【ヒーロー攻略】傀儡・アラクニがあなたにもたらす毎ターンの戦略を柔軟に変える楽しさ。~攻撃が通らなくてもなんくるないさ~

0

挨拶

こんにちは。おかゆさまです。

日本でのプロクエストシンガポール期間が終了し、競技もやっと一息といったところですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
混転の餌食シーズンは日本選手権予選から始まり、Calling神戸、プロクエストシンガポール。
週末にはBattle Hardened 東京と、クラシック構築の競技イベントがとても多いシーズンでした。

今回はそんな競技満載の混転の餌食シーズン終盤に私がプレイしていた《傀儡・アラクニ》について記事を書こうと思います。
暗殺者の中でも”混沌”の属性を持つだけあってかなり癖の強くて使いこなすのが難しいヒーローですが、
他のヒーローとは一風変わったゲーム体験ができるヒーローです。
今までわかりやすいヒーローを使い続けていた私でも、練習することでShoma Yamamura杯で優勝することができました!

今回はそんな癖の強いヒーローを紹介してアラクニ人口を増やそうと思っています。

ヒーロー能力のおさらい

まずは傀儡・アラクニの能力について再度解説をしていきましょう。

大きく2つの能力に分かれています。1つ1つの能力はシンプルです。
1つ目の能力は混転の餌食から登場しているキーワードの「標的」状態のヒーローに対して攻撃したときに、
その攻撃が隠密を持っているならば+1とヒットしたときに続行を得る能力です。

これによって基本的に3の隠密持ち攻撃アクションカードが4になって防ぎにくくなり、
さらにヒット時に続行も付与してくれます。
暗殺者クラスは連続攻撃が苦手なクラスですが、
この能力のおかげで
標的にする→隠密攻撃→標的が外れてヒット時効果+続行→標的にする→隠密攻撃→・・・
と、「ヒット→再度標的にする」のループを形成できれば連続攻撃することが出来るようになっています。

4といえば防御リアクションで防ぎたいパワーの値なのですが、
暗殺者クラスのデッキには攻撃リアクションが多く採用されているため、
相手の攻撃リアクションに備えて防御リアクションを温存しておきたいという考えもあります。
このように相手の防御をかなり難しくしつつ、裏をかけば相手のターンを破壊することもできうる能力です。

2つ目の能力はターン終了時に相手が「標的」状態ならば6人いる”混沌の使者”に変身する能力です。

これが傀儡・アラクニの”混沌”部分を強烈に表しています。
ランダム要素というのは、いままで野人クラスのみの要素でしたがついに他のクラスでもランダム要素が使われました。

全ての混沌の使者は違う能力ですが、大まかに1~5番と6番の2パターンに分けることができます。
簡単に言うと、壱~伍番は暗殺者のカード1枚をパワー3点分に変換してくれる能力。
つまりデッキ内の暗殺者カードは何であれ全て3点分の働きをしてくれます。
霧隠の秘境のヒーローのように青いカードを赤いカードのように攻撃に使える能力が最低限あり、
さらに相手のリソースを削る能力が付随されているためとても強力です。

陸番だけは罠をデッキから探してくる能力のため、攻撃性がまったくありません。
しかし単純に防御カードとして使える手札が1枚増える能力なので、
お互いに五分五分の攻防を繰り返している際には優位性を奪える強さを持っています。

デッキタイプ紹介

現在の傀儡・アラクニのデッキタイプは大きく分けると2種類に分類されます。

  1. アグロタイプ – 隠密を持った攻撃アクションカードを攻撃リアクションカードと混沌の使者の能力でバックアップして戦うタイプ
  2. コントロールタイプ – 隠密持ちの攻撃アクションは最小限にして、短剣を主軸にして戦うタイプ

基本的な分類としてはこの2種類なのですが…、
装備品やカードプールはタイプが違ってもほぼ同じなので、
使っている人によってコントロールタイプのアグロ寄りやアグロタイプのコントロール寄りなど
自分の好みの戦闘スタイルやプレイしている環境に合わせてデッキをカスタマイズしやすいのも楽しさの1つです。

タイプについて、1つずつデッキリストと特徴について簡単に解説します。

アグロタイプ参考リスト Battle Hardened: Santa Clara – Franche Tan ( Fabraryリンク )

アグロタイプは多くの赤い隠密攻撃アクションカードを、《刃閃の刃》や《背後からの痛撃》、《露出》でサポートすることで、
隠密攻撃をヒットさせてライフを奪うと同時に相手のリソースも奪うデッキタイプです。

《背後からの痛撃》は攻撃リアクションではないものの、
ヒット時に1点ダメージを与えてコントロールしている短剣1つをヒット扱いにできるため、
《狩人のクレイヴ》を選べば相手を標的にすることが出来、
次の隠密攻撃が傀儡・アラクニの能力で強化されるので実質的に5点分くらいの働きをしてくれます。

かといって《背後からの痛撃》を防御すると、
手札が少なくなり次の隠密攻撃を満足に防御できなくなるため
傀儡・アラクニ側はヒットしたらそれはそれでラッキーだし、
当たらなくても問題ないといった相手だけがただただ困る攻撃になっています。

このようにアグロタイプは相手に対応させつつも、
それを上回ることで壊滅的な被害を与えることを目指してゲームを行っていきます。

コントロールタイプ参考リスト Battle Hardened Santa Clara – Taotao Chu ( Fabraryリンク )

コントロールタイプには先ほど紹介したアグロタイプで使うカードや赤い隠密カードがほとんど採用されません。
その代わりに多くの防御リアクションカードと、短剣を強化する非攻撃アクションカードを多く採用しています。

少し話は逸れますが、例にあげたBHのデッキリストのプレイヤー「Taotao Chu」さんはDynastyで暗殺者クラスが出てからずっと暗殺者を使い続けていて、
山村翔馬さんが優勝したプロツアーアムステルダムでもUzuriを使って35位に入っている生粋の暗殺者プレイヤーです。
彼がコントロールタイプを握っているということは、これがアラクニの答えなのか!と思ってしまいますね。

アラクニのデッキに話を戻しましょう。
コントロールタイプでは隠密の攻撃アクションを極力減らし、短剣でダメージを与えることを目指します。
《狩人のクレイヴ》は強烈なヒット時効果はないものの、貫通1を持っているため
《勇敢な先駆者》を始めとした防御1の防具だけでは防げないのもお得です。

武器を強化する非攻撃アクションカードはいままでもたくさん登場してきましたが、
基本的に1枚で3点分の上昇値を付与するものが普通でした。
しかし「混転の餌食」で登場した短剣を限定とした強化カードは基本が+4で、さらに追加効果もあるため明らかに1段階進歩しています。

短剣は多少強化値が高くても、基礎攻撃力が低いからヨシ!!
(ただし戦士カードだから暗殺者では使えない)

短剣で攻撃するなら、《傷には傷を》がついでについてくるようなものなので
今セットから短剣で攻撃する暗殺者は戦術の幅が増えたといえるでしょう。

ただ、基礎攻撃力1点の短剣をいくら強化したところで効率はあまりよくありません。
これまでに紹介した+4の強化カードと2コストを払って、やっと5点分の攻撃力ですから。
これを解決してくれるのが”混沌の使者”の能力とトークン武器の《グラフェンの鋏角》です。

戦術のコア

《グラフェンの鋏角》はゲーム開始時にはなく、参番の混沌の使者《円環蜘蛛のアラクニ》か《円環の糸巻き》をプレイすることで装備します。
参番になれるかどうかはかなりの運任せなので、一般的なコントロールタイプのアラクニデッキには《円環の糸巻き》が複数枚採用されています。
《グラフェンの鋏角》を装備したあとに参番に変身したとしても、
攻撃コストが0になる効果を利用してピッチなしで攻撃したり、
《短刀の妙技》で既に装備していた《グラフェンの鋏角》を投げて再装備したりできるため、むしろ強力です。


コントロールタイプには隠密の攻撃アクションカードが少ないため、
強力な混沌の使者の能力を活かしづらいと思いがちです。
しかしそんな不安も《グラフェンの鋏角》が1本あれば解決!
混沌の使者の能力は暗殺者の攻撃であれば+3、さらにそれが隠密を持っていればさらに効果が発揮されるものなので、
攻撃アクションカードでなくても構いません。
ただの短剣攻撃の《グラフェンの鋏角》が
リアクションタイミングでいきなり強力なヒット時効果を持つため相手にとってはかなり恐怖です。
いざ強力な混沌の使者に変身できたときに手札に隠密を持つ攻撃がなくて効果を活かせない!なんてことは極力避けたいものです。
《グラフェンの鋏角》は1回装備すればずっと使えるので最近ではアグロタイプもコントロールタイプも《円環の糸巻き》を採用するようになっています。

このようにコントロールタイプでは基本的には防御リアクションカードでディフェンシブに戦い、短剣で標的状態にします。
壱番などの強力な混沌の使者に変身できたら使者の能力と合わせて相手のリソースを削っていき、
ライフもしくは相手の動き次第でファティーグで勝利を狙うスタイルのデッキです。

テクニック紹介

傀儡・アラクニで使うテクニックを一部紹介します。
対戦するときに意識してみると一段上の暗殺者になれるかも。

初級編

《短刀の妙技》で《狩人のクレイヴ》を投げて標的状態にすることで隠密攻撃アクションの打点を上げる

これはもはや基本テクニックといっても過言ではありません。
多くの隠密の攻撃は基本攻撃力が3ですが、リアクションで短剣を投げて標的にすることで
相手の3点防御を1点分上回って攻撃を通すことが出来ます。

アラクニはさらにヒット時に続行も付与してくれるため手札を多く持っているときに
どんな攻撃リアクションをされるのかわかりにくいです。
攻撃バリエーションの引き出しが増えればさらに相手を惑わすことができます。

ただし、軽減系のカードや《嵐からの避難》には気を付ける必要があります。
これにはあらかじめ《狩人のクレイヴ》で攻撃することで対応しましょう。
軽減系のカードがあれば最初の短剣攻撃の時点で使ってくれることがほとんどなので、
大きな動きを通したいときは相手の攻撃をある程度受けてでも安全確認できると安心です。

中級編

欺瞞の仮面で混沌の使者から混沌の使者に変身する

個人的には欺瞞の仮面を効率的に使うことが《傀儡・アラクニ》の勝利への第1歩だと思っています。
よくヒット時効果を防ぐために標的状態ではないときに防御に使う場面を目にしますが、
かなり損なので本当に必要か熟慮する必要があります。(私は大会で運よく陸番になり勝ちました。)

特に強力なのが陸番の《影罠蜘蛛のアラクニ》から他の番号になることです。
私は壱番の《黒麗蜘蛛のアラクニ》や肆番の《赤背蜘蛛のアラクニ》になることが多いです。

《影罠蜘蛛のアラクニ》はデッキから罠カードを探して次の相手ターンに使うことができるので、実質的に手札が増えることになります。
その代わり攻撃に使える能力はないので、
相手の攻撃の勢いを見て弱いようなら仮面を使って攻撃性の高い混沌の使者に変身。
逆に相手の攻撃が強いならそのまま防御に多くのカードを使って攻撃をやり過ごすことができます。

上級編

隠密の攻撃がヒットしてもヒットしなくてもいいんだ、というマインドを持つ

最後が精神論みたいになってしまっていて申し訳ないのですが、
これが最終的に傀儡アラクニをプレイするうえで一番重要なポイントでした。

ヒット時効果のある攻撃をプレイするんだから、ヒットさせて効果を発揮させたい!と思うのは当然です。
相手が標的状態の時に手札のリアクションを使って《黒麗の標的》をヒットさせにいくのか、
格納庫に攻撃リアクションを1枚置きながら変身したほうがいいのかは
相手やシチュエーションにもよるのでどちらが正解とはハッキリと言えないです。

しかし、攻撃を全部ヒットさせるぞ!という選択が必ずしも正解ではないことを覚えておくと、
特に防御的なヒーローと戦うときに要所要所で相手の機能を破壊することができます。

これからのメタゲームの変化によるデッキの変遷予想

今回の競技シーズンでゼン、エニグマ、アウローラの3人がリビングレジェンドになりました。
これは傀儡アラクニにとっては追い風です。
傀儡・アラクニはシンドラのような極端なアグロ相手には比較的有利で、
逆に手札2枚の表現価値で戦うようなフローリアンのようなヒーローは比較的苦手です。

ヒット時の能力が強力な上にパワー4は1枚では止まらないので、
手札を2枚以上使うと次の攻撃が満足に行えないヒーローは厳しいわけですね。
逆に2枚が苦にならない上に防御リアクションが多く、さらに2枚の打点が高いヒーロー相手だとパワー勝負で敗北してしまいます。

これを踏まえて「蒼海の秘宝」で登場するヒーローを例にアラクニの対新ヒーロー所感をしていきましょう。

1.パフィン

一般的に暗殺者 対 機械技師はデッキのカードを追放できる暗殺者側が有利とされてきました。
ただしパフィンはブーストの代わりに《金の歯車》をタップすることで続行や他の効果を得る攻撃アクションカードを多用するようです。
なので従来の機械技師とは違い、
どんな型であれ「海賊」クラスのカードや「汎用」のカードをデッキに入れそうなので
従来通りの相性ではなさそうです。

ただし、金貨を出さないように防御リアクションを有効に使えたり、
攻撃に使いたいカードを防御させることの強制力がある分、傀儡アラクニのほうが若干有利にはなりそうです。

2.マーリン

レンジャーはカードの防御値が低いため手札からの防御が難しく、
かといってルーン剣士と違って防具も硬いわけではないので暗殺者の攻撃はほぼ素通りです。

なので、基本的には暗殺者がちょっとだけ有利…なのですが、
1つだけ懸念点があり、それがマーリンのコンボ火力が非常に高い場合です。

レンジャーには《Three of a Kind》や《Rain Razors》といった強力なカードがあり、
まだ見ぬマーリン用のカードが1ターンでとんでもない火力を出すパターンがありえます。

暗殺者は1枚3点の攻撃をベースに攻撃しているので、
たまたま妨害が出来なかったターンにとんでもない火力を出された場合に追いつくことができません。
そうならないことを祈ってカード公開を待ちます。

3.グレイビィ・ボーンズ

おそらく次弾でもっとも厳しい相手になるでしょう。
暗殺者は連続攻撃を苦手としているヒーローなので、「盟友」の処理が苦手です。

傀儡・アラクニは続行を付与する能力がありますが、それも「標的のヒーロー」を攻撃しているときだけなので盟友相手には効果がありません。
なので一旦ヒーローを攻撃してからお供を攻撃する必要があるのですが、既に船医さんがいつでも1点軽減するという効果を持っているため短剣の攻撃も《短刀の妙技》の効果も通らなさそうです。

なぜライフが2あるのか。短剣だけでは倒せない

頼みの綱となるはずだった《アナフィラキシーショック》もあまり頼りにならなさそうでとても悲しいです。

いまからでも3点くらい失うようになりませんか?

まとめ

というわけで今回は、最近使っていて楽しい《傀儡・アラクニ》に関する記事をお届けしました。
使いこなすのが少し難しいヒーローではありますが、
変身して手札をどう使うか考える、何に変身するかのワクワクなど一風変わったFaB感に毎試合楽しませてもらっています。

お気に入りのヒーローが今シーズンでリビングレジェンドになってしまって次のヒーローを探している。
傀儡・アラクニがカッコいいと思う!!混沌の使者もカッコいい!!素晴らしい!と思う方は是非是非一度プレイしてみてはいかがでしょうか。


おかゆさま @okayusama
お気に入りヒーロー:《Kano》,《Azalea》,《Lexi》
お気に入りカード:《Blazing Aether》
ホームショップ:TCG Shop Go Again
日本選手権2年連続トップ8。調整チーム「OkayuPirates」船長

みんなのコメント

コメントはまだありません

コメントを残す

このサイトは reCAPTCHA と Google によって保護されていますプライバシーポリシー利用規約 申し込み。

The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.

「コメントを送信」ボタンを押すとガイドラインに完全に同意したものと見做されます。
規約に違反する書き込みは削除・編集が行われる可能性がございますので何卒ご了承ください。

記事検索

タグ