2026年6月30日、Flesh and blood公式より禁止改定の告知が発表されました。
https://fabtcg.com/ja/articles/scheduled-banned-and-restricted-announcement-29-06-26-jp/
今回はその改定の中身を見ながら、どんなヒーローに影響があるか、環境への影響はありそうか?といった考察を行う記事になります。
【CCの禁止と解禁】

CCフォーマットは禁止が1枚、解禁が3枚となっています。
《追憶》の禁止について

《追憶》は汎用であることと、3枚のデッキ修復が0コストで可能という唯一無二の効果で、これまで多くの中長期戦志向のデッキで採用され続け、時にはファティーグデッキの生命線として、時にはファティーグへの対抗策として活躍してきました。
《追憶》の禁止は、「特定のヒーローの弱体化」というよりは、「今後のFaBの長期戦デッキの構築や戦略を変えたい」という意図を感じる禁止となります。
多くのデッキで採用されてきたため、様々な影響がありますが、現環境で特にダメージを受けるのは《ヴィクター》、《グレイビィ》の2デッキ。




《ヴィクター》は《ゴールドメインの地所の訪問》を《追憶》で回収して出力を尻上がりに上げていく戦法が不可能に。《グレイビィ》は元々「盟友」という有限の攻撃ソースに頼る関係からファティーグを狙われやすく、《蒼海の大覇船》や《ウェイラー・ハンパーディング》を《追憶》で回収することでそういった対面を突破していましたが、不可能になりました。どちらも長期戦への耐性が下がる形になります。


他に、大きく影響を受けるヒーローは《人狩りのアラクニ》でしょう。このヒーローはメリットとデメリット両方を受けています。まずは《狩るか狩られるか?》対策として、相手に採用される《追憶》がなくなったことはメリットです。《狩るか狩られるか?》をプレイして、《人狩りのアラクニ》の能力の解決後に格納庫から《追憶》をプレイされて回避されながら、山札を修復されてしまう…というのはよくあったプレイでしたが、それがなくなります。
じゃあ《人狩りのアラクニ》の強化じゃん!となりますが、《人狩りのアラクニ》も《追憶》を強く使えるヒーローだった点がネック。相手のデッキがなくなっても、手札1枚でも残っていると武器で攻撃され続けて《人狩りのアラクニ》が負けてしまうことがあります。特に《人狩りのアラクニ》の武器は1-2点なので、守護者や《アイラ》のような武器だけで3点以上出せる相手には頻出しうる状況です。

そうなった際に、《追憶》で《虚弱症の魔本》や《外科的摘出》といった手札を破壊できるカードをデッキに戻すことで、相手の手札を奪って武器すら起動できなくして勝利する…というのはよくある動きでしたが、それが不可能になりました。


今後は武器持ちの相手には《外科的摘出》や《虚弱症の魔本》をピッチしておくなどプレイに制約が生まれそうなのがネックですね。正直なところ、《人狩りのアラクニ》にとってメリットとデメリットどちらが大きいかは蓋を開けてみないとわからず、未知数です。




他、チュリオス《オシリオ》も攻撃し続けることができる武器を持たないため、ファティーグしやすい弱点があります。これまでは《燃やし尽くし》《隕石の衝撃》のような巨大秘術ダメージカードを《追憶》で回収することで、そういった防御的なデッキを貫通していましたが、難しくなりました。《思考の保管》で代替したり、コンボのセットアップを増やして通る打点を増やす等、別のアプローチを成立させる必要がありそうです。
CCフォーマットの解禁について

解禁は青《電磁回転》、《天空のセレナーデ》、《口先三寸》の3枚。



青《電磁回転》について

《電磁回転》はかつて《アウローラ》や《オシリオ》で猛威を振るったインスタント。特に、防御に使用した攻撃アクションを2枚回収するプレイが何より強力。1枚で《征服の命令》を完封する様は実質6点防御リアクションと言われました。《ジギー》やミッドレンジタイプの新《アウローラ》での活躍の可能性があります。



特に防御に使用したカードを2枚回収する動きが強力なので、2コスト以上の攻撃アクションを一定数以上採用したいところですが、構築をある程度変化させる必要があるのでデッキ調整が必要そうです。
《天空のセレナーデ》

《天空のセレナーデ》は新《アウローラ》の強化。



特に《孤光の稲妻》ターンに《天空のセレナーデ》をプレイし、《稲妻の化身》を作成しながら《スキジック》をサーチすると、0コス6点相当のカードになるため非常に強力でした。そのパッケージが復活!ということでまだ活躍できていない新《アウローラ》への追い風となるか。
《口先三寸》について


《口先三寸》は「闘魂激突」発売前に予め禁止になったカードで、特に《プレアデス》及び《ライアス》と相性の良いカードです。


両方《前のめり》などの「緊迫」オーラなどで攻撃アクションをバフし、《プレアデス》なら《自信》トークン、《ライアス》なら大量の「威嚇」でほぼ防御できない10-20点のダメージを通すことが可能です。防御されない巨大な攻撃を行うターンに、《口先三寸》をプレイし「10」などを宣言することで、10個以上の「剛力」トークンの作成が狙えます。



