「秘術ダメージ」ってなに?って疑問に答えるための記事

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今回は「秘術ダメージ」(=Arcane Damage)について解説する記事です。

「秘術ダメージ」ついてはこれまでの記事でも触れてきましたが、その特性・ルール・対策について一つにまとめていなかったので、今回は「秘術ダメージって何ですか?」という初心者の方がこのページを見ればOK!という記事を目指します。

・秘術ダメージの説明

まず、普通のダメージは以下のような武器や攻撃アクションにより与えられるダメージです。
これらの攻撃は防御が可能です。

攻撃プレイヤーが《傷には傷を》をプレイ。4点の攻撃となり、対戦相手の防御の選択に入ります。対戦相手が3点で防御すれば、4引く3で1点のダメージが防御プレイヤーに与えられます。

具体的には攻撃ステップ→防御ステップ→リアクションステップ→ダメージステップ→解決ステップ…という手順を踏んでいきます。

このような一般的なダメージは物理的なダメージのフレーバーで描かれるので、この記事では「物理」ダメージと呼称します。

では、秘術ダメージの話をします。

秘術ダメージ5点を与える《紫電一閃》がプレイされると、対戦相手は防御できないまま、相手に5点の秘術ダメージが与えられます。

要は、「秘術ダメージを与えるアクションのプレイ→解決=ダメージ」となっており、防御ステップやリアクションステップは発生しません。「防御することができない、じゃあ防げないダメージってこと?最強じゃん!」って思われるかもしれませんが、ちゃんと対抗策はあります。

《秘術ダメージ》の対抗策「軽減」

【秘術防壁について】
「防御」することはできない秘術ダメージですが、「軽減」することは可能です。
最も汎用的な対策は「秘術防壁」(=Arcane Barrier)です。

英語だとArcane Barrierなので、プレイヤーの間では「AB」と省略されることが多いです。《虚空のルーンの~》シリーズは汎用装備なので、全ヒーローが装備することが可能なメジャーな対策カードです。
「秘術防壁1」を装備していると、秘術ダメージを受ける際に1リソースを払い1点軽減することができます。軽減に使用しても破壊されないため、1試合中に何度も軽減に使用できます。ただし、1回の秘術ダメージには、秘術防壁1つにつき1回しか適応できません。
(※3点の秘術ダメージに対して「秘術防壁1」1か所で3回適応して3点軽減!というのはできません)

いくつか具体例を出します。

例1:「秘術防壁1」を2箇所に装備しており、3点の秘術ダメージがプレイされた場合

①「秘術防壁1」を1箇所適応して1リソース払い1点軽減
②「秘術防壁1」を2箇所適応して2リソース払い2点軽減
③秘術防壁を使用せずに0点軽減
から好きに選べます。

例2:「秘術防壁1」を装備しており、《ルーン陣》が3個ある状況で相手が攻撃してきた場合

①「秘術防壁1」を3つの「ルーン陣」に使用。3リソース払い3点軽減
②「秘術防壁1」を2つの「ルーン陣」に使用。2リソース払い2点軽減
③「秘術防壁1」を1つの「ルーン陣」に使用。1リソース払い1点軽減
④秘術防壁を使用せずに0点軽減
から好きに選べます。「ルーン陣」は1点x3回なので、「秘術防壁1」を1点についてそれぞれ適応することができます。

例3:「秘術防壁2」と「秘術防壁1」を装備しており、6点の秘術ダメージがプレイされた場合、

①「秘術防壁2」と「秘術防壁1」を両方適応、3リソース払い3点軽減
②「秘術防壁2」のみを適応し、2リソース払い2点軽減
③「秘術防壁1」のみを適応し、1リソース払い1点軽減
④秘術防壁を使用せずに0点軽減
のいずれかから任意で選択できます。

「秘術防壁」の弱点として、手札に青いカードがないと支払いづらいため、デッキをほぼ赤いデッキで組むタイプのアグロデッキなどでは秘術防壁の効率が非常に悪くなってしまう、という点があります。防御や攻撃に使用したら3-4点になる赤いカード1枚を秘術防壁に使用して、1点軽減していると、手札1枚が1点の効率になってしまっているため、弱い動きになってしまいますね。
そんなデッキで愛用されるのが次に紹介する「呪文虚壁」です。

