2026/5/28に禁止改定が発表され、シルバーエイジフォーマットに大きな影響がありました。
https://fabtcg.com/ja/articles/scheduled-banned-and-restricted-announcement-28-05-26-ja
《アイラ》《ケイノ》《ケイヨ》3人のヒーローが投票によりベンチ入り。かつて環境を支配した《チェイン》がベンチからの復帰。それらに合わせた多数のカードの禁止と解禁の発表。更に構築済みデッキチャプター3の登場による《ブレイズ》の登場や《ボルティン》の武器《レイドゥン》の解禁、更に「第三紀の凶兆」発売によるカードプールの増加…と、激変を迎えたシルバーエイジ。

今回はそんなシルバーエイジがどうなっていくのか、今回の変化の影響を抑えつつ環境を予想&考察していきます。
次期環境予想

まず、次期環境はこのようなメタになると考えています!
こうなるであろうと考えている理由を、ヒーロー毎に分けて整理して書いていきます。
《ブライアー》 TierS予想

《ブライアー》は今回の改定で多数の影響を受けています。
強化:《燃焼+ショック》と《稲妻の圧壊》の解禁、「第三紀の凶兆」による「稲妻」「ルーン剣士」カードの増加
弱体化:腕装備《亡霊招き》と《花盛り》の禁止

腕装備《亡霊招き》を失い、以前装備していた《Bracers of Belief》も禁止なので、腕には《刃招きのガントレット》や《速撃の腕甲》などを装備する必要に迫られているのはネック。




ただ、それ以外は圧倒的にポジティブな影響が多いです。まず解禁された2種のカードについて。


《燃焼+ショック》の強さは言わずもがな。両面でプレイしてダメージが通れば0コス5点続行相当という破格の攻撃力、《大地の化身》トークンが出ているターンには防御値4の防御力、《ショック》による相手ターン中のリーサルと、《ブライアー》全盛期は攻防で活躍するカードでした。《稲妻の圧壊》も先手番でダメージで通したり、《燃焼+ショック》や《スナッチ》とのシナジー、リーサル力を大きく上げる等、非常に強力です。
要は腕装備以外全盛期の《ブライアー》が返ってきています。《燃焼+ショック》と《稲妻の圧壊》を失う前の《ブライアー》は下記の公式のポストの通り、「レイス英雄譚」環境開幕時のプロクエスト:ラスベガス(2026年2月中旬~3月初週開催)にて2位の《ケイヨ》に対して2倍の優勝数を上げる圧倒的な戦績を見せていました。
更に、《ブライアー》は「第三紀の凶兆」の新カードの恩恵をたっぷり受けます。
新カードで採用されそうなのは0コス4点相当で、秘術ダメージが通るか1リソースを払えば続行が付く《同じ結末に至る道》。しばしば採用されていた《スキジック》のほぼ上位互換である《力の奔流》。



リソースが必要なものの、追加の《スナッチ》のように機能する《予見の瞬歩》、続行を付けつつバフもかける《矢継ぎ早の連撃》、インスタントがあれば3点続行、そうでなければ防御に使用すれば良い《暴走する電磁収束》などは採用候補となりそうです。



《燃焼+ショック》と《稲妻の圧壊》を取り戻した上に、これらで構築のカスタマイズ性も向上した《ブライアー》は間違いないシルバーエイジのメタに食い込むでしょう。「《アイラ》や《ケイヨ》といったアグロデッキを使ってきたけど使えなくなった!次何使おう…」と悩んでいる方はとりあえず《ブライアー》から始めていくと外しはしないでしょう。
弱点としては《凍傷》トークンによるリソース縛りやファティーグがあるので、《ブライアー》が台頭しすぎると《アイスランダー》や《レクシー》、ファティーグ《オールディム》などが増加する可能性がある点は要注意。



