突然ですが、FaBで最も強いヒット時効果は何でしょうか?
《征服の命令》+《殴打》? 《Herald of Erudition》?ヒーロー能力を消す《屈辱》?




どれも違います!最も強力なヒット時効果は「ヒットしたら負け」すなわち、ライフを0以下にするダメージです。残りライフ1の際の《調和の小太刀》1点続行が最強ってことですね。
このような「敗北につながるダメージ」をゲーム用語で「リーサル」と呼びます。今回はそんなリーサルについて考える記事です。
リーサルについて考える
大前提、FaBは対戦相手のライフを0にすることで勝利するゲームですが、例えば0コスト3点続行が4枚の手札や、アクションポイントが増えず6コスト10点で攻撃して終わり…のような手札では相手の防御値3×4枚の手札で防御されきってしまい、残りライフ1点の相手にトドメを刺せません。

トドメを刺せない展開が続いてるうちに、青4枚のような弱い手札を引いてしまい逆転を許してしまったり、ファティーグしてしまったり…といったのは悲しい負け方です。このような展開はリーサル力が低いと起こりますね。
ですが、リーサル力が高いヒーローはそういった展開になりづらいですし、時にはそれ以上の強みを持っています。続いて、「リーサル力」が高いヒーローは強い、というお話をしていきます。以下、具体例を見ていきましょう。
リーサルシーンの具体例と強み
サンプル1.ブレイクポイントによるリーサルの強み
シルバーエイジの《アイラ》



《アイラ》相手に残りライフが1点になってしまうと、《調和の小太刀》1点の攻撃を防御する必要があります。青ピッチ《調和の小太刀》1点→《調和の小太刀》2点→《速度の奔流》5点という手札2枚からの攻撃でも手札4枚全てで防御する必要が発生します。ここに1枚でも続行のカードがあれば《アイラ》が勝利するわけですね。

《アイラ》はこのように「少ない手札で残りライフが少ない相手の手札をもぐ」事に非常に長けており、相手に残りライフ1になる=返しに勝たないとほぼ負けを意味してしまいます。



また、《アイラ》の能力で1点になった《偽装された復讐》や《臥虎》などの打点が通りやすかったり、《イカルの遺志》や《踵掴み》といった+1点する攻撃リアクションで残りライフ2でも敗北する…など「残りライフ3点以下の相手を追い詰めたりリーサルする手段」の豊富さは《アイラ》最大の強みの一つでしょう。
サンプル2.秘術ダメージとインスタントによるリーサルの強み
シルバーエイジの《ケイノ》



秘術ダメージは「秘術防壁を超えた秘術ダメージ=勝利」になりやすいため、リーサル力が高い性質を持ちます。秘術防壁3を装備している状況でも、ライフが3点になってしまうと武器《エーテル織込の攪拌杖》起動→《紫電一閃》の秘術ダメージ6点で敗北となってしまいます。(他にライフ回復や軽減手段をもっていない場合)

ここに、インスタントが絡むと更に凶悪になります。《ケイノ》相手にライフが7点以下になり、攻撃に手札をすべて使ってしまいリソースが無い状況になってしまうと、《ケイノ》の能力から赤《名誉教授の叱責》を追放→武器《エーテル織込の攪拌杖》起動→《名誉教授の叱責》プレイで秘術ダメージ7点=敗北になりえます。インスタントによるダメージは手札がない状況でリーサルを仕掛けてくることが可能なので、先ほどよりもリーサルとなるライフが高いですね。《急反射》や《エーテルへの吸収》が絡めばさらにダメージが増加し、リーサルとなる範囲が広がるパターンもあります。



また、インスタントで動けることは「リーサルを決めやすい」以上の意味を持ちます。相手の手札が4枚で、最初の攻撃アクションをプレイしてきたタイミングで《ケイノ》を起動して、赤《名誉教授の叱責》を追放→7点秘術ダメージ…このダメージでリーサルとなった場合、《名誉教授の叱責》は相手の手札4枚による攻撃を全て無効化しているようなものであり、無理やり表現価値に換算すると秘術ダメージ7点に加えて「相手の手札4枚=12点」が加わって表現価値19点とでもいうべきバリューになっています。追加ターンのようなものですね。