【呪文虚壁について】

「呪文虚壁」は1回軽減に使用すると破壊されてしまう、使い捨ての軽減手段になります。秘術ダメージを受けるに際し軽減するか否かは好きに選べます。代わりに、「秘術防壁」と異なりリソースを必要としない点が長所です。
特に《エーテルの猛火》《エーテルの閃火》や「逆巻」を持つカードなど、与えた秘術ダメージによって、メリットを得ることができるカードへの有効な対抗策となります。

【その他の軽減カード】
「秘術防壁」「呪文虚壁」以外の軽減手段もあります。具体的には《オアシスでの休息》《一蹴》《堅固な接地》のような軽減効果を持つカードがあります。これらは秘術ダメージ以外にも使用できるため、メインデッキから入る秘術対策としても使用できます。

【それ以外の対策】
防御でも軽減でもない「秘術ダメージ」対策はあります。それはライフ回復です。
《癒しの印》や《秘術の極性》といった回復インスタントも秘術ダメージ対策として優れています。

特に、魔術師クラスは《ケイノ》の能力や《嵐の闊歩者》、《ショック》などインスタントタイミングでの秘術ダメージを得意としているので、これでトドメ!と思って秘術ダメージをプレイしてきた相手にライフ回復でリーサルを回避するのは有効な動きです。

じゃあいつ秘術ダメージを対策すればいいの?

サイドに「秘術防壁」装備は用意したけど…誰相手にいくつ装備すれば良いの?という方向けのコーナーです。
まず、最も秘術ダメージを使うのが得意なのは「魔術師」クラスです。「魔術師」クラス相手にはなるべく「秘術防壁」や「呪文虚壁」をたくさん装備しましょう!特に《ケイノ》はほぼ魔術ダメージのみで相手を倒す構築が多いです。

6点や9点など、大きな秘術ダメージを与えるのを得意としており、基本的に「魔術師」相手には秘術防壁や軽減が多いほど楽になります。秘術防壁0や呪文虚壁0で勝つのは難しいでしょう。

与えた秘術ダメージが大きいほどボーナスのあるカードや、「逆巻」能力などを誘発させることで強みを出すカードも多いため、それらの誘発を防げると楽になります。

次に秘術ダメージが得意なのは「ルーン剣士」クラスです。「ルーン剣士」相手には「秘術防壁」を1つ装備するのがオススメです。

「ルーン剣士」は物理と秘術ダメージの両立を得意としており、与えてくる秘術ダメージは殆どが1点です。

ですが1点と侮ることなかれ。《苦悶の印》や《苦痛の王笏》など秘術ダメージを与えることでボーナスが得られるカードもありますし、なによりライフ1vs1の良い試合を《ショック》や《ルーン陣》によるダメージでトドメを刺されてしまい負ける展開に繋がりがちです。
上記から、「ルーン剣士」相手には基本的に「秘術防壁1」を装備するのがオススメです。特に《ヴィセライ》と《Vynnset》は《ルーン陣》の作成を得意としている為、「秘術防壁1」の装備を推奨します。逆に《アウローラ》や《ブライアー》は物理攻撃の比重の方が大きいため、アグロデッキなどで短期決戦をする場合「呪文虚壁」1つ装備や「秘術防壁」を装備しないなどもありです。

他はまれに一部の「幻術士」が秘術ダメージを扱います。

が、《エニグマ》は秘術ダメージを使えませんし、《ドロマイ》や《Prism》もゲーム中に秘術ダメージを飛ばせる回数が限られており、物理98:秘術2ほどのバランスなので、ファティーグを狙う試合等、レアケース以外では「秘術防壁」を装備しないでOKです。…が、次セット「オーメン」で登場する《ジギー・スターライト》は秘術ダメージを与えるのが得意な「幻術士」のようなので、《ジギー》には注意しましょう!

続いて、秘術ダメージの強みと弱みの話をしていきます。

秘術ダメージの強みと弱み

【秘術ダメージの強み
①相手に「秘術防壁」や「呪文虚壁」の装備を強要できる
多くの場合、相手の装備品の弱体化を意味します。例えば「焼き戻し」2点の装備を「秘術防壁」にした場合、実質的なライフが3点減っていることになります。また、装備の能力起動によるメリットも得れなくなります。元々の装備が強力で、「秘術防壁」装備が弱いクラスは特にこの弱点が際立ちます。具体的には「戦士」や「守護者」クラスは秘術防壁を持った強い装備品がないため、普段の装備から大幅な弱体化を余儀なくされます。

②相手にリソースがないと防ぐのが難しい
例えば、「秘術防壁2」の残りライフ1点の相手には秘術ダメージ3点与えるカードをプレイすれば、ほぼ勝利することができます。(軽減カードや回復カードを持たれていると生存されます)
物理ダメージでは相手の手札を全て防御に使われた上でダメージを通す必要がある=12点を乗り越えてダメージを与える必要があるため、大きくリーサルのしやすさが違います。

他にも、残りライフが1点で「秘術防壁1」を持つ相手に《ルーン陣》3つと同時に4点の攻撃をして、相手の手札が赤4枚だった場合、相手は「秘術防壁1」を赤3枚で3回払った後、防御値3で防御という動きになりリーサルになります。

③防御リアクションのような効率の良い防御手段が少ない
秘術ダメージの対策は「軽減」など限られていますが、この「軽減」カードは汎用では種類も少なく、かつ性能も控えめなものが多いです。最もよく使われるのは《オアシスでの休息》ですが、こちらは1コスト必要な関係で基本的には手札2枚で4点軽減。

《一蹴》は0コストで3点以下のダメージなら軽減可能ですが、4点以上のダメージを受ける際は1点も軽減してくれないため、リスクのあるカードです。その次は《Peace of Mind》の2コスト4点と更に軽減効率は落ちたカードになってきます。
クラス限定になると《痛撃》などの0コスト2点軽減+メリット効果や《蛮勇》、《未来の種子》など性能は多少上がりますが、軽減カードが殆どないクラスも多いです。

④《大地の化身》や《不屈》のような防御値を上げる効果に強い

これらの防御値上昇効果は物理攻撃にのみ有効なので、秘術ダメージを与えてエンド、などの動きをすればトークンの価値を0点にすることができます。

⑤先手1ターン目で強い
先手1ターン目の物理攻撃は基本的にあまりダメージが通りません。相手の手札が防御値3×4枚だとした場合、13点以上の攻撃を行わなければダメージが通らないからですね。
しかし、「秘術ダメージ」ならば、基本的に相手の「秘術防壁」を貫通した分だけダメージを与えることができます。大きな数字の「秘術ダメージ」は疑似的な「圧倒(dominate)」としての性質を持っています。

⑥相手のブロックや防御リアクションを無力化できる

ブロックや防御リアクションは防御性能が高い代わりに防御にのみ使えるカードになっています。秘術ダメージに対しては使用できないため、単純にリソースカードにしかなりません。「魔術師」と対戦する際はこれらのカードをなるべくサイドアウトするのが定石となります。

【秘術ダメージの弱点】
①コストに対するダメージ効率が1点落ちる
物理ダメージカードと秘術ダメージカードの、バニラ(=追加テキストがないカード)を比較します。
《傷つける殴打》は0コスト4点ですが、《Zap》は0コスト3点。

《Critical Strike》は1コスト5点ですが、《Scalding Rain》は1コスト4点。

この基本的なスペックのカードを見て分かるように、「秘術ダメージ」を与えるカードは「物理ダメージ」のカードに比べて、コストに対して与えるダメージが1点少なく調整されています。
この特性上、先手1ターン目や終盤には強力ですが、中盤のライフレースにおいては少し効率が悪いことがあります。相手がどうせダメージを防御する気がなければ秘術ダメージの「ダメージを通しやすい」という特性はあまり意味がなく、「数字が1点小さい」というデメリットが目立ってしまう点は注意しましょう。

②軽減されると自分だけデッキが減るため、ファティーグしやすい
前提としてファティーグ(デッキ切れ戦略)が絡む試合においてのみ問題となります。2コスト6点の攻撃をして相手が2枚防御にカードを使用した場合、自分はデッキ1枚消費、相手はデッキ2枚消費となります。
この動きを繰り返すと先に相手のデッキがなくなり、いつか相手の手札が枯渇します。
しかし、この動きが秘術ダメージだった場合。2コスト5点の秘術ダメージを使用し続けて、相手が秘術防壁5を払う…という動きだと、自分はデッキ1枚消費、相手はデッキ0枚消費となります。ピッチに使用したカードはデッキに戻りますからね。このように、秘術ダメージを与えるカードは「自分だけが一方的にカードが減る」という弱点を持ちます。
特に、青いカードが多く採用されているようなデッキで、「秘術防壁」を3-4など多く装備している相手はファティーグを狙っている可能性が高いです。

③防御値が低い/防御値のない青いカードを「秘術防壁」の支払いに使われてしまう

インスタントを多用する《オシリオ》や《内なる気》を採用する神秘ヒーロー、アイテムを採用する《ダッシュ I/O》などに顕著になりやすい弱点です。相手は本来防御に使用できない防御値のない青いカードを秘術防壁による軽減に回せるため、プレイの幅が広がります。

④《Prism》《エニグマ》のような軽減が得意なヒーローには不利が付きやすい
秘術ダメージの長所はダメージを防ぎづらいところ…と言いましたが、逆に、軽減手段が豊富なヒーロー相手にはこの強みがなくなってしまいます。幻術士クラスは軽減が得意なクラスであり、具体的には《Prism》はヒーロー能力を起動して「Figmnet」を表側にすればいつでも4点軽減が可能ですし、《エニグマ》は軽減効果を持つ結界オーラの展開を得意としています。

秘術ダメージのルール関連の注意点

「秘術防壁2」の弱点
「秘術防壁2」や「秘術防壁3」は非常に優秀な装備ですが、必ずしも「秘術防壁1」の上位互換という訳ではありません。具体的には1点の秘術ダメージに対しての軽減効率が劣ります。
「秘術防壁2」を持つ装備品のみを装備している状態で、1点の秘術ダメージが飛んできた場合、
①「秘術防壁2」を適応し、2リソース払い2点軽減し0点ダメージ
②秘術防壁を使用せず、1点ダメージを受ける
のどちらかしか選択できません。つまり、1リソース払って1点軽減したり、秘術ダメージ1点が2回飛んできているときに2リソース払って2点軽減したりはできないんですね。そのため、《ルーン陣》を多用する《ヴィセライ》や《Vynsset》などの「ルーン剣士」には秘術防壁2よりも秘術防壁1の方が基本的に優れています。

秘術防壁と呪文虚壁のタイミング

先に「秘術防壁」を適応してから「呪文虚壁」を適応するかどうかの判定に進みます。

なので《虚空のルーンのフード》と《スケラの腕飾り》を装備している状況で、秘術ダメージ4点をプレイされた際、《虚空のルーンのフード》の「秘術防壁1」を適応し、攻撃値6以上のカードをピッチして1点軽減すれば、《スケラの腕飾り》の呪文虚壁3がアクティブになり、3点軽減を適応できます。

「秘術防壁」と軽減のタイミング
軽減する効果と「秘術防壁」の両方がある場合、基本的に「秘術防壁」が先に適応されます。

これは秘術防壁を支払うタイミングは「秘術ダメージを受けるタイミング」で、軽減効果は「ダメージを受けた際に軽減」だからです。「秘術防壁2」を装備しており、「結界」オーラをコントロールしていたり、《オアシスでの休息》《月のチャクラ》などをプレイしていた場合、「秘術防壁」を何点払うかの選択→軽減効果の適応 と進行します。
秘術ダメージの支払い→「結界」の適応の間に優先権は発生しません。なので、「秘術防壁」の支払う点数を宣言して、ダメージを解決するまでの間は、どちらのプレイヤーもカードをプレイしたり能力を起動することはできません。「軽減効果」を持つインスタントをプレイ/起動したい場合は、秘術防壁の支払い宣言に進む前にプレイするよう注意しましょう。
また、プレイヤーが複数の軽減効果をコントロールしている場合、ダメージに対してどの軽減効果を適応するか自由に選択することができます。

まとめ

・秘術ダメージは防御できないダメージ!「秘術防壁」や「呪文虚壁」「軽減効果を持つカード」でのみダメージを軽減できる。

・「魔術師」クラスは大きな秘術ダメージを、「ルーン剣士」は1点の秘術ダメージを小刻みに飛ばすのが得意。他のクラスはほとんど秘術ダメージを扱えない。

・先手1ターン目やリーサルの局面で強いのが「秘術ダメージ」の強み!弱みはダメージ効率が悪い点と、ファティーグに弱い点!

以上です!お読み頂きありがとうございます。


Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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