《オールディム》 TierS予想

シルバーエイジのファティーグデッキ代表、《オールディム》は、相性が極端なデッキです。それ故に、環境によって強弱が非常にはっきりします。「レイス英雄譚」環境では《ブライアー》や《ケイヨ》に有利でしたが、《アイラ》に五分で、《ケイノ》、《フローリアン》、斧《ドリンシア》などは絶望的なマッチ。トータルで見ると悪くはないが良くもない…くらいのポジションでした。

では次期環境はどうかというと、《ケイノ》がベンチ入りし、活躍が見込まれる《ブライアー》に有利なのは大きな利点となります。

解禁された《チェイン》も、《チェイン》側のファティーグ対策次第ですが、《チェイン》の構造的には非常にファティーグしやすいため、基本有利です。《ブレイズ》も《ケイノ》よりはファティーグが狙えそうで、総じて追い風を感じます。
とはいえ《エニグマ》や《フローリアン》が環境に現れたりした際や、サイドからのファティーグ対策カードには警戒が必要なのは変わらず。メタとマッチアップに影響を受けるヒーローなのは変わりませんが、前環境よりだいぶ立ち位置が良くなっていそうな気配を感じています。
《ブレイズ》 TierA予想

元々はBlitzというフォーマット専用のヒーローとして登場していましたが、今回「シルバーエイジ構築済みデッキ チャプター3」でR以下のヒーローになり、使用可能になりました。
能力は「選択」をするたびにその数だけエナジーカウンターが乗る能力と、そうやって溜まったエネルギーカウンターをX個消費することで、秘術ダメージをX与えるカードをインスタント化してプレイ可能にするという能力です。

この能力は例えば赤《名誉教授の叱責》を相手ターンに使用する場合、4つのエネルギーカウンターを取り除いて、6点でプレイすることが可能です。また、《凝核のエーテルボルト》をプレイする際も1つのエネルギーカウンターを取り除いて3点&ダメージを与えたらタップして1点でプレイ可能です。ちょっと詐欺臭いですが、「秘術ダメージを与えるテキスト」の中で最小のものを参照できる認識でOKです。(ルール詳細は公式の記事であるこちら参照)


頭装備《魔除けのレンズ》や、《燃え殻の予見》、《エーテルの糸巻き》等で選択をしてエネルギーカウンターを溜め、相手ターン中に《名誉教授の叱責》でリーサルを狙うヒーローが基本となるでしょう。



他、面白いコンボでは《未来予知》をプレイして《宿命の印》を複数個並べることで、「印」の数だけ威力が上がる《象形文字の重なり》を強化して、インスタント化して巨大な秘術ダメージを与えることが可能です。《宿命の印》で「選択」が行われるため、次のエネルギーカウンターも補充する点も楽しいポイント。この場合も「印」がいくつあってもエネルギーカウンター3つで《象形文字の重なり》をインスタント化してプレイできます。



《ケイノ》と《アイスランダー》の活躍によりインスタントで動ける「魔術師」クラスの強力さは証明されています。《ブレイズ》もその条件を満たしており、「第三紀の凶兆」で登場した《心火への転火》などのパワーカードも存在していることから、環境に食い込むことは間違いなし!と予想しています。


懸念点としては、インスタント化能力がターンに1回であり、カウンターも要する関係で《ケイノ》ほど自由にインスタントで動けない点。ゲーム中にインスタント化できる上限も決まっている為、ファティーグデッキが秘術防壁4-5を装備してきた際や《エニグマ》のような結界が豊富なヒーロー相手にはファティーグする懸念があります。
デッキ構築の観点では、「選択するカードを一定数入れること」、「秘術ダメージカードを一定数入れること」以外のデッキの制約は薄いため、《水平線上》や《傷には傷を》や《フィエンダルの戦意》等の汎用カードも採用しやすいです。



構築の幅が広そうで、環境に合わせてリストが進化していく可能性もあります。《ブレイズ》の今後に注目しながら秘術防壁や《秘術の極性》の枚数を調整していきたいですね!



