“ヒーローズスクランブル東京”直前!シルバーエイジ環境考察と主要アーキタイプ紹介

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今週末11/22(土)は”ヒーローズスクランブル東京”が開催!

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本戦のチケットは売り切れてしまっていますが、充実のサイドイベントも開催予定。

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新興フォーマットであるシルバーエイジでの初の国内大規模大会ということで、各地で研究が盛んになっています。シルバーエイジはざっくりいうと、”レア以下のカードが使える低予算フォーマット”です。値段が安くデッキを組みやすい点、新興フォーマットなのでスタートラインが同じである点、一試合が15-30分で終わり、CCフォーマットに比べて短い点などが魅力的なフォーマットです。

フォーマット解説&サンプルデッキ記事はこちら(プロジェクトブルー時代の少し古い情報も載っています)

今回の記事では、そんなシルバーエイジの環境分析と主要アーキタイプの紹介&対策を解説します!

シルバーエイジ2025年11月環境 Tier表

※独断によるTier表です。左右順はありません。

TierB以上のヒーローが”ヒーローズスクランブル東京”で活躍すると予想しています。TierSは《アイラ》と《圧倒するショーマン、ブラーボ》と考えてます。

《アイラ》は毎ターンの+1点分得する能力と、攻防のバランスの良さから多くの対面に有利を付けることができ、不利な相手が限られています。《圧倒するショーマン、ブラーボ》は格納庫からの圧倒で毎ターン攻撃しながら、装備品の硬さでライフレースを優位に進めることができます。
この2ヒーローに言えることとして、ヒーロー能力が攻撃値に繋がることと、共通して装備品が強力という点が言えます。

《アイラ》の装備品は足《獰猛な獣脚》から《臥虎》を作成し、腕《Tearing Shuko》を起動すれば2点の攻撃アクションにできます。その後、胴《Blood Scent》で1リソースを出すこともできます。更に、全て1点「戦傷」を持っているのが何よりの強みです。腕《Tearing Shuko》は1点防御に使用しながら、+2点をしているため、3点分の価値になっていることが分かりますね。

《ショーマン》の装備品はすべて「焼き戻し」2点の装備品にできることが強みです。防御時に相手に恩恵を与えてしまうデメリットはありますが、全て2点で1回、1点で1回防御に使える=3点分のライフになり、かつ盾も込みで5カ所に装備できるため、15点ライフが増えている計算になります。20点スタートのゲームでこのライフの多さは非常に大きな長所です。

装備品はゲームに必ず影響を与えるため、ヒーローの強さとして大きな基準の一つとなります。現シルバーエイジ環境では、忍者・守護者の装備品が秀でており、その中でもヒーロー能力の安定感などにより《アイラ》《ショーマン》の2ヒーローが一歩リードしている印象を受けています。

続いて、大まかなアーキタイプに分けて、上位ヒーローのざっくりした解説と対策を説明していきます。デッキ選びの参考にも、対戦したことのない/少ないヒーローの対策を勉強するのにも役立つはず!

アーキタイプ毎の主要ヒーロー解説

0コスト軸アグロ

《ブライアー》、《Lexi》、《Fai》など

0コストの攻撃アクションを主軸に、手札全てを攻撃に使用するのが得意なヒーローです。

条件で続行が付く0コスト4点や、続行3点での連続攻撃を得意としています。FaBのカードは防御に使用して3点を基準としているので、1枚4点になるとそれは強い行動になります。更に、《Lexi》や《ブライアー》はヒーロー効果でも攻撃に続行を付与でき、4点の連打が可能です。海外のスラングで「チュリオスアグロ(Cheerios Aggro)」と呼ばれることもあります。
長所
・後手1ターン目からの連続攻撃により、2-3ターンで相手のライフを追いつめることが可能
・手札を全て攻めに使うターンは他のヒーローより優れたダメージを出しやすい
・0コストのカードが多く採用されているため、リソース事故が起きづらい

短所
・防御値の低いカードが多く、防御が苦手
・手札の組み合わせ次第では連続攻撃できない手札がある

対策
・後手を取る
・4点で防御できるカードなど、防御的なカードを入れる

・防御は苦手なヒーローなので、先にライフを追いつめて防御に手札を使わせる
・防御は苦手なヒーローなので、《謙虚》《叩き壊し》《スナッチ》などヒット時効果を持つカードを使用する

・《凍傷》トークンによる妨害を行う

ミッドレンジ・アグロ

《アイラ》、《ケイヨ》、《Kassai,Cintari Sellsword》など

0コスト軸アグロとは異なり、ピッチ用の青いカードと、赤いカードで構成され、デッキ内のカードの役割がハッキリしていることが多いです。

特徴としては、0コスト軸アグロより攻撃性能は若干劣るパターンがあったり、攻撃にカードを全て使用できないパターンがありますが、防御もある程度できることが多いです。攻撃のステータスを少し防御に割り振ったイメージです。

長所
・相手によってアグロ/ミッドレンジといったゲームレンジの調整が可能
・毎ターン何かしら得する能力を持つことから、ロングゲームでの攻撃と防御の数字に秀でている
短所
・赤いカード4枚、青いカード4枚といった手札では弱い動きしかできないことがある(=リソース事故を起こす)
・先手だとあまり強い動きがない
・手札のカードを防御に回さないと使い切れないことがある

対策
・後手を取る
・毎ターン得される前に、圧倒的な速度でゲームを終わらせる
・リソース事故が起きたタイミングで逆転する

圧倒(dominate)

《圧倒するショーマン、ブラーボ》、《Azalea》

この2ヒーローはどちらもヒーロー能力で「圧倒」を付与した攻撃をすることを得意としています。

圧倒は「手札のカード2枚以上で防御できない」という防御を邪魔する能力です。格納庫から防御リアクションを使う、装備品を使う、軽減効果を持つカードを使うなど、限られた方法になります。

「圧倒」は大きく以下のメリットを持っています。
・先手で大ダメージを与える可能性がある
・リーサル(トドメとなるダメージを与えること)が簡単
・相手が防御に回したいカードを使い切れないことがある
・「粉砕」やヒット時効果を狙いやすい

《圧倒するショーマン、ブラーボ》は「粉砕」を持つ攻撃アクションを対象に「圧倒」を付与し、《Azalea》は矢を対象に「圧倒」を付与します。「粉砕」はそのすべてが4点以上ダメージを与えた時の効果を持ち、「矢」も多くはヒット時の効果を持つので、要は「ヒットすると厄介な攻撃をヒットさせやすい」というのがこれらのヒーローの強みです。
また、《ブラーボ》はミッドレンジヒーローとしての性質を持ち、《アザレア》は0コスト軸ヒーローとしての性質を持つため、それらのヒーローと共通した弱点を持ちます。

長所
・「圧倒」によるメリット全般

短所
・防御リアクションなどを駆使して「圧倒」の攻撃を防がれると不利になりやすい
・複数枚のカードを必要とする大ぶりな動きが多く、手札が多くないと「圧倒」を使った攻撃をやりづらい

対策
・防御リアクションを採用し、格納庫に置く

・《戦線の強化》や《沿岸警備隊の結集》など防御値を増やせるカードを使用する

・軽減効果を持つカードを使用する

・防御値の高い装備品を装備する

セットアップ

《Chane》など

「セットアップ」は準備を意味し、つまり序盤の1-2ターンを準備するターンに費やして、そこから逆転を狙うヒーローということです。《Chane》はヒーロー能力で《Soul Shackle》トークンを作成します。

《Soul Shackel》の数だけ、自分のアクションフェイズ開始時にデッキトップからカードが追放されますが、これにより追放されたカードの中には使用できるものがあるため、徐々に使用できる手札が増えていく、といった認識でOKです。1-2ターン目は大人しいですが、3-4ターン目からカードを複数枚使用した連続攻撃をしてくる、といった認識でOKです。逆に、ターンが経ちすぎるとデッキが切れる速度が速いという点や、「血の負債」(Blood Debt)能力による自滅のリスクを持っています。

シルバーエイジでは「ルーン陣」トークンが一定数あるとリソースを払わずにプレイできる「ルーン門」(Rune Gate)を使用した構築が主流です。

長所
・セットアップが整ってからの爆発力はアグロを上回る
・先手で強力なアクションが多い
・防御的なデッキに対して強い

短所
・セットアップが整う前に攻め切られるのは苦手
・複数枚のカードを必要とする大ぶりな動きが多く、手札が多くないと「圧倒」を使った攻撃をやりづらい
・ライフが少ない状況でセットアップ用のカードを引くと邪魔になることが多い

対策
・先手を取る
・セットアップが整う前に攻め切る
・セットアップに使う「オーラ」や「アイテム」を盤面から取り除く

以下、主に《Chane》専門の対策です。

・秘術防壁(Arcane Barrier)を持つ装備を1つ装備する

・相手の《Soul Shackle》が3-4枚以上になっており、自分のライフが10点以上残っていれば、手札を全て防御に使用し、ライフを守ってデッキ切れを待つ

・《秘術の極性》など秘術ダメージへの対策カードを使用する

盤面系ヒーロー

《エニグマ》、《Dromai》、《グレイビィ》など

これまで紹介してきたヒーローと異なり、闘技場に何かしらのカードを出して、それを介しての攻撃を得意とするヒーローです。《エニグマ》は「結界」オーラを武器にし、《Dromai》と《グレイビィ》は「盟友」で攻撃します。

これらのヒーローの特徴は、「結界」や「盟友」が場に残っているターンが長いほど、どんどんと得していくことです。《エニグマ》の《満ちる悪霊》は1リソースで4点続行の武器になり、《グレイビィ》の《リガーモーティス》は1リソースで6点になります。

なので、これら盤面系ヒーローを相手にする際は「結界」や「盟友」を処理しながらヒーローにダメージを与えていくことが要求されます。この特性から、《エニグマ》や《グレイビィ》は守護者クラスのような続行を持った攻撃が得意でないヒーローに対して強力です。
「盟友」を出された側は、攻撃するに際し「盟友」に攻撃するか、ヒーローに攻撃するかの選択が可能です。また、「盟友」に対する攻撃を防御されることはありません。「盟友」に関するルールは以下で詳しく紹介しています。

長所
・「盟友」や「結界」が残ったままターンが帰ってくると強い
・相手は「盟友」を処理する必要に迫られるため、したくないプレイを強要されてしまうことがある

短所
・続行を得意とする「忍者」など特定のクラスに弱い
・幻術士クラスの場合、パワー6以上の攻撃アクションを多数採用しているデッキ(野人クラス等)も苦手

対策

・続行を持つカードをサイドインする
・武器《調和の小太刀》などの小さいダメージの連続攻撃

・《スナッチ》など「盟友」相手でもヒットした時に得するカードを使用する

・相手ヒーローのライフが少ない時や、もう処理しきれないほど盤面に「盟友」が並んでしまった時は無視してヒーローを狙うのも特には有効!

魔術師

《ケイノ》、《オシリオ》、《ヴァーダンス》、《Iyslander》

魔術師クラスは「秘術ダメージ(Arcane Damage)」による防御困難なダメージを与えるのが得意なクラスです。

「秘術ダメージ」は防御できず、「秘術防壁(Arcane Barrier)」や「呪文虚癖(Spell void)」や軽減する効果など限られた手段でしか防げません。

特に《ケイノ》は「秘術ダメージ」を与えるカードのみでデッキが組まれることが多いので、「秘術防壁」をありったけ装備するのがオススメです。《オシリオ》《Iyslander》《ヴァーダンス》は秘術ダメージではない一般的な攻撃アクションも採用していることが多いので、弱めの装備品を「秘術防壁」に入れ替えるのがオススメ。

長所
・先手から秘術ダメージによるダメージが狙える
・相手が赤いカードが多いデッキや、手札の場合、秘術防壁を払えないことがある
・リーサルが狙いやすい

短所
・秘術ダメージ自体は0コスト3点が基準になっており、ダメージ効率が悪い
・「秘術防壁」によりカードを消費せずにダメージを防がれるため、ファティーグ(デッキ切れ)を狙われることがある

対策
・「秘術防壁」もしくは「秘術虚壁」の装備品をサイドに採用しておく
・《オアシスでの休息》など軽減カードを採用する
・《秘術の極性》など秘術ダメージへの対策カードを採用する

ファティーグ

《オールディム》、《オリンピア》など

これらのヒーローは非常に防御的なプレイを得意としており、勝ち筋は殆ど「相手のデッキがなくなり、使用できるカードがなくなること(=ファティーグ)」です。

《オールディム》は守護者クラスの装備の硬さから、ライフが30-35点近くあるような状態からスタートし、さらにその能力でカードを消費せずに2点軽減や、相手の手札を減らすことが可能です。

《オリンピア》は能力自体はほぼゲームに関係しませんが、彼しか装備できない装備品である《至宝の兜》が硬く、武器《Decimator Great Axe》により、3枚を防御に使用して武器で攻撃する戦略が得意です。

長所
・ファティーグへの対策ができないヒーローに対して無類の強さを持つ
・高い再現性を持つため、事故がほぼ起きない
・防御が最優先の指針なのでプレイで悩むポイントが限られている

短所
・ファティーグの対策をしているヒーローに対して高い確率で負けてしまう
 (具体的には盤面系ヒーローやセットアップヒーローが該当する)
・競技イベントでは時間切れのリスクがある

対策
・デッキ枚数を損するプレイをしない 相手の4点の攻撃を、防御値3点2枚で防ぐ等
・1点や4-5点など、効率良く防ぐのが難しい攻撃をする
・攻撃をするターン、準備をするターンで波を作る(手札4枚を使い切るようなプレイをせず、格納庫にカードを置いて5枚で攻める)
・「威嚇」や「圧倒」など防御が難しい攻撃をする

・《玉璽の命令》《大騒乱》のような防御リアクション対策カードを使用する


・数ターンかけたセットアップをして、1ターンに大ダメージを与える

こちらの記事も参考になります。

解説は以上となります。


シルバーエイジは安く、ゲームが短く、フォーマットが始まりたてなので差が付いていないプレイヤーが多めと、まさに今始めどきのフォーマット。来年度はシルバーエイジで開催される競技イベントや店舗イベントの増加も見込めます!今から遊んで、慣れておきましょう!

以上です。お読み頂きありがとうございました。


Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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