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今回は「蒼海の秘宝」で新登場した《グレイビィ・ボーンズ》の回し方について解説する記事です！

《グレイビィ》について

「蒼海の秘宝」発売から早2週間ほど経ちましたが、新たに登場した3ヒーローの内、最も活躍し、注目されているのは《グレイビィ》で間違いないでしょう。既にアメリカ選手権準優勝、併催BH優勝、Calling: Bologna3位など数々の実績を獲得中。ただ、《グレイビィ》は、プレイ中の選択肢が非常に多く、複雑なデッキです！なので、筆者が《グレイビィ》を練習していく中で感じたプレイの指針となる点、注意すべきポイントなどを纏めて紹介します！

《グレイビィ》のリストに採用されているカードの解説についてはこちらの記事を。
また、トッププレイヤーである山村翔馬氏の書かれたアーモリーデッキガイド(こちら)、Yuki Lee Bender氏の書かれた公式ガイド(こちら※リンク先は英語)も非常に参考になるかと思いますので、紹介しておきます。

今回はCalling: Bologna3位のMarko Leben選手のリストをもとに解説を進めます。

Fabraryリンク

《グレイビィ》の基本戦術

まず、《グレイビィ》は「盟友」を墓地から出し、「盟友」で攻撃するのが基本的な戦術です。墓地から「盟友」をプレイするには①墓地に「盟友」を落としておく②青いカードを墓地に送る　という2つのステップが必要です。各ターン最初の墓地からプレイする「溺墓」カードには《海淵のコンパス》で続行が付くので、そのまま出した「盟友」で攻撃が可能です。

逆に、手札から「盟友」をプレイすると、アクションポイントを消費してしまい、基本的にそのままターン終了となってしまうので避けたいところ。手札に来た「盟友」は何らかの手段で捨てるか、ピッチするかが基本的な使い道になります。

「盟友」を出す為に必要なプロセスが多いため、苦労のわりに《陽気な副船長、チャム》での攻撃は4点…？コスパ悪くない？と損しているような気持ちになるかもしれませんが、これらの「盟友」が攻撃を引き受けてくれたら、その分《グレイビィ》本体のライフが得していることを意識しましょう。

《陽気な副船長、チャム》で攻撃後、相手が《陽気な副船長、チャム》に6点で攻撃すれば10点分の仕事をしていることになります。また、《リガーモーティス》は体力1ですが、相手が4点で《リガーモーティス》を攻撃した場合、《グレイビィ》は実質4点回復していることになります。相手が「盟友」を攻撃して損することを嫌い、無視するようなら、手札3枚を防御に回して「盟友」で攻撃してエンド、といった動きを繰り返しても良いですし、《急げヨ！》などのカードで「盟友」に続行を付けて、連続攻撃するのも強力です。

では続いて、《グレイビィ》はどんなターンが強力なターンなのか、具体例を見ていきましょう。

《グレイビィ》のプレイ例

プレイ例１　《黄金の一杯》を絡めた「盟友」の展開例

手札：青《黄金の一杯》、《改造船医、ソーボーンズ》、《急げヨ！》の3枚

①《急げヨ！》をピッチして青《黄金の一杯》をプレイ。《改造船医、ソーボーンズ》を捨て1ドローし、《金貨》作成。1点続行で攻撃。引いたのは《蒼海の大覇船》でした。

②《黄金の一杯》の攻撃解決後、戦闘チェインを閉じて、青い《黄金の一杯》を墓地に送る。《グレイビィ》の「このターン、青のカードが墓地に置かれていた場合、墓地から溺墓を持つカードをプレイしてもよい」能力がアクティブになる。

➂浮きリソース2を使用して墓地から《改造船医、ソーボーンズ》をプレイ。《海淵のコンパス》により《改造船医、ソーボーンズ》に続行が付くので、アクションポイントを獲得。

④このターン「盟友」が墓地に送られているので、胴装備《亡者の織物》を起動して1リソース獲得。

⑤腕装備《黄金のフック》を起動し、《改造船医、ソーボーンズ》で6点の攻撃。

《黄金のフック》は起動したターン終了フェイズに《金貨》を作成していなければ破壊されてしまうデメリットがありますが、このターンは《黄金の一杯》の効果で《金貨》を作成しているので、デメリットを気にせず起動できます。

解説：手札3枚からスタートして、1点、6点の合計7点とダメージは控え目ですが、《改造船医、ソーボーンズ》が残ること、ドローしたカードを格納庫に残しており、実質手札消費は2枚であること、《金貨》が作成できていることの3つのメリットがあります。上述の通り、返しに相手が《改造船医、ソーボーンズ》を3点の攻撃をすれば、このターン得ている表現価値は実は手札2枚で10点、ということになり、強力なターンであることが分かります。

《金貨》があると手札の循環が非常に良くなったり、リソースを増やしたりすることが可能で、優れた表現価値を出せるようになります。続いて、《金貨》を駆使したプレイ例を挙げていきます。

プレイ例2　《金貨》を破壊して手札の《盟友》を捨てて出すプレイ

手札：《陽気な副船長、チャム》、《容赦無用》

①《グレイビィ》の能力を起動。《金貨》を破壊し、1枚ドロー。

②ドローしたカードは《凶悪な無秩序》。《陽気な副船長、チャム》を捨てることを選択。

③《容赦無用》をプレイ。《容赦無用》解決後、青いカードが墓地に送られることで、《グレイビィ》の能力をアクティブに。

④このターン「盟友」が墓地に送られているので、胴装備《亡者の織物》を起動して1リソース獲得。

⑤《陽気な副船長、チャム》を1コストでプレイ。(《容赦無用》の効果で3コスト軽減され、《海淵のコンパス》により続行が付与)

⑥《陽気な副船長、チャム》で攻撃し、ターン終了。

解説：《金貨》があることで、《グレイビィ》の能力で手札に来た「盟友」をスムーズに墓地に送ることができ、少ない手札からテンポの良い「盟友」の展開に繋がっています。また、墓地に既に「溺墓」を持つカードがある際は、青いカードを墓地に送ることで《グレイビィ》の「溺墓」を持つカードを墓地からプレイできる能力をアクティブにすることも可能です。特に、《ダイヤモンドのアミュレット》のような続行のない青いカードや、相手が攻撃してこず、余った《海底の財宝》等を捨てて能力を《グレイビィ》の能力をアクティブにするプレイは良いですね。

手札に青いカードが無く、《海淵のコンパス》でデッキトップが青いカードだった場合、《グレイビィ》の能力を使用してそれを引き込んで捨てたり、《金貨》の能力を起動してドローすることで、青いカードを引いてプレイし《グレイビィ》の能力をアクティブにすることも可能です。

プレイ例３　《金貨》でのドローによるリソース増加を活かしたプレイ

手札：《蒼海の大覇船》《急げヨ！》《容赦無用》《凶悪な無秩序》の4枚で、《金貨》がある状況。相手の攻撃中

相手が《啓示の一撃》7点で攻撃してきています。

解説：返しに《蒼海の大覇船》で攻撃できると良さそうな手札です。

余りそうな手札1枚で防御しそうなところですが、もっと手札効率良くプレイする方法があります。《金貨》の2コスト払い1ドローする能力で、青をピッチし、青をドローした場合リソースが1増えることになるため、青1枚から効率良く《蒼海の大覇船》がプレイ可能です。なので、以下のようにプレイしましょう。

①相手が《啓示の一撃》で攻撃してきたタイミングで《海淵のコンパス》のインスタント能力を起動し、デッキトップを確認。デッキトップは青だったので、《啓示の一撃》に対して2枚で6点防御。

②自分のターンに《金貨》を起動して1ドローする。

③ドローした青いカードをピッチ。4リソース払い《蒼海の大覇船》で8点続行の攻撃となります。

プレイ例は以上となります。実際にはこれらのテクニックを複数同時に駆使しながらプレイが分岐していくシチュエーションがよくあります。重要なポイントとしては

・このターンどの手段で青いカードを墓地に落として《グレイビィ》をアクティブにするか
・このターンどの「盟友」を出すつもりなのか
・《金貨》は今何個ありどう使うのか
・《海淵のコンパス》のデッキトップ確認能力は何のために使うのか(ドローするか否かの分岐、《蒼海の航路図》を打つか否かの判断、防御の判断など)
・胴装備《亡者の織物》は起動可能か
・腕装備《黄金のフック》はノーリスクで起動できるか

辺りを意識しながらプレイできるのが理想です！とはいえ、全て完璧にできるようになるには時間がかかると思うので、まずは「どの手段で青いカードを墓地に落とすか」「このターンどの「盟友」を出すつもりなのか」当たりを重点的に意識してプレイしていくのがオススメです。

続いて、対面によりこうプレイするのがオススメ、という話をしてきます。

守備的なヒーロー相手に有効なプレイ

《ヴァーダンス》《フローリアン》《ヤール》《ヴィクター》といったヒーローは武器に続行が付いておらず、デッキの中の続行を持つカードも限られているため、「盟友」の処理が苦手な傾向があります。「大地」タレントや「守護者」クラスは続行が苦手という特性が与えられているので、そこをそのため、それらのヒーロー相手には「盟友」を複数体展開する動きが強力です。

その際に役立つのが足装備《熟練魔導師のブーツ》、《ダイヤモンドのアミュレット》、《黄金のラム酒》など「盟友」に続行を付与したり、アクションポイントを獲得する手段です。

「盟友」を並べる際に注意するのは《海淵のコンパス》の墓地からプレイする「溺墓」に続行を付ける効果を消化してから、2枚目の「溺墓」に《熟練魔導師のブーツ》や《黄金のラム酒》の続行を付けるように注意しましょう。

これらの手段を駆使することで「盟友を2体並べながら1体で攻撃してエンド」や「盟友を3体並べてエンド」のようなプレイが可能です。特に唯一攻撃に続行が付いている「盟友」である《片足飛びのリンピット》はこれらの「盟友を並べる動き」に絡むと強力です。

《片足飛びのリンピット》を墓地からプレイし、続行2点で攻撃→《熟練魔導師のブーツ》などで続行を付けて2体目の《片足飛びのリンピット》を墓地からプレイし、続行2点の攻撃→《改造船医、ソーボーンズ》を出してエンドといった動きをすると、ダメージを出しながら盟友の複数枚展開が可能です。続行に乏しいヒーローが、1回しか攻撃できない手札でこういった動きをされると、《片足飛びのリンピット》を1体倒してエンド、といった動きになりやすく、この次のターンに生き残った「盟友」たちと強力な攻撃をしたり、更に「盟友」を展開する、といった風に強烈な攻めが継続しやすいです。

ただ、この「盟友を複数展開する」というプランは「続行」が得意な「忍者」クラス等には強くありません。頑張って並べた「盟友」が武器やコストの低い続行で次々と倒されてしまいます。「忍者」には上記の動きはやらない方が良いです。

連続攻撃が得意なヒーロー相手に有効なプレイ

まず前提として、《グレイビィ》は「忍者」が苦手です。

理由としては、《調和の小太刀》や《報復のクナイ》で効率よく「盟友」を処理できる点と、頭装備《機運の仮面》により、「盟友」への攻撃でもドローが可能な点が大きいです。《グレイビィ》は「盟友」に相手が攻撃する分でライフを得していきますが、《機運の仮面》によりドローされてしまい、実質の手札消費が無くなっているとライフが得できません。最も《グレイビィ》への対策となる戦術は「盟友」という必ず攻撃がヒットする対象を利用して得することです。

そういった相手に大切な指針はいくつかあります。
・攻撃アクションを積極的にプレイしてライフを削ること
・《蒼海の大覇船》で相手の妨害をすること
・「盟友」を出した場合、必ず攻撃すること
・《改造船医、ソーボーンズ》や《引きずり込むもの、アンカ》など「忍者」クラスのカードに刺さる効果を持つ「盟友」を出すこと
・「盟友」を出して無視されて本体を狙ってきた場合の展開を考えてから「盟友」を出すこと(=残り自ライフが少ない時の「盟友」は無視されやすい)
・腕装備《黄金のフック》を積極的に起動すること

辺りが勝利への道です。《オシリオ》や《シンドラ》のような防御に手札を使用したくないヒーロー相手には、腕装備《黄金のフック》を「このターン《金貨》が作成できていなくても起動する」というプレイも肯定されます。6点など2枚要求する攻撃に《黄金のフック》を起動していくと、相手は結構な確率で通してくれますし、防御に手札を使う＝返しの出力が非常に下がる、ということなので、中盤以降なら防御されて《黄金のフック》が破壊されても、結果オーライになりやすいです。「忍者」や《オシリオ》相手に守っていても、相手が有利になり続けるので、防戦一方にならず、テンポ良く攻めていくことを意識しましょう！ただ、テンポ良く攻めれるかは引き次第なので、そこは不利マッチたる所以です……。

《グレイビィ》対策のカードやプレイ

最後に、《グレイビィ》と対戦する他のヒーロー向けの、《グレイビィ》対策について書きます。まずは、採用するカードで《グレイビィ》へのガードを上げる方法を紹介します。
上述した守備的なヒーロー、続行が苦手なヒーローの場合、続行を持つカードを増量し、「盟友」を処理しやすくするという対策があります。

また、元々続行が得意だが、より《グレイビィ》への対策をしたいという場合、《スナッチ》などのヒット時効果を持つ攻撃アクションを採用するのも手です。

装備品ですと、頭装備《公正の守護》は良い対策装備になります。《黄金の一杯》、《グレイビィ》の能力、《金貨》の起動などターン中にドローをすることが多いので、そこそこの頻度で1ターン中に2ドローします。こちらのターン中に《グレイビィ》のインスタント能力を起動する等相手がケアしてくることもありますが、それはそれで胴装備《亡者の織物》を自ターンに起動しづらくなるなどのメリットもあります。

特殊なカードでの対策になりますが、《片足飛びのリンピット》の続行2点の攻撃や、《急げヨ！》の効果により続行を得た「盟友」が攻撃している状況で、ダメージステップまでにその「盟友」にダメージを与えて破壊すれば、続行によるアクションポイントの獲得が行われなくなります。《オシリオ》の《ショック》や、「レンジャー」の《Hornet’s Sting》、《Prism》の《Figment of Ravages》などでこのプレイが可能です。意表を付いてアクションポイントを0にすれば、その後控えていた《リガー・モーティス》の6点攻撃などを不発にできるかもしれません。

続いて、プレイ面では、「盟友」へ攻撃するか《グレイビィ》に攻撃すべきかの判断を適切に行っていくことが大切です。「盟友」に攻撃すべきなのか、《グレイビィ》を攻撃すべきかは自分の手札、相手と自分のライフ状況、これまで使用したカード、相手の墓地状況などにより細かく分岐するため、やり込みと適切な判断力が要求されます。考え方としては、《グレイビィ》のライフがあと少しで詰め切れそうなら「盟友」を無視するプレイが正解になりやすいです。ただ、そのライフや盤面がヒーローにより異なる点が難しいところですが……。そこは練習あるのみですね。
この状況で「盟友」を攻撃するのが《グレイビィ》目線で、嬉しいのか嫌なのか考えて適切な選択を取れるのが理想です。このターン「盟友」を無視したら《グレイビィ》に何点通るのか、次の相手のターンはどうなるのか、その次の自分のターンに何点ダメージが出せそうか、シュミレーションしてみましょう。相手の場に《黄金のラム酒》があると簡単に「盟友」の攻撃に続行が付いてしまうので、「盟友」を無視するリスクは高まるので注意しましょう。

また、《蒼海の大覇船》対策に、格納庫に防御リアクションやインスタントを置くプレイを意識することなども良い対策です。

対策は以上になります。《グレイビィ》のプレイ・リストも対策もまだまだ進行している段階なので、この記事には挙がっていない対策もまだまだあるかと思います。プレイヤーの皆さんの研究次第で、最適な対策が見つかる可能性はまだまだあります！

まとめ

・《グレイビィ》は①青いカードを墓地に落とし　②墓地に落としておいた「盟友」を出して　③「盟友」で攻撃するヒーロー！

・《金貨》があるほど強力な動きがやりやすい！《金貨》はデッキを回す潤滑油

・《グレイビィ》対策には続行を増やすか、ヒット時効果で利益を得ていくのがおススメ！

以上です！お読みいただきありがとうございました。

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