《チェイン》TierA予想

「シルバーエイジ」黎明期(2025年末~2026年2月まで)、環境は《チェイン》により支配されていました。当時開催されたトーナメントのtop8は過半数が《チェイン》になることが見慣れた光景でした。
《チェイン》はなぜ強力なのか?という説明をすると、簡単に言うと「ノーコストで幅広い範囲に続行を付与することができて」「実質知性が増えていく唯一無二のヒーローだから」という話になります。



《チェイン》のサンプルリストと簡単な動きの例を解説します。

当時の環境は主に「ルーン門」ギミックを生かした《チェイン》が活躍していました。

具体的な動きを2ターンほど見ながら《チェイン》の強力さを説明します。
①後手1ターン目の手札が《邪悪な詠唱》、《呪文刃の猛攻》、《ルーン占い》、青だった場合。





普通のヒーローなら続行のない《呪文刃の猛攻》や《ルーン占い》をプレイしてターン終了となりますが、《チェイン》はなんとヒーロー能力を起動するだけで次の「ルーン剣士か影のアクション」という幅広い対象に続行を付与できます。(なんと武器や装備の起動にも続行が付きます)
なので、まずヒーロー能力を起動し《魂鎖》(=《Soul Shackle》)トークンを作成。青ピッチして武器《命刈りの刃》で1コスト3点の攻撃…これにヒーロー能力により続行が付与されます。なので、その後《邪悪な詠唱》をプレイしつつ、浮き2リソースで《呪文刃の猛攻》で攻撃。《呪文刃の猛攻》で《ルーン陣》が2個作成、《邪悪な詠唱》の効果で1個作成されて合計《ルーン陣》が3つ残って、格納庫に《ルーン占い》を残してエンド。

これだけでも、2枚で7点の攻撃をしながら《ルーン陣》が3つ残っている=10点相当の動きになります。しかし《チェイン》の本領はここからです。返しの相手のターン、手札が事故気味だったので、相手からの攻撃を手札4枚で防御したとしましょう。合計3,3,3,2で防御して11点分の防御を行いました。

そしてターンが返ってきて、《Soul Shackle》トークンが1個あるため、効果でデッキトップから1枚追放します。これにより、「ルーン門」を持つ《Vantom Banshee》が追放されました。


《ルーン陣》が3つあるので、《Vantom Banshee》はコストを支払わずに追放領域からプレイできます。なので、《チェイン》の能力を起動して《Soul Shackle》トークンを作成し、続行付与された《Vantom Banshee》をプレイ。7点攻撃+《ルーン陣》で秘術ダメージ1点x3回。その後、格納庫から《ルーン占い》をプレイしてターン終了…と動けば、このターンは防御で11点出した上で10点の攻撃をしつつ、《ルーン陣》が4つ残っており、トータルすると25点の表現価値を出しています。 化け物ですね。

このように「能力でお手軽に続行を付与できる」「《Soul Shackle》トークンにより追放領域からプレイできるカードが捲れると手札が急に増える」…というのが《チェイン》の強みです。更に、《Soul Shackle》トークンは累積していくので、次のターン開始時は2枚追放、更に増やせば次は3枚…と有効なカードが追放される確率はどんどん上がっていきます。
こんな強いヒーロー能力のヒーローが解禁されたらとんでもなく暴れてしまいそう…ですが、その構築から4種のカードが禁止に。特に武器《命刈りの刃》と頭装備《Ebon Fold》の規制は大きいです。


頭装備《Ebon Fold》は全対面に装備する頭装備で、序盤のターンの出力と安定感を上げながら、魔術師相手には「呪文虚壁2(=Spellvoid2)」としても活用できるという強力な装備品でした。「ルーン門」は手札からプレイする場合コストがかかってしまいあまり強くありませんが、追放領域からプレイすればお得というカードです。《Soul Shackle》が少なく、「ルーン門」が追放されていない序盤に《Ebon Fold》で手札の「ルーン門」を追放してプレイする動きは非常に強力かつ、チェインの序盤の隙を消してくれる装備でした。
武器《命刈りの刃》は《チェイン》にとっては1コスト3点続行という破格の性能の武器かつ、《オールディム》のライフ回復を阻害してくれる能力で対ファティーグ相手に一役買ってくれていました。代わりの武器としては出力としては控えめな《苦痛の王笏》や、条件を満たさないと強くならない《星雲の剣》や《Galaxxi Black》が候補になり、だいぶ取り回しは悪くなります。



