ピッチをしないアグロデッキ!チェリオススタイルについて分析

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FaBプレイヤーから「チェリオススタイル」「チェリオス」などの用語をお聞きしたことはあるでしょうか?「チェリオス」とはFaBにおけるデッキの構築思想の一つです。

「チェリオス」を簡潔に言うとデッキ内のカードをほぼ「0コストのカードで固める構築」を指します。
デッキリストや手札にコスト「0」のカードが並ぶことから、O形のシリアル食品「チェリオス」(cheerios)になぞらえられて呼ばれているようです。

シリアル的なやつらしい

具体的なデッキとしては赤単《シンドラ》や《アウローラ》、シルバーエイジの《ブライアー》などがこれらの構築に該当しています。

サンプルリスト

《シンドラ》

Fabraryリンク

《アウローラ》

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《ブライアー》
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この真っ赤具合、そしてカードのコストはほとんどが0で占められていることが分かるでしょうか。
他、《ヴィセライ》や《ファング》、《抜け落ちたアラクニ》、アグロ《リップタイド》なども多少の黄や青いカード、コストを持つカードが採用されていますが、0コストの連打を基本としており、チェリオスと呼べるでしょう。

チェリオススタイルのデッキはここ数年、トーナメントシーンで活躍し続けており、定期的に環境で活躍する強さを発揮しています。今回はそんなチェリオススタイルについて分析することで、「なぜ強いのか」「どう対策すべきか」を解説します。今後のデッキ構築や対策の参考になれば幸いです!

チェリオスの長所

・リソース事故が起きない
デッキのカードを0コストで固めるとどうなるか?リソースによる事故がほぼ起きなくなります。
コストのあるカードを採用する、ピッチするデッキだとどれだけバランスや確立を追求しても、青4枚の手札や赤4枚の手札が来てしまうターンは発生します。

ライフで優位を取り、このまま強い攻撃をしたら勝てそう!というターンに「青4枚の手札だから攻撃してもダメージが低い」「赤4枚の手札だから攻撃するには効率が悪すぎる」といった手札が来て天を仰ぐ…こういった「FaBあるある」であるリソース事故を回避できる点はチェリオススタイルの最大の長所であり、特に長丁場のトーナメントで要求される「安定性」を満たすことができます。

・終盤のライフの詰めあいに強い
FaBはお互いライフが減っていくと、「この8点の攻撃を手札のカード3枚で防御しないと負けてしまう」という手札要求の応酬になります。こういった局面で、ピッチを要求しないカードだけで構成されていると、防御の自由度が高くなりやすいです。0コストのカードだけで固めていれば、手札3枚を防御に使用しても1枚で反撃できますからね。逆に、リソースを要求するデッキは反撃ができない状況になりやすいです。

・防御リアクションを強く使いやすい
コストのあるカードを採用するデッキでは、コストのかかるカードと防御リアクションを複数枚引くとどうしても弱いターンになります。サイドインアウトでも、赤いカードを減らして防御リアクションをサイドインするなど工夫が要求されます。が、チェリオススタイルでは最も弱いカードと防御リアクションを入れ替えるだけで運用でき、防御リアクションを重ね引いた時もプレイパターンも広いことが多いです。

・《飽くなき無秩序》を採用しやすい

デッキを赤いカードで固めていくと《飽くなき無秩序》がほぼ無条件の0コスト4点続行として使用可能になります。ほぼ無条件の0コス4点続行は非常に強力です。

・《戦争屋の外交術》を採用しやすい

《戦争屋の外交術》は相手によっては追加ターンのようにふるまうこともある強力な非攻撃アクションです。チェリオススタイルのアグロデッキでは0コス続行の攻撃を連打した後、《戦争屋の外交術》をプレイしやすく、相性が良いため、ほぼ攻撃アクションで固めたチェリオスデッキの定番のサイドカードとなっています。

チェリオスの短所

・カードプールが狭い

例えば《征服の命令》といった強力なカードや《顔面消去》《最も脆い所》などの汎用対策カードをほぼ採用できません。一貫性のある構築にする代償として、カードプールが実質的に狭まっているのは欠点となります。

・秘術ダメージに弱い

デッキをほぼ赤いカードで構築するということは「秘術防壁」を支払うのが困難ということでもあります。赤い手札4枚で「秘術ダメージ4」を軽減するために秘術防壁を支払えば手札がなくなってしまいますからね。よって、「魔術師」クラス相手には「呪文虚壁」を装備して攻めまくったり、目をつぶって攻撃しまくるしかない…となりがちです。

・《凍傷》トークンや追加リソース要求に弱い

行動するのに追加のリソースを要求するカードである《凍傷》トークンや《軟骨の粉砕》は、相手の手札に青いカードがあれば効力が薄いですが、手札が赤4枚の相手には疑似的な追加ターンや、1枚ハンデスのように機能します。

・「赤いカード」対策にかかりやすい

《欲望の技:体》《溢れる流血》《突き刺す嫌味》などのカードはチェリオススタイルのデッキ相手には、高確率で条件を満たす強力なカードになります。

・ファティーグしやすい
ピッチをしないということは、カードを1枚プレイしてダメージを出していくということになります。
例えば《アイラ》や《ヴィクター》は青をピッチしながら、武器による攻撃でデッキを消費せずにダメージをことができますが、チェリオスデッキでは難しい、もしくはピッチして武器のみだと1点ほどしかダメージが出ないことが多いです。
つまり、デッキアウトした状態での出力がとても下がることになり、《ファング》や《抜け落ちたアラクニ》はファティーグしやすいという性質を持ちます。

・続行が付かない手札などの手札事故はある

0コストのデッキで固める場合、続行を持つ攻撃/条件付きで続行が付く攻撃/続行を持たない攻撃で基本的にデッキを構成しますが、《アウローラ》や《シンドラ》、《ブライアー》では以下のような手札パターンが来ると、手札を攻めに使い切ることができない手札事故、通称「ジャムる」が起きます。リソース事故はほぼ起きないとはいえ、こういった事故のパターンはあります。

チェリオスデッキの歴史を振り返る

チェリオスデッキ自体の歴史は実は長くありません。赤いデッキだけで構築される《ドロマイ》はメカニズムの関係で赤ピッチをするデッキだったので0コストだけでは構築できず、《ファイ》も武器《灼熱の残火刀》や1コストのカードのために10枚以上の青いカードを採用していました。

FaB歴4年目の自分が知る範囲でチェリオススタイルのデッキが活躍しだしたのは「ロゼッタ」発売以降の《ヴィセライ》と《アウローラ》です。

特に《アウローラ》の活躍はすさまじく、その年の世界選手権の準優勝を飾ったほか、構築がブラッシュアップされてからの1-3月のRtN、PQといった店舗の競技大会での勝率はすさまじく、なんと登場から半年でLLとなりました。

次いで活躍したチェリオスデッキは赤単《シンドラ》でしょう。

こちらは《アウローラ》が存命の期間はなかなか活躍できませんでしたが、《アウローラ》LL以降活躍しだし、さらにその後、天敵の暗殺者が《苦悶の束縛》を禁止されて天下を獲りました。

これらのデッキが活躍した際は、「チェリオスデッキ」及びアグロデッキが持つ弱点をいくつか克服していることが多いです。《アウローラ》と《シンドラ》の2ヒーローにフォーカスして見ていきましょう。

・「カードプールが狭い」→タレントにより解決

《アウローラ》は「稲妻」「エレメンタル」「ルーン剣士」といった豊富な選択肢の中から0コストのカードを採用することが可能。

《シンドラ》は0コストや続行を持つカードが豊富な「竜系」タレントを持ちます。

どちらのヒーローもタレントカード+クラスカード+「汎用」カードで十分な数の0コストのカードを採用できています。

・ファティーグされやすい→そんなことはない

《シンドラ》は《短刀の妙技》による防御できないダメージを出し続けることが可能なので、すべての攻撃を防御されたとしても《短刀の妙技》を40回起動すれば勝利できるためファティーグへの高い耐性を持ちます。《アウローラ》は《孤光の稲妻》+《揺らめく燐火》コンボで秘術防壁1で防げないダメージ+ビッグターンを作ることができますし、そもそも物理ダメージと秘術ダメージを絡めた連続攻撃や《稲妻の圧壊》などにより防御的な相手にもダメージを通しやすい構造でした。

・秘術ダメージに弱い→そんなことはない

秘術ダメージについては《アウローラ》は《双対の外殻》と《稲妻の脛当て》で無理なく秘術防壁3を確保可能な上に、《電撃の魅了者》による「呪文虚壁2」まで完備。

《シンドラ》は《ヴィンセラカイの爪》による「呪文虚壁1」を能力で回収して何回も使いまわすことが可能で、どちらのヒーローも《ケイノ》や《ヴァーダンス》に一定の耐性を持ちました。

また、《アウローラ》《シンドラ》の時代は「氷」タレントを持つヒーローが《ヤール》しかおらず、《凍傷》でテンポをとってもその次のアクションがあまり強くなくライフを押し切れないなどの弱点がありました。

このように、「チェリオスデッキ」が抱えやすい構造的弱点を複数克服した際、チェリオスデッキはTier1に君臨しやすい傾向があります。

シルバーエイジの《ブライアー》もPENシーズン中、大活躍しているチェリオスデッキですが、こちらは「ファティーグに弱い」「《凍傷》に弱い」「秘術ダメージに弱い」などの弱点は存在しており、「ファティーグ用の《常緑》、《Overload》、《ルーン占い》」

「《凍傷》トークン対策となる青いカード」「秘術ダメージ対策となる《秘術の極性》や軽減カード」などそれぞれサイドカードで弱点を対策しています。

まとめ

・「チェリオスデッキ」は0コストの赤いカードで固めたデッキ!

・「チェリオスデッキ」の強みは安定感と平均的に高い出力!

・秘術ダメージ、ファティーグ、《凍傷》などの弱点はあるが、それらを克服すると最強のデッキになりやすい。

以上です。お読み頂きありがとうございました!


Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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