《アイスランダー》、《嵐の闊歩者》、《アウローラ》の《苦悶の印》、《オシリオ》の《ショック》、野人の《Reckless Swing》等、相手ターンにダメージを与えるカードは競技シーンで活躍してきたカード群でもあります。「相手ターンにダメージを出せること」の強さが分かりますね。






サンプル3.リアクションと防御できないダメージによるリーサルの強み
CCの《傀儡・アラクニ》



攻撃リアクションは相手の防御を見てから後出しで攻撃を強化できるため、リーサルしやすい性質を持ちます。
例えば残りライフ7点の状況で相手の《グラフェンの鋏角》の1点攻撃に対して、防御しない宣言をした状況。相手が《切開》を2枚プレイして《グラフェンの鋏角》が+6点されて7点に。このままでは負けてしまうので防御リアクション《群青に沈む》をプレイ。



《群青に沈む》解決後に相手が《タランチュラの毒素》をプレイして《群青に沈む》の防御値を-3しつつ《グラフェンの鋏角》の攻撃値を+3。結果、9点のダメージが通ってリーサルに…このように防御の上から貫通してくるダメージが攻撃リアクションの強みです。



更に、《傀儡・アラクニ》は《短刀の妙技》を装備することが多く、《短刀の妙技》は1点の防御できないダメージを与えることができます。残りライフ1=《短刀の妙技》で敗北になるのは勿論、《死の接吻》と組み合わさると1点+1点ライフを失わせる能力により、残りライフ2点でも《短刀の妙技》の1点を軽減できない場合、敗北してしまいます。
以上、リーサルの局面において強い要素の具体例でした。
まとめると、以下のような要素がリーサル力が高い要素となります。
1.ブレイクポイント(1/4/7点など3点の防御値で防ぎづらい攻撃)
2.圧倒/凌駕/自信のような防御制限能力
3.攻撃リアクション
4.秘術ダメージ
5.インスタントやリアクションによる相手ターン中のダメージ
6.《短刀の妙技》のような軽減でしか防げないダメージ
7.威嚇や《淘汰》などの手札破壊

「このライフになると危ない」を意識すること
「この状況になってターンを返すと負けてしまうかもしれないライフ圏」=リーサル圏というのはヒーローによって異なります。例えば、《ヴィクター》相手に残りライフ7以下になると、《黄金の申し子》の10点凌駕で敗北する可能性があります。

ヒーローごとのリーサル圏というのは非常に重要で、競技シーンにいるトッププレイヤー達は対面ごとにライフコントロールを巧みに行っています。
特定の「リーサル圏」を持つヒーロー相手にはその「リーサル圏」にならないように立ち回る必要があります。上記の《ヴィクター》の例ですと、7点になると《黄金の申し子》で負けてしまう可能性があるため、そうならないように防御してライフ8点を維持する…などですね。
逆に、広いリーサル圏を持つヒーローは「相手に防御を強要するライフが普通のヒーローよりも早い」という特性を持っている、とも言えます。
過去の例で言うと、《ヴァーダンス》は足装備《嵐の闊歩者》から《灯し葉》をプレイして6点→武器《欠けゆく月》で3点の動きにより、インスタントタイミングで9点の秘術ダメージを与えることができるため、対戦相手にライフ10以上を維持することを要求できました。このプレッシャーにより相手に防御を要求するターンが他のヒーローよりも早く、長期戦に持ち込んで徐々に有利を広げたり、相手に手札を思うように使わせない戦い方を得意としていました。




「リーサルを回避する」のも強力
リーサルを狙った動きは時には表現価値を大きく落とすことがあります。
《ケイノ》の能力起動は強力ですが、シンプルに3リソース分=手札1枚を失っています。《ヴァーダンス》の《嵐の闊歩者》はゲーム中一度切りです。相手がリーサルを狙ってきた際に《オアシスでの休息》や《癒しの印》などでリーサルを回避することは見た目以上の表現価値を持ちます。