更に、メインデッキからは《Vantom Wraith》と《Deathly Delight》が全色禁止に。


これによりデッキから4-6枚の「ルーン門」を失った形となり、安定感が落ちる形になります。2コストの「ルーン門」を失ったことで、「ルーン門」→《邪悪な詠唱》から《ルーン陣》が出る→「ルーン門」で攻撃、という連続攻撃も難しくなります。
総合して、これまでの「ルーン門」を軸にした構築では今のシルバーエイジを戦っていけるか怪しいという気がしてます。しかし、《チェイン》のヒーロー能力の強力さはFaBの歴史上でもトップクラスなので、形を変えても活躍するポテンシャルは大いにあります。「ルーン門」ではない「血の負債」カードを使用した構築や、ルーン剣士カードを活用した構築に変化していく可能性があります。なので、現段階ではAランクだが、TierSになる可能性を秘めている…と考えています。
以下、初めて《チェイン》と対面する方への簡単なアドバイスをいくつか書いておきます!
・秘術防壁は1装備するのがオススメ 青がほぼ入っていないアグロデッキなら押しきりを狙って秘術防壁ナシもあり。
・守り続けるタイプのファティーグを狙うだけでは《チェイン》側に対策されるとセットアップされた後に突破されるリスクがあるので、プレッシャーをかけながらファティーグを狙うのが理想。
・先手後手は、アグロなら後手を取って後手からライフにプレッシャーをかけて、防御的なデッキや、先手でやることがある幻術師クラス等は先手を取るのがオススメ!
《ドロマイ》TierA予想

禁止改定の影響も「第三紀の凶兆」の影響もありませんが、苦手だった《ケイヨ》と《アイラ》がベンチ入りし、上位ヒーローとなりそうな《ブライアー》や《オールディム》等に有利が付きやすいため、立ち位置が良くなりました。もともと《Rake the embers》や盟友戦術により雑多なヒーローは蹴散らせるパワーを持っているため、要注目です。あまり対戦したことない方は「盟友」の処理する優先順位について考えておいたり、パワー6以上のカードをサイドに忍ばせておくと良いかも!
個人的に《Cromai》と《Kyloria》はマスト除去と考えています。



《アイスランダー》TierA予想

「レイス英雄譚」環境でもショーダウンのtop8入賞や、スカーミッシュでの優勝など実は4-5番手ほどの活躍をし続けていた強ヒーロー。更に、「第三紀の凶兆」で「魔術師」クラスの新カードを獲得しました。特に注目の新カード《心火への転火》は《アイスランダー》が一番強く使えるといっても過言ではありません。


《熟考》トークンはエンドフェイズにドローを行い、基本的に引いたカードは格納庫に置くしかない関係で、「プレイして強い赤いカードを引くと強いが、青いカードや使いづらいカードを引くと弱い」という特性を持ちます。が、《アイスランダー》は青いカードを格納庫に置くのが強いヒーロー…ということで、《心火への転化》と最も相性が良い「魔術師」でしょう。前環境でも活躍していたポテンシャルや、《凍傷》トークンが《ブライアー》に強い点も魅力的!
まとめ
・新環境は強カードの解禁+「第三紀の凶兆」で新カードを獲得した《ブライアー》が注目!
・《オールディム》、《ドロマイ》辺りは新カードや解禁はないけど立ち位置が良くなってそう。
・《アイスランダー》《ブレイズ》の魔術師ヒーローは《ケイノ》の後釜を継げるのか。《心火への転化》など新カードの強化もあり!
・《チェイン》はかつて猛威を振るった「ルーン門」軸は厳しそうだが、別の要素を加えたり別の軸で活躍するポテンシャルあり。デッキ開発に注目!
以上です!お読み頂きありがとうございました!
Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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