5月30日発売予定の「蒼海の秘宝/High Seas」にて、押さえておきたいルールのあれこれを纏めた記事です。勘違いしやすいルールから、ルールを踏まえた得するテクニックまで!
キーワード能力や基本的な処理が分かる公式ルール解説記事はこちら
一部カードについての詳しいルール解説やルール変更についての記事はこちら
カード毎に詳しい裁定が分かる公式リリースノートはこちら
共通のルール
・墓地で裏側になったカードについて
「蒼海の秘宝/High Seas」では墓地のカードを選んで裏向きにするカードや、自身を裏向きにする「溺墓」カードが登場しました。



自分の墓地で裏向きになっているカードは好きなタイミングで確認できます。対戦相手の墓地の裏向きになっているカードは確認できません。「溺墓」で裏側になったカードも同じ扱いです。

また、墓地で裏向きになっているカードは、墓地に作用するカードの対象にしたりコストにすることはできません。(現在は存在しませんが、将来的に墓地の裏向きのカードを対象にするカードが登場した場合は可能です)



《グレイビィ・ボーンズ》



①「盟友」関連
「盟友」に関しては詳しくはこちらの記事を参照。
大きなポイントとしては「盟友」への攻撃は防御できないってことを覚えておきましょう!また、《グレイビィ》の「盟友」は手札にある時に防御値がありません。防御に使用することはできないので注意しましょう。防御値がないので、《グレイビィ》の「盟友」は《最も脆い所》の手札破壊効果の対象として適正です。

②逆手装備品について



《グレイビィ》用の装備品である《海淵のコンパス》は「逆手」(=off-hand)であり、「片手武器の逆側に装備することができる」という特性を持ちます。一見片手武器と同じ扱いに見えますが、片手武器と異なり、「逆手」の装備を2つ装備することはできません。よって、《海淵のコンパス》2つを装備したり、《Arcane Ranatan》+《海淵のコンパス》や《血濡れの円盾》+《海淵のコンパス》のような装備は不可能です。逆手2つはダメですが、逆手1つのみを装備することは可能です。
➂《陽気な副船長、チャム》の能力について

この攻撃誘導の能力の変更は、既に攻撃対象を選んだ攻撃に対しては影響を与えません。優先権を得たタイミングで起動することで、それ以降の攻撃を《チャム》に誘導できます。
相手が《チャム》をコントロールしており、《チャム》以外を攻撃したい時は、優先権を放棄せずに=ほかのアクションを挟まずに攻撃することが重要です。
プレイ例1:対戦相手のターン、相手は最初に得た優先権で《啓示の一撃》を続行5点で、ヒーローに対してプレイ。この状態で《チャム》の能力を起動しても攻撃中の《啓示の一撃》はヒーローに対しての攻撃として処理されます。既に攻撃対象を選択しているからですね。
《啓示の一撃》の後、次の攻撃が行われた場合は《チャム》を対象に取ります。

プレイ例2:対戦相手のターン、相手は最初に得た優先権で《機敏主義》をプレイ。《機敏主義》のプレイ時の優先権で《チャム》を起動すれば、この次の攻撃は《チャム》を強制的に対象に取る事になります。この後、対戦相手は《機敏主義》の能力で強化された《啓示の一撃》をプレイしましたが、この《啓示の一撃》は強制的に《チャム》を攻撃することになりました。

④《引きずり込む者、アンカ》について



《引きずり込む者、アンカ》の「このターン、次に対戦相手がカードを1枚以上引いたとき、その対戦相手はカードを1枚捨てる」という効果は、「このターンのアクションフェイズに、次に対戦相手がカードを1枚以上引いたとき」に修正されています。よって、エンドフェイズの知性分ドローする処理や《熟考》トークンによるドローに対して、この効果は適応されません。
⑤《亡者の織物》について


「盟友があなたの墓地に置かれていた場合」というのは、闘技場の他、デッキや手札から盟友が墓地に置かれた場合も指します。
《マーリン》


①《Three of a Kind》等の複数枚ドローと《マーリン》の能力について

《マーリン》の「あなたがカードを1枚引くたび、手札の矢を1枚、格納庫に表向きで置いても良い」効果は、複数枚ドローした場合、複数回誘発します。よって、《New Horizon》を装備している《マーリン》が《Three of a Kind》をプレイした場合、3枚ドローした後に、格納庫に矢を2枚置くことが可能です。



②ドロー&ディスカードをする能力と《マーリン》の能力について

《トレード・イン》などが持つ、カードを1枚引き、その後1枚捨てる効果でも《マーリン》の効果は誘発しますが、捨てた後に《マーリン》の効果が解決する形になります。なので、手札が0枚の状況で格納庫から《トレードイン》をプレイ。《トレードイン》で引いた《矢》を《マーリン》の効果で格納庫に置いて、その後捨てる効果を解決して何も捨てない!というようなプレイはできません。一連のテキストの処理の間に、他の能力が割り込むことはできません。
➂《デス・ディーラー》と《マーリン》の能力について


頭装備《New Horizon》を装備しており、格納庫が空の状態で、武器《デス・ディーラー》を起動した場合、矢を2枚格納庫に置くことが可能です。具体的には、まず《デス・ディーラー》の効果で手札の「矢」を置きます。「矢」を表側で格納庫に置いた後、《デス・ディーラー》で1ドローします。その1ドローにより更に《マーリン》の能力が誘発し、格納庫に「矢」を表側で置くことができます。
④《金鰭の銛》について

《金鰭の銛》は《マーリン》のヒーロー能力により手札に作成することができるカードですが、デッキに入れてゲームを開始することも可能です。《臥虎》トークンなどはデッキに入れることは不可能でしたが、《金鰭の銛》は可能、ということですね。

⑤《逆棘の弾幕》と「光彩」(=Spectra)を持つカードについて




《逆棘の弾幕》の追加コストを支払い、「光彩」(=Spectra)を持つカードと、適正な攻撃対象を選択した場合、「光彩」を持つカードは破壊されますが、「光彩」の効果で戦闘チェインが閉じません。
具体的には、「光彩」を持つ《Arc Light Sentinel》と相手のヒーローを対象にした場合は、戦闘チェインが閉じず、《Arc Light Sentinel》を破壊したのち、相手は《逆棘の弾幕》を防御するかどうかに進行します。「光彩」を持つカード2枚を対象にした場合は戦闘チェインが「光彩」の効果により閉じます。
《パフィン》


①「歯車」をタップして攻撃値を上げる効果について



これらの効果は攻撃中のみ起動できる効果です。つまり、「幻影」効果を持つ攻撃に対するポッパーとして使用できません。相手の《変幻する蜃気楼》による攻撃を、《ジョリィ・ブラッジャー》で防御し、その後「歯車」を1つタップすることで《ジョリィ・ブラッジャー》の攻撃値を6にして《変幻する蜃気楼》を破壊…というプレイはできません。
②「歯車」をタップして続行を得る効果について


《コグワークスのダブテイル》や《空滑り》のような攻撃アクションは、「歯車」をタップすることで続行を得ることができるインスタント能力を持っています。これらの能力は、ダメージステップ(=ヒット後)に起動して続行を得ても、続行が機能し、アクションポイントが獲得できます。つまり、《コグワークスのダブテイル》の場合、以下のようなプレイが可能です。

1:《金の歯車》が2つある状況で、《コグワークスのダブテイル》で5点の攻撃。相手は防御値6点で防御しました。
2:リアクションステップで《コグワークスのダブテイル》のインスタント能力を2回起動し、《金の歯車》を2個タップ。2回とも攻撃値+1を選択し、《コグワークスのダブテイル》は7点になります。
3:相手のリアクションは何もなかったので、ダメージステップに進行。1点のダメージが通り、《コグワークスのダブテイル》の「あなたがコントロールする全ての歯車をアンタップする」能力が誘発します。これを解決して《金の歯車》を2つアンタップします。
4:3の解決後に、《コグワークスのダブテイル》のインスタント能力を起動。《金の歯車》を1つタップし、《コグワークスのダブテイル》に続行を与えます。これにより、この後アクションポイントが獲得でき、このターン続けてアクションが可能になります。
③《惑星級戦艦エアロノート》について

「自身がコントロールする装備品でこれを防御しなければならない」というテキストは、「最低1つの装備品を防御に出さなければならない」という効果です。また、この際、《金魚草の登攀者》などの防御値が0の装備品を防御に出すことも可能です。ただし、《支配の王冠》のような防御値が存在しない装備品の場合は、ルール上防御に使用できないため、防御に出せません。装備している装備品が全て防御値が存在しない場合は、装備品を防御に出す必要はありません。



《惑星級戦艦エアロノート》の防御カード破壊能力は、チェインリンクを指定していません。なので、同じチェインリンクにない防御カードも破壊できます。つまり、《惑星級戦艦エアロノート》の前の攻撃に対して、防御に使用された厄介な装備品を破壊することも可能です。
具体的な例を挙げましょう。




あなたのターンに、《空滑り》で攻撃。相手は足装備《勇敢な先駆者》で防御しました。あなたはリアクションステップで《空滑り》のインスタント能力を起動し、「歯車」を1つタップ。続行を付与します。《空滑り》が続行を得たので、APを獲得し、戦闘チェインが続きます。あなたは《惑星級戦艦エアロノート》をプレイ。2つ目のチェインリンクとなり、相手は《勇練の腕甲》で防御しました。あなたはリアクションステップで《惑星級戦艦エアロノート》のインスタント能力を3回起動し、「歯車」を3つタップ。この際、防御カードを1つ破壊する能力により、前のチェインリンクにある足装備《勇敢な先駆者》を破壊することもできますし、腕装備《勇錬の腕甲》を破壊することもできます。
④《ポリー・クランカ》について

《ポリー・クランカ》は「肩車」という能力を持っており、一度アクションを起動するまで攻撃対象に選ばれないという性質を持っています。この能力により、体力1の盟友という儚い存在でありながら、「クランク」したくなる好きなタイミングまで《ポリー・クランカ》を温存しておくことが可能なデザインです。しかし、能力を起動していない《ポリー・クランカ》もダメージの対象や、秘術ダメージの対象にはなります。下記画像のような「任意の対象」(=any target)と書かれているダメージ/秘術ダメージを与える効果には気を付けましょう。



⑤《コグワークスの絡繰リング》と「過負荷」について



腕装備《コグワークスの絡繰リング》と「過負荷」を持つ《黄金の天空機士》で、同じ攻撃に対して同時に防御した際、腕装備《コグワークスの絡繰リング》の防御時能力で作成された《金の歯車》トークンを「過負荷」で破壊できます。どちらも「防御時」の能力であり、同時に誘発した後、能力のコントローラーが誘発する順番を決めることができます。なので、先に《コグワークスの絡繰リング》を解決した後に、「過負荷」能力の解決ができます。
その他クラスや汎用
《ミダスの金蝕》について


《ミダスの金蝕》でコストのない「盟友」を破壊した場合、作成される《金貨》トークンは0個です。《Prism》が使用する天使の「盟友」《Suraya,Archangel of Erudition》や、《Dromai》が使用する竜の「盟友」《Miragai》等はコストのない「盟友」です。《グレイビィ》の「盟友」は基本的にコストを持っています。



《秘術協議会》について


《秘術協議会》はスタック上のアクションカードを対象に取るインスタントです。必ず対象を取れる状況でプレイする必要があります。(空打ちができません)
効果は少しややこしいですが、「対象に取ったアクションカードが与える秘術ダメージは、このターン他の効果で増加されない」という効果です。強化を消す、という意味ですと、要は秘術ダメージ版かつ、対象を取る《引っ掛け》みたいなものと思えばイメージしやすいでしょうか?

無力化できるのは、《エーテル織込の攪拌杖》、《燃え殻の予見》、「増幅」によるダメージの増加など、「秘術ダメージを増加させる効果」全般となります。



《ケイノ》や《嵐の闊歩者》等の能力で、インスタントであるかのようにプレイされたアクションカードも、カードタイプはアクションカードのままなので、《秘術協議会》で問題なく対象に取れます。


《燃え盛るエーテル》のようなX点の秘術ダメージを与える効果に対して、《秘術協議会》をプレイしても、そのダメージが0になることはありません。ただし、《燃え盛るエーテル》に「増幅」や《エーテルの猛火》での秘術ダメージの増加が乗っていた場合、その強化は《秘術協議会》で無力化できます。


(例:対戦相手のターン中に《エーテルの猛火》で4点の秘術ダメージを与えた後に、《燃え盛るエーテル》をプレイするとX=4点となり、そこに《エーテルの猛火》の+4点が乗り4+4=8点になります。この《燃え盛るエーテル》に《秘術協議会》がプレイされると、Xの4点はそのまま、《エーテルの猛火》による強化が消されて4点になります。)
また、「増幅」を《秘術協議会》で無効化した場合、次の秘術ダメージにその無効化した「増幅」が持ち越されることはありません。ただ、「増幅」の場合、《秘術協議会》のスタックでインスタントの秘術ダメージをプレイされた場合、《秘術協議会》が回避されることがあるので注意しましょう。
具体的な例を挙げます。




1:相手の《ヴァーダンス》のターン。相手が《千年樹の導き》をプレイ。増幅3が誘発します。
2:相手が《精神の歪曲》をプレイ。このままでは《精神の歪曲》に2点+3点で5点の秘術ダメージとして解決されます。
3:そこであなたは《秘術協議会》を《精神の歪曲》を対象にしてプレイ。これで《精神の歪曲》の秘術ダメージは増加しなくなりました。

4:《秘術協議会》の解決後、相手は足装備《嵐の闊歩者》を起動。次の魔術師の非攻撃アクションがインスタントのようにプレイ可能になります。
5:《嵐の闊歩者》の能力を解決し、インスタントのように《光子の結合》をプレイ。これにより、《光子の結合》に《千年樹の導き》の増幅3が乗り、7点の秘術ダメージを解決。
6:その後、《秘術協議会》の対象となっていた《精神の歪曲》は2点の秘術ダメージとして解決されます。

これは「増幅」が秘術ダメージを与える際に誘発する能力なので、可能なテクニックですね。《エーテル織込の攪拌杖》などはアクションカードのプレイ時に秘術ダメージの値を増幅させているので、このテクニックは使えません。また、インスタントや《ヴァーダンス》のヒーロー能力などの、アクションでない秘術ダメージの場合は《秘術協議会》の対象として選択できないので、回避できます。《オシリオ》や《ヴァーダンス》を使う方は覚えておくと役立つかもしれません。
リミテッド向けの注意項
・《密航者、スカーヴ》はトークンではないため、自身のプールに含まれていなければ使用ヒーローとして選択できません。シールドの場合は自分のパックから《密航者、スカーヴ》を引く必要があり、ドラフトの場合は《密航者、スカーヴ》をピックする必要があります。

②武器について
《マーリン》と《パフィン》はトークンレアリティの武器が2種類あるため、好きな方を装備して対戦開始できます。






《グレイビィ》は《海淵のコンパス》のみを装備できるので、武器はありません。


《スカーヴ》は《スティッキー・フィンガーズ》を武器とします。《スティッキィ・フィンガーズ》は自分のプールに存在しなくても使用可能です。


以上です!お読み頂きありがとうございました。他、ルールに関する質問がありましたら、コメント頂けましたら可能な限りでお答えします。
Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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