相手のターン中にリーサルを狙う=防御に使用する手札を失うということでもあるので、《ケイノ》や《アイスランダー》《オシリオ》といったヒーローが狙ってくるリーサルを回避できると、逆にリーサルを狙い返す大きなチャンスになります。インスタントや秘術ダメージに対してはこれらのカード回復や軽減効果のカードが対抗策になりますし、攻撃リアクションに対しては防御リアクション、《短刀の妙技》等には《嵐からの避難》や《癒しの風》といった軽減カードが有効です。



時には割り切りも大事
「あのカードを持たれていたらどうせ負ける」という思い切りも時には大切です。リーサル圏に落ちないようにしたり、リーサルを回避するプレイ…ケアするプレイは大切ですが、例えば攻撃リアクションをケアして過剰に防御し続けていくと、ライフは守り続けることはできても自分のデッキが先になくなりファティーグしてしまったり、相手が「圧倒」を持つカードや攻撃リアクションを追加で引いた際に負けてしまう展開になります。

相手目線では「実は最初のターンは攻撃リアクションを持っていなかったが、相手が過剰に防御して反撃が弱くなってゲームが長引いた結果、攻撃リアクションを引き込めて勝った」というようなこともあり得ます。これらは良くないケアの例ですね。「ケアすることで得られるリターン」「割り切ってケアしないことで得られるリターン」を天秤にかけて考えることが大切です。

例えば「相手のライフが残り2点なので、負けないようにしていれば、《Reckless Swing》を引き込めば勝てる」ような場合は防御し続けるのが正解になりますし、逆に相手のライフが残り10点以上あるような場合は、こちらも手札を複数枚使い反撃しなければ勝てないため、「リスクを取って攻撃リアクションがあれば負けの防御をする」のが正解になることもあります。
強くないリーサル
手札要求が多すぎるリーサルは、お互いにライフが少ない接戦になった際に機能しづらいという弱点を持ちます。


赤《マッチョグランデ》は分かりやすい例です。赤《マッチョグランデ》は圧倒10点ですが7コストと重いため、普通はプレイするリソースとして手札3枚が必要です。返しで《マッチョグランデ》をプレイできれば勝ち!という局面でも、相手にリーサルを仕掛けられて防御にカードを使用したり、手札破壊をしかけられるとプレイできなくなってしまうため、赤《マッチョグランデ》はあまり採用されません。リーサル以外でプレイすると手札4枚を使用して10点与えるだけ…と表現価値的に低いのもネックですね。色が変わって青い《マッチョグランデ》になると、高い採用率を誇ります。これは基本的にピッチか防御用に使用して、終盤にリーサル札になる優秀なカードだからですね。
余談ですが、圧倒や凌駕、威嚇といったリーサルに役立つ能力を得意とするが環境で活躍できていないヒーローは「リーサル圏に落とし込むためのライフレース能力(=平均の表現価値)」、「安定感」、「少ない手札でリーサルに貢献するカード」のいずれかが足りていないことが多いです。



逆に言うと、この辺りの弱点が解消されると一気に活躍することもあるので、カードが追加されたり環境が変わった際は要注目ですね。
最後に
自論ですが、FaBは決着がついたターンに勝因や敗因があることは少なく、その数ターン前の防御や攻撃の仕方が敗着になっていることが多いです。「リーサル」に至るまでの過程が重要ということですね。
「攻撃リアクション1枚で負けてしまうライフ状況になったから負けてしまった」→「じゃあどうすればこのライフにならなかったのか?」→「数ターン前の攻撃に対してノーブロックした際、攻撃リアクションを複数枚使われて想定よりもダメージを受けてしまっていた。じゃあ今度は防御の意識を高くして対戦してみよう」などといった振り返りと、プレイやプランの改善をしていくと徐々に対策ができ、勝率に繋がっていくかと思います。強いプレイヤーはお互いのリーサルを逆算して、数ターン前からプレイの判断基準の一つにしています。
以上です。お読みいただきありがとうございました!
Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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