そういったコンボ的な動きができない際も青の防御値3なので取り回しヨシ。《プレアデス》も《ライアス》も競技シーンでの活躍はいまいちしきれていなかったヒーローなので、《口先三寸》により、今後活躍するか期待が集まっています。
【シルバーエイジの禁止制限について】
現在《ブライアー》、《オールディム》、《ドロマイ》といったヒーローが活躍中のシルバーエイジフォーマット。
今回はそれら以外のヒーローを強化すべく、4種のカードの解禁が行われた、といった印象です。

《Seeds of Agony》について



《Seeds of Agony》
テキスト翻訳
《Seeds of Agony》は追放領域からプレイできる。
次にプレイするコスト(2/1/0)以下の攻撃アクションは「これが攻撃する際、1点の秘術ダメージを対象のヒーローに与える」を持つ。
続行
血の負債(ターン終了時に、このカードが追放ゾーンにある場合、あなたは1点のライフを失う)
《Seeds of Agony》は「影・ルーン剣士」かつ追放領域からプレイ可能ということで、相性が良いのは《チェイン》になります。


《Seeds of Agony》は1点の秘術ダメージを飛ばす能力を付与するだけ…なので、実質カード1枚で1点換算と大したことのないカードに見えます。が、その真価は「追放領域から」「0コスト続行でプレイできること」にあります。カードのプレイ数を参照するカードと相性が良く、特に、このターン使用している非攻撃アクションの数だけ攻撃値が上昇する《Rift Bind》とはコンボします。

《チェイン》がCCフォーマットで使用可能な時代は、《Seeds of Agony》と《Rift Bind》をピッチしていき、デッキの底に蓄積しながらヒーロー能力で《Soul Shuckle》を溜めていき、最終的にデッキを全て追放し、大量の《Seeds of Agony》と《Rift Bind》で大ダメージを出す…という戦略がありました。
例えば追放ゾーンに《Seeds of Agony》が6枚、《Rift Bind》が2枚追放されている状況で、《Seeds of Agony》全て使用→《チェイン》の能力で続行を付与した《Rift Bind》をプレイ→《Rift Bind》+6点されて9点と《Seeds of Agony》で秘術ダメージ1点×6→2枚目の《Rift Bind》プレイで9点…と合計24点のダメージが出せます。ここに3枚目以降の《Rift Bind》と、《紅紫に染まる天空》や《Sutcliffe’s Suede Hides》のような続行を付与する手段が組み合わさるとさらにダメージが伸びます。


このように理論上はすさまじいダメージが出せるようになりますが、課題となるのはデッキを空にするまでの時間です。4枚ドロー+《Soul Shackle》で毎ターン1,2,3,4,5と追放していっても、40枚のデッキが空になるのには6ターン必要。かつ、ピッチしたカードが底にいく分を加えると7-8ターンかかるのが現実的なライン。カードをピッチしつつ《ブライアー》や《ファイ》といったアグロデッキの猛攻を耐えるのか、それともライフレースもしつつ《Seeds of Agony》+《Rift Bind》のコンボパッケージも可能にするのか、どちらかの課題を解決する必要はありそう。ヒーロー能力の強さは証明済みの《チェイン》の今後に注目です。
《Steelblade Shunt》について



《Steelblade Shunt》は順当に斧《ドリンシア》の強化ですね。


「レイス英雄譚」初期の環境で活躍しましたが、また隙を見て活躍する見込みがでてきました。特に《ブライアー》に対して秘術防壁を払いながら《Steelblade Shunt》でバフの乗った6-7点の攻撃を防げるのは魅力。《エニグマ》の結界オーラによる攻撃も武器扱いなので、不利だった《エニグマ》へのガードも上がります。
《強健な衝突》について



《強健な衝突》は《ケイヨ》が強くなりすぎることを警戒して禁止されていたカード。

野人クラスは2コストの攻撃アクションが多いため、《活力》トークンが1つあると青ピッチしながら2コスト→2コストと動きやすいのが利点。《ケイヨ》ほど相性はよくありませんが、《Levia》や《ライナー》でも採用されるポテンシャルはあります。特に《Dread Screamer》のような続行札が多い《Levia》では強く使えそうですね。



《Cash In》について

《Cash In》は《金貨》、《銀貨》、《銅貨》関連の効果やカードを使うヒーローのドローカードです。



特にヒーロー能力で《金貨》を作れる《カッサイ》、《銅貨》を作れる《Kassai,Cintari Sellsword》、《黄金の一杯》などで《金貨》を作成することができる海賊クラスのヒーローたちで採用が見込めます。



まとめ
・CCは《追憶》禁止が影響大。《グレイビィ》《ヴィクター》は弱体化。《人狩りのアラクニ》は利点欠点どちらが大きいか、要注目!
・CCの解禁は《アウローラ》《ジギー》《ライアス》《プレアデス》が強化。
・シルバーエイジの解禁は《チェイン》《Levia》《ライナー》《ドリンシア》《カッサイ》《Kassai,Cintari Sellsword》《グレイビィ》《マーリン》《パフィン》《スカーヴ》などが強化。
以上です!お読み頂きありがとうございました。
Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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