目次
概要
このシリーズは大会で結果を出したリストを取り上げて、各カードの採用理由や、ヒーローの勝因を推理・考察するシリーズです!このシリーズを読んでいるだけで、「基礎的なカードの使い方」から「環境に合わせて採用すべきカード」や「ヒーローの選び方」が培われていくはず!という企画になります。
今回は「レイス英雄譚」シーズン 2026年2月-2026年6月のリストになります。
本文
GoAgainMedia攻略記事担当のdokuiroことTansei Hiroyukiです。
今回は「レイス英雄譚」CC環境一発目!
2/28-3/1に開催された「コーリング:モントリオール」はCCでは「レイス英雄譚」発売以降初の大型競技大会となりました。同大会のtop8リストの中で「レイス英雄譚」の影響や面白いアプローチをピックアップして紹介する記事になります。
コーリング:モントリオールの配信アーカイブはこちら。
まずは環境分析から始めます。分布、2日目進出率、トップ8の分析が以下になります。
【初日分布】

最多ヒーローは《傀儡・アラクニ》、次いで《ヴァーダンス》と《オシリオ》。



「レイス英雄譚」発売前の環境で結果を出していたヒーロー達が順当に高い使用率となりました。が、全体的に非常に多様性のある環境であり、特に前環境ではほぼ使用者がいなかった《ファイ》が13名、《カツ》、《ヤール》、《Vynnset》が10名いるのは「レイス英雄譚」による強化の影響を感じます。




【2日目進出率】

【Top8】

使用者上位2トップだった《傀儡・アラクニ》と《ヴァーダンス》がトップ8に残らないという波乱の幕開け。《オシリオ》が2名いる以外はバラバラなトップ8で非常に多様性を感じる結果です。前環境までTierが低かった《Vynnset》、《ドリンシア》、《ファイ》の入賞は新環境を感じさせます。



【大会結果】

アグロデッキが多いSEフィールドを突破したのはConnor Bryant選手の《ダッシュ I/O》!おめでとうございます。
では続いて、各種リストをチェックしていきます。
(※筆者の考察に基づいてサイドカードを分けています)
Top8デッキリスト分析
優勝 《ダッシュI/O》 Connor Bryant選手


ブーストを3回して《最高速度》のプレイを目指すタイプのアグロ《ダッシュ I/O》が優勝となりました。

新カード《テクロ射出機2000》は青いカードなのにプレイして3点のバリューが出る上に、1点→7点のような刻み方が可能で、《高性能手榴弾》を通しやすくなるメリットもあり、明確な強化点。



このリストではもともと採用されていたであろう青《T-Bone》と入れ替わる形で採用されていそうです。《ダッシュI/O》は防御的な「守護者」などは依然厳しいままですが、《傀儡・アラクニ》とは殴りあえて《オシリオ》には有利、SEも防御的なデッキが少ない恩恵もあり、見事優勝となりました。
準優勝 《Vynnset, Iron Maiden》 June Lekstutis選手


今大会で強い存在感を放った《Vynnset》。
手札から「ルーン門」カードを追放し、《ルーン陣》トークンを用意してプレイしていくという独特の戦法を取るセットアップ・ミッドレンジヒーローです。



「ルーン陣」のダメージが通りやすい《シンドラ》などには優位が取れているヒーローでしたが、青いカードが一定数入っているデッキにはファティーグを狙われて負けがち…という点がネックでしたが、レイス英雄譚の新しいルーン門のカード《実在の深淵》が採用されており、これが大きな追加戦力。



影カードをプレイしたり武器《Flail of Agony》で自分のライフを減らすことで、《実在の深淵》の能力により自分の墓地から「ルーン門」カードや《淘汰》といった追放領域から使えるカードを追放できます。
これにより疑似的な手札+1になるのは勿論、連続攻撃をしたり、1ゲーム中に《淘汰》を5-6回使用といったことも可能になりました。ファティーグを狙ってくる相手にも《淘汰》でハンデスしてダメージを通すターンが複数回作れるようになった点が大きいです。



他、特徴的なカードとしては《死の濁流》がされています。
《邪悪な詠唱》を複数枚並べてから、続行付き「ルーン門」で攻撃→《邪悪な詠唱》で「ルーン陣」が出る→再び「ルーン門」で攻撃…といった連続攻撃が《Vynnset》の強力な動きですが、《死の濁流》をプレイしているとその動きをさらにビッグターンにすることが可能。《死の濁流》はおそらくファティーグを狙ってくる相手に、セットアップから打つカードとして採用されています。《銀河のソナタ》3枚により安定して《邪悪な詠唱》をサーチしたり、ルーン陣トークンを作成する能力を持つ《Deadly Wail》を9枚採用している点からも、《死の濁流》を強く活かす思想を感じますね。セットアップをする余裕がないアグロデッキ相手にも、最低限防御値3として機能するのも良い所。
3位 《緋色の復讐者、アイラ》 Nauris Rozenfelds選手


12枚の防御リアクション、《癒しの印》3枚、《船乗りの終楽地》3枚、《オアシスでの休息》3枚と非常にディフェンシブな構成で、ファティーグ《アイラ》と呼ぶべき構成になっています。



防御とライフ回復で耐久しながら毎ターン《調和の小太刀》を振り続けたら勝つ!という思想のデッキですね。


サイドカードとして《追憶》が3枚採用されている点も、ファティーグを強く意識していることが分かります。《アイラ》なら一般的なアグロ~ミッドレンジだろう、という意表を突けるリストになっていますね。この手のデッキは《グレイビィ》やポーションコンボ《ヴァーダンス》に勝てないため、あまり目立ちませんでしたが、環境の変化に伴い《グレイビィ》が減ったり、《ヴァーダンス》は一般的な《アイラ》相手にポーションコンボをサイドインしづらいといった辺りが勝因となっていそうです。
5位 《Fai, Rising Rebellion》 Naib Mobassir選手


《Vynnset》同様「レイス英雄譚」で大きく強化されたヒーロー《ファイ》が入賞。「レイス英雄譚」で登場した《不死鳥の技:戦》、《血潮に燃ゆる》、《煽火の炎上》が全て3積みされています。



特に目玉の新カード《不死鳥の技:戦》は「《不死鳥の炎》を捨てること」をコストにこのターンの竜系攻撃アクション全てを強化しつつ2ドローする強力なカード。かつて《ファイ》が活躍した際に使えた《戦の技法》のリメイクのようなカードですね。


このリストはコストである《不死鳥の炎》を確保するために、《不死鳥の炎》3枚投入。デッキから《不死鳥の炎》をサーチするカードとして《炎呼びの覚醒》が3枚と《不死鳥旗手:頭》が1枚。


墓地から《不死鳥の炎》を回収するカードとして《捲土重来》3枚、《Inflame》3枚投入など《不死鳥の炎》シナジー関連のカードが盛りだくさん。


《Inflame》は単体では0コス1点-3点相当と貧弱ですが、《不死鳥の技:戦》や《Spreading Flames》の後に使えば1枚4点相当かつ、《Mask of the Pouncing Lynx》でサーチできるクローザー《傷口に塩》の強化となります。



また、《不死鳥の炎》が2枚以上墓地にあれば《Inflame》や《捲土重来》で回収しつつ《ファイ》の能力でも回収できるため、全体的にバリューが上がります。
《グレイビィ》の《海底の財宝》や《ヴァーダンス》《ヤール》の《常咲//生命》など墓地の《不死鳥の炎》を対象に裏返したり、デッキボトムに送れるカードは環境のデッキに自然と採用されています。


これらのカードが使用されると、無理やり《ファイ》起動など弱い動きを強要されるか、大人しく《不死鳥の炎》を失って《不死鳥の炎》関連カード全てが使用不可になるため、致命傷になりがちです。それらの対策として《不死鳥の炎》を大量に採用してサーチカードも多用するアプローチは有効。



竜系カード以外では《機敏化》を3枚採用しているのも特筆すべき点。用途は恐らく2つ。
①クローザーとして使用して赤《機敏主義》をサーチして格納庫に置けば0コスト6点相当。
②《金魚草の登攀者》で続行を付与してスターターとして使用して青《機敏主義》をサーチしてリソースとして使用。
全体として創意工夫が感じられるリストです。
5位 《ドリンシア・アイアンソング》Joseph Surowaniec選手


《ソードマスターの威光》《鈍刀》の2種の新カードを採用した《ドリンシア》がtop8入賞。《黎明剣》を育成することを目指した剣《ドリンシア》と呼ばれるデッキタイプですね。



《鈍刀》は戦士クラスミラー、《アイラ》、《傀儡・アラクニ》など武器の攻撃が多い相手に強力なブロック。《ソードマスターの威光》は条件を満たしてコストが軽くなればコスパが非常に良いのは勿論、「反響」(Reprise)を満たさなくても大きなバフができる攻撃リアクションなので、格納庫からの防御リアクションや装備品で防御されて「反響」をケアしながら《黎明剣》が止められる…という剣《ドリンシア》のよくある負けパターンを解消してくれます。
5位《星々の知性、オシリオ》Michael Hamilton選手、Jo Burch選手

Michael Hamilton選手 Fabraryリンク

Jo Burch選手 Fabraryリンク

使用率3位となったアグロ・コンボヒーロー《オシリオ》がtop8に2名入賞。「レイス英雄譚」からの新カード《時空の歪み》は両者とも3枚ずつ採用。


「印」カードが1個あれば0コストの非攻撃アクションを「否定」(=打消し、効果を無効化)することができるカードで、《オシリオ》対策のメタカードである《残響のアミュレット》を消すことが可能。他、シンプルに強力な「非攻撃アクション」を消すだけでも強力。

《傀儡・アラクニ》には《流血への陶酔》《虚弱症の魔本》、《カッサイ》には《刀身の解放》や《Blood on Her Hands》、《ダッシュI/O》の《Spark of Genius》や《無時限ゾーン》、《オシリオ》ミラーマッチの増幅された《精神の歪曲》など、消すとおいしい非攻撃アクションは環境にたくさんあります。
また、不利マッチだった《ケイヨ》にも「印」が2個以上あれば《Bloodrush Bellow》を打ち消すことができ、その場合追加コストのディスカードは発生するので1:2交換をすることができます。これらの非攻撃アクションがプレイされないターンには《オシリオ》の能力で《時空の歪み》を捨てればOKなので扱いやすいです。
Michael Hamilton選手は《雲の広がり》を3枚採用。

防御札としても、インスタントしても使用できる便利な稲妻インスタントです。相手の先手ターンに防御値がなくて大ダメージを受けてしまうといった事態やオンヒットの攻撃を防ぎつつ、インスタントとしていつでも捨てれる利便性を持ちます。また、《稲妻の脛当て》を起動しているコンボターンに《光速移動》を回収するためにも使用できますし、その際に稲妻カウントが1増えるのは嬉しいところ。
《ヴァーダンス》やミラーマッチの「秘術ダメージ」に対して有効なのも利点です。注意点として《雲の広がり》は“次のダメージを3点軽減する効果”であり、分割軽減できないタイプのテキストなので、《雲の広がり》の3点軽減が《短刀の妙技》の1点に消費されてしまう《シンドラ》や《傀儡・アラクニ》相手にバリューが落ちやすい点は注意!



Jo Burch選手は《象形文字の強化呪文》を3枚採用。

「印」があれば2コスト6点とコスト比率が非常に良い秘術ダメージカードです。《オシリオ》なら増幅しつつ9-10点でのプレイもよく狙えるので、守護者など、《オシリオ》相手にファティーグを狙ったり、物理ダメージに強い相手に活躍しそうなカードです。
対抗馬である《燃やし尽くし》は無条件6点なのと、《Prism》対策になる点が長所で、《象形文字の強か呪文》はコストが2コストであり黄色ピッチでも使える点、赤いのでピッチにも使用可能な点が長所。


「レイス英雄譚」環境初のCC競技大規模大会はトップメタヒーローが残らず、強化されたヒーローが活躍するという新環境らしい幕開けとなりました。
4月の「プロツアー:横浜」まで、世界各地のプロクエスト、各国で開催されるコーリングが3回と、1回の禁止改定を予定しています。ヒーローのLLも含め、CC環境がどうなっていくのか、目が離せません!
以上です!お読みいただきありがとうございました。
Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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