「蒼海の秘宝」環境のメタゲームを考える🤔

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「蒼海の秘宝」が発売され、メタゲームは大きく変わりました。1か月でここまで環境が変わるのは、自分は「霧隠の秘境」発売により《ゼン》が《ケイヨ》や《カッサイ》を圧倒した時以来の体験です。
今回は
①「蒼海の秘宝」発売前の環境はどんな環境だったのか?
②どう環境が変わったのか?
➂何故環境が変わったのか?
④今後の環境はどうなるのか?
の4つのフェイズに分けて、分析する記事です。

「蒼海の秘宝」発売前の環境について

5月中旬までの環境の中心にいたのは間違いなく《フローリアン》でした。PQシーズン最終週の結果が以下になります。

2025年5月12-18日の間に全世界で開かれた100回近くのプロクエストの内、24勝が《フローリアン》と圧倒的な存在感を放っています。特に《苦痛の王笏》を使用した「セプターフローリアン」と呼ばれる構築が流行していました。

現在の環境に繋がる要素としては《シンドラ》が2番手に位置しており、アグロデッキの分類では最も勝利しています。また、《ファング》や《ヴァーダンス》なども良い位置にいることが分かります。《ケイノ》は《フローリアン》に有利が付くヒーローとして活躍していました。

どう環境が変わったのか

結論から言うと、現在のメタゲームでは《シンドラ》《グレイビィ》が中心的存在になり、《フローリアン》は大きく凋落しました。

FaBにおいて、環境が大きく変わる要因は4つほどあります。
①新ヒーロー・新カードの追加による影響
②LLによるヒーローの卒業
➂リストが洗練されたり、新しいアーキタイプが作り上げられる
④禁止改定

5月中旬から現在までの1か月の間にこれらの内、①、②、④が起きました。
①は「蒼海の秘宝」の発売。②は《ヌゥ》のLL到達。④は5月の改定による《苦痛の王笏》と《発芽》の禁止。

特に大きな影響は「蒼海の秘宝」の発売と、《グレイビィ・ボーンズ》の出現でしょう。「蒼海の秘宝」発売から1週間を経た大会である「Calling: Bologna」の使用ヒーロー数、及び2日目進出率を見てみましょう。

《アザレア》と《フローリアン》が37名参加し、この2ヒーローが使用最多ヒーローでしたが、結果、《フローリアン》の2日目進出は37名中、6名で17%の進出となりました。これは明確に立ち位置が悪いヒーローの戦績です。この辺りから《フローリアン》はポジションが良くなく、《シンドラ》《ヴァーダンス》《グレイビィ》辺りが強くて立ち位置の良いヒーローであるという共通認識ができ始めます。

何故環境が変わったのか?

《フローリアン》は5月から3つの大きな影響を受けました。一つは禁止改定。《苦痛の王笏》と《発芽》を失った影響は大きく2つあります。

まずは「セプターフローリアン」と呼ばれるデッキタイプが構築不可能になったこと。BH東京で優勝・準優勝を飾ったデッキであり、環境トップの防御力とダメージを併せ持つデッキでした。もう1つは、《発芽》を失ったことにより終盤戦の弱体化。特にファティーグを狙ってくるデッキの対策を《発芽》を大きな値でプレイし、《ルーン陣》を十数個貯めることで攻略していたことが多かったので、《ヌゥ》などにファティーグ負けしやすくなってしまいました。

そして、新ヒーロー《グレイビィ》は「盟友」を活かした戦略から、アグロデッキ以外の多くのデッキに有利を取っており、特に《フローリアン》や《ヴァーダンス》に構造的に有利を取りやすいです。

その結果、以前からアグロの中では最大手だった《シンドラ》は《グレイビィ》に有利をつけ追い風が吹いている形、その《シンドラ》に有利の付く「暗殺者」や「守護者」のヒーローがいますが、それらは《グレイビィ》に不利が付きやすいという形で三角形ができました。

実際、6月21~22日に開催された国別選手権の結果は、《シンドラ》4名優勝、《グレイビィ》1名優勝、《傀儡・アラクニ》《抜け落ちしアラクニ》1名ずつ優勝となりました。(国別選手権結果の詳細はこちら)

今後の環境について

《グレイビィ》を環境の中心として考えると、《シンドラ》以外にも《グレイビィ》に有力なデッキはいます。それが《ドリンシア》、《ファング》などの戦士クラスのヒーロー達です。

これらのヒーローは武器による攻撃で細かく「盟友」を処理しつつ、《グレイビィ》にプレッシャーをかけることが可能です。特に《ドリンシア》は《Dawnblade》の効果が「盟友」でも達成できるので+カウンターを乗せる/維持しやすい点、《ファング》と《カッサイ》は《勇敢な先駆者》により中長期戦でも《グレイビィ》にバリュー負けしづらいといった長所を持っています。

「戦士」クラスのヒーロー達は《シンドラ》とは有利な相手・不利な相手がズレるのが長所です。具体的には「守護者」や「暗殺者」相手は《シンドラ》より楽ですが、「魔術師」が《シンドラ》より苦手になりやすいです。図に纏めると以下のようになります。

厳密には《オシリオ》は《グレイビィ》に有利、《オシリオ》は《ドリンシア》に不利等、齟齬がありますが、ザックリした相性差とグループ分けとして認識してください。

自分の使用するヒーローはこの図のどこに当てはまるのか、どのヒーローに有利が付くのか整理しておくのがオススメです!これらに加えて、《ダッシュ I/O》、《Prism》、《アザレア》等のヒーローも環境で存在感を示しており、非常に幅広いヒーローが活躍する環境です。

このような多様なヒーローが活躍する環境では、膨大なサイドボーディングとゲームプランを把握しておく必要があり、非常に練度の出る環境です。サイドカードの採用も悩ましいです。「魔術師」を対策するのか、《Prism》を対策するのか、環境や自分のヒーローとの相性により細かく調整する必要があります。

まとめ

・5月の王だった《フローリアン》が王位から陥落し、《シンドラ》、《グレイビィ》を軸に多くのヒーローにチャンスのある多様性ある環境に!

・禁止改定と《グレイビィ》の登場で環境に大きな変化が発生。

・多様性のある環境は練度が試される環境!各対面のプレイとサイドボーディングをしっかり整理しよう。

以上です!お読み頂きありがとうございました。


Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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