目次
概要
このシリーズは「このヒーローを始めてみたい!」という時に抑えておきたい知識、カード、購入の優先順位、サンプルリストを案内する記事です。既にFaBを始めているが、このヒーローのことは良く知らないという方や、初めてFlesh&BloodやCCフォーマットを始める方に向けた記事になります。
ヒーロー紹介
今回のヒーローは《朽ちた森の先触れ、フローリアン》!
2024年9月にリリースされた「ロゼッタ」で登場したエレメンタル・ルーン剣士クラスのヒーローで、ミッドレンジ戦略を得意としています。

第二回で紹介した《流星のアウローラ》(リンクはこちら)と同じエレメンタル・ルーン剣士であり、《アウローラ》は攻め続けるアグロ戦略が得意、《フローリアン》はどっしり構えて中盤以降からまくり返すミッドレンジが得意と対のデザインになっており、《フローリアン》は防御的なタレントである「大地」のタレントを持っています。
2025年2月以降の「混転の餌食」環境は《アウローラ》がTier最上位に位置していますが、《フローリアン》は《アウローラ》と渡り合える強さを持っているヒーローであり、Calling:Kobeでは多数の《アウローラ》を打ち倒して優勝しました。(詳細はこちら、優勝者レポートはこちら)
相手の攻撃を防御でいなすようなゲームや、中速以降のどっしりしたゲームを楽しみたい人にオススメ!
ルーン剣士クラスについて
ルーン剣士は秘術ダメージと通常のダメージを織り交ぜて攻撃することを得意としているクラスです。秘術ダメージは「秘術防壁」など限られた手段でしか軽減できない強力なダメージ源です。



特に、《フローリアン》は大地・カードが追放ゾーンに8枚以上ある状態=ヒーロー能力がアクティブになっていれば作成するトークンの数が+1されるようになるため、「ルーン陣」の作成に長けています。(以下、大地を8枚追放している状況になり、《フローリアン》のヒーロー能力が有効になっていることを「《フローリアン》がアクティブになる」と表現します)



《秘術の種子》は普段は《ルーン陣》2つと《生命》による1点回復で、プレイすると3点分のカードですが、《フローリアン》がアクティブになっていれば《ルーン陣》が4つと1点回復で5点分のハイスペックカードに。《発芽》も6リソース払ってのX=3でプレイすれば「ルーン陣」を8つ作りながら4点回復などが可能になります。
《フローリアン》の基本的な戦術について
《フローリアン》が得意としているのは逆転劇です。《フローリアン》がアクティブなるまでは、《フローリアン》が押されるゲーム展開になりやすいですが、「大地」8枚追放を達成してからは次第に《フローリアン》が有利になりやすいです。
「大地」カードを能動的に追放する手段は「腐解」能力を持つカードを使用することです。



そのために、以下のようなゲーム進行をする必要があります。
①「大地」カード2枚とアクションカード1枚以上を墓地に用意する
②「腐解」カードをプレイして「大地」カードを2-3枚追放していく
③①-②を3~4回繰り返すことで「大地」カードを8枚以上追放した状況にする
①を進める最も効率の良い手段は「大地」カードを防御に使用していくことです。相手の攻撃に対して「大地」カードを複数枚防御に使用し、「腐解」のコストを貯めていくのがゲームを進めていくのは《フローリアン》の理想的な序盤の流れです。
③の状態になった後は積極的に《フローリアン》のアクティブになった能力を活かしていきましょう。青いカード1枚さえあれば腕装備《アークナイトの掌握》を2リソース払い起動して《ルーン陣》を2つ作成→残り1リソースで武器《命刈りの刃》で3点の攻撃と動くことができ、青いカード1枚が5点分のバリューを出すようになり、非常に強力です。秘術ダメージ2点と物理の3点なので、防御値4点の防御リアクションで効率良く防ぐ、といったことがしづらいのも強みですね。



他、《林冠の保護》から作成する《剛力》トークンも2つになりますし、胴装備《千年樹の樹皮鎧》から出る《大地の化身》トークンも2つになるので、攻防共に出力が上がります。




前半は「腐解」を進めていくことを目標にゲームを進め、《フローリアン》がアクティブになってからライフを逆転していくイメージでゲームを進めるのがオススメです!
《フローリアン》の実践的なