」をどれくらい入れる必要があるのか等をある程度確認できたのは収穫でした。もしワールドプレミア及び併催コーリングに参加する!という予定がある方は上記の練習のどれかだけでもやっておくのをオススメします!③が一番オススメ度としては高いです。
いざソウルへ 旅行レポート
木曜日、午前8時ごろに家を出て関西国際空港へ向かいます。同じ便を取ったオカニシ選手と合流し、飛行機に搭乗。前日の残業で疲れていたのもあり、飛行機で寝るとあっという間に韓国に着きました。その後はKINTEX行きのバスに乗って宿へ到着。今回はAirbnbの民泊で、オカニシ選手、HARU選手、ヤマムラショーマ選手の4名で宿泊。ワールドプレミア会場まで徒歩10分ほどという好立地。

宿で一息ついた後は、江南区の方へ出向いて買い物をしたり、Rolling DiceというカードショップのArmoryに出たり、以前から交流があった海外プレイヤーとディナーを食べたりしてあっという間に1日目が終わりました。See the World!


さて、旅行らしい旅行はここまでで終わります。この後はひたすらリミテッド尽くしの3日間の幕開けです。
ワールドプレミア開幕
木曜日9時頃、会場が開き、多数のプレイヤーがぞろぞろと入場していきます。物販やバイヤーブースがにぎわうのを見ながら、私も物販で友人に頼まれたお土産を購入したり、知ってるプレイヤーと挨拶をしたり雑談をして過ごします。
10時になると待ちかねたワールドプレミアが始まりました。CEOのジェームス氏の挨拶が終わった後、いよいよ開封タイム✨
《レヴィア》を中心に見たことのないコモンが何枚も飛び出してきて、そのたびに「お、これはリミテッドで強そう!」「いや構築でも強そうだな」とワクワクしたり、周囲からはまだ公開されていなかったMajesticレアが話題として流れて来たり、マーベルレアやLegendaryレアを引いたプレイヤーから歓声が上がったり…情報と興奮の氾濫です。
熱気に包まれながら開封を終え、構築を行います。ワールドプレミアはカジュアルなイベントなので、デッキチェックなどは行わず、組んだデッキで4回対戦するだけ。
途中でデッキを変えたり、ヒーローを変えることすら可能です。
なので、会場ではプールを見せて友人にどのヒーローをやるべきか相談しているプレイヤーや、1戦ごとにヒーローをお試しで変更しているプレイヤーもいました。楽しみながら研究をするイベント、という感じですね!
私は《ヴィセライ》を組んで3-1という悪くない戦績を収めました。

その後は、少しでもシールドの経験値を得るために15時からのシールド戦のサイドイベントに参加。こちらでは《マリス》を組んで4-0と全勝!ワールドプレミアまでの予習が活きたな~という手ごたえを得ることができました。

そして、ワールドプレミア及びサイドイベントで7勝分のプライズチケットをゲット!こうやってイベントで獲得したプライズチケットは公式の交換所(プライズウォール)でCFトークンやパック、大判カードやアンカットシートと交換できます。嬉しいご褒美ですね。
その後、自分が使用できていない《レヴィア》のデッキの練習をしたり、《マリス》の練習をする友人達を眺めながら、シールド環境について意見交換を行いました。所感としては以下。
・《レヴィア》が《ヴィセライ》にファティーグ勝ちしやすくて有利
・《マリス》は《レヴィア》を盟友戦法でハメやすくて有利
・《ヴィセライ》は《マリス》の盟友が並ぶ前に攻めきりやすくて有利
という3すくみ環境であること。

そしてシールドでは《マリス》はゾンビの枚数とゾンビを捨てる0/3/2続行のコモン、通称「ヘッドジャブ」の両方が揃わなければ難しい。



《ヴィセライ》も同様に《ルーン陣》を出すカードと、「侵奪」カードの両方の質が良くなければ良いデッキにならないという点で、防御的な構築の《レヴィア》はあまりプールのバランスに依存しないため、再現性が高そうという結論になりました。



が、個人的に防御的な戦法の経験値が低い点、防御的なデッキだと完成度の高い《マリス》《ヴィセライ》に負けそう…という懸念から、明日のコーリングday1では《マリス》か《ヴィセライ》をやりたいな~と思いながら就寝。
コーリングday1
プールを見ると、良い感じの《マリス》が組めそうだったので構築。

《マリス》をやる決め手になったのは直接《穢れ死骸》を作成することから盤面展開のスピードアップが狙える《悪臭》が2枚あること、「ゾンビ」が4-5枚と充分な枚数あること。そしてリミテッド最強格の《イアラサエルの門》作成カード《影痕の堰》が赤1枚黄色2枚と複数枚あることでした。特に《イアラサエルの門》は《マリス》に超重要なトークンなので《影痕の堰》3枚はやる動機になりました。



Mレアがなかったり、胴装備が軽減ではないなどのいちゃもんこそ付けれるものの、十分に強力なプールが引けて感謝を捧げながらいざ対戦。
1戦目 マリスミラー 勝ち
2戦目 ヴィセライ 勝ち
3戦目 ヴィセライ(Brodie選手) 負け
4戦目 マリスミラー 勝ち
5戦目 レヴィア(kana選手) 勝ち
6戦目 マリスミラー 勝ち
7戦目 レヴィア 勝ち
8戦目 マリスミラー 負け
不利な《ヴィセライ》を2回しか踏まなかった幸運もあり、6-2でday2へ進出。最終戦の《マリス》ミラーはかなり惜しいゲームだったのと、ここで勝てれば7-1とtop8が叶える位置だったので負けたのは悔しかったです。道中は世界トップクラスの強豪Brodie Spurlock選手に鼻歌交じりにボコボコにされて負けたり、日本選手権top4のkana選手に当たったりと楽しいday1でした。
その後はday2のドラフトに向けて、友人たちを集めてドラフト練習をして解散。晩御飯はサムギョプサルを頂きました。
コーリングday2
day2は2回ドラフトを行い、6回戦をした後に上位戦績8名のSEによるドラフト、というスケジュールになります。私は6-2の戦績なので、3敗でtop8が確定するこのトーナメントでは3-0と2-1が要求されます。なかなか厳しい戦い。
ドラフトはシールドとは感覚が異なることが多いですが、今回のセット「侵奪されし影冠」も例に漏れません。
明確な違いは以下
・《イアラサエルへの門》トークンを作成するカードがシールドよりも減る
・《マリス》が「ゾンビ」や「ヘッドジャブ」をピックしていると防御値3のカードをピックしづらいため、シールドより柔らかくなりそう
卓の許容数に関しては、
・クラスカードを要求する《ヴィセライ》は卓3以上になるとデッキ強度が落ちそう 卓2でやりたい
・《マリス》は《ヴィセライ》よりも少し汎用カードが使いやすく、卓3が適性数になりそう
・汎用カードを強く使いやすい《レヴィア》は一番許容数が多く、恐らく卓3-4が適性数
といった感じ。
ワールドプレミア~コーリングday1まで《レヴィア》を使っていないため、最低限のフリプでの練習程度でしか《レヴィア》を使用できていない私は「できれば《マリス》か《ヴィセライ》をやりたいな~」と思いながら1回目のドラフトを開始。
結果、1回目のドラフトは初手に軽減装備をピック。《レヴィア》になり、3-0となりました。快挙!

1戦目の不利マッチ《マリス》戦で盟友を全て無視するビートダウン戦法を取った際、最後に《深淵の力》で凌駕を付け、7点の攻撃をしたところ、相手の手札に防御値が2しかなくて勝利。

これはかなり奇跡に近い勝利でした。
その後は《ヴィセライ》を2回ファティーグして3-0。《狂乱策餌》や《イアラサエルの眩き》を格納庫に置いて、《ヴィセライ》がしゃがんだターンや火力が低いターンに続行で連続攻撃をして手札をもぎとりに行く動きが強力でした。腕装備《呪詛のガントレット》を使用すればどちらも確定で続行になるので、攻めるターンを1度は作れます。



この後は2-1すればSEだ!という運命の2卓目。Brodie Spurlock選手やSam Sutherland選手、Shirui Wu選手といった世界トップクラスのプレイヤーと同卓することになり、豪華な卓に来たんだなぁと実感しながらドラフトの始まりを待ちます。

今回は目指すは2-1!という形で組んだのはまたしても《レヴィア》になりました。が、1回目の《レヴィア》より続行が付くカードが少なく、代わりに3/7のカードが多い、防御的な構成になりました。

1戦目の相手は《ダッシュI/O》の名手Sam Sutherland選手。私も彼のCCのリストを参考にしたりしたことがある名プレイヤーです。Sam選手のヒーローは《ヴィセライ》ということで、《レヴィア》目線ではディフェンシブに動いてファティーグ勝ちを狙うべきマッチになります。ここで腕装備を《呪詛のガントレット》にするか《闇破魔石のグローブ》にするかの2択がありました。


《呪詛のガントレット》を装備した場合、《狂乱索餌》に確定で「続行」を付与できるのが利点。

《ヴィセライ》側の出力が低いターンや、ファティーグを超えるためにセットアップをしたターンに《狂乱索餌》などから連続攻撃をして、一気に防御が必要なライフまで凹ませるのは《レヴィア》の強力な勝ちパターン。
しかし、《闇破魔石のグローブ》による1点軽減も受け切るファティーグには貢献してくれます。
1回目のドラフトでは《狂乱のガントレット》でビッグターンを作るパターンが強かった体験があり、《狂乱のガントレット》を装備して挑みましたが…結果的には判断ミスでした。


1回目のデッキには《イアラサエルの眩き》が2枚、《イアラサエルの振動》1枚、黄《狂乱索餌》1枚と、《狂乱のガントレット》と噛むカードが複数枚ありましたが、2回目のデッキには赤《狂乱索餌》1枚しか《狂乱のガントレット》が噛むカードがないため、《狂乱索餌》を防御に使用すると使い時を見失ったままゲームが終わってしまいます。そして実際の対戦では相手の《略奪唱の堕剣士》のオンヒットを防ぐ為に手札2枚を防御に使用することになり、《狂乱のガントレット》も使用しないまま敗北。これが《闇破魔石のグローブ》なら1枚で防御して切り返せていた…と後悔することになりました。

この辺りは1回目と2回目のデッキを比較して、構築したデッキに合わせたゲームプランの認識不足が出ました。いやーFaBは3年やってもまだまだ奥深いっすね~。
その後は相性不利な《マリス》との2連戦で涙の0-3。結果、9-5で24位で200ドル獲得のマネーフィニッシュとなりました。top8入賞とならず無念!
さいごに ワールドプレミアの魅力
私もFaBを始めて気づけば3年以上が経ちました。Road to Nationals、日本選手権、コーリング、世界選手権、プロツアー…と様々なイベントに参加してきて、どれも楽しんでいますが、一番楽しいと感じるのは「ワールドプレミア」です。
なんというか、手探り感とか、初めてやるボードゲームを遊びなら、どういったプレイが強いのか考えている感覚とか、そういったものがあるように感じます。そして何より「全プレイヤーが何が収録されているのか知らない状態でリミテッドを遊ぶ」「その1日後に競技リミテッドがある」というぶっ飛んだイベント、私はFaBでしか知りません。各種イベントに出た後、このカードをこう使うのが強いんじゃないかとか、このマッチは先手後手どっちのが良いのかとか、意見交換している時間も友人と一緒にゲームを攻略している感じが楽しいですね。
「ワールドプレミア」は毎年4回、新セット発売前に開催されるので、この記事を読んで興味がわいた方は是非「ワールドプレミア」への参加をオススメします!「ワールドプレミア」は世界のどこかの都市で開催されますが、アジア圏で開催される場合は旅費の面もコンパクトに収まるのでオススメ度が高いです。
以上です。お読みいただきありがとうございました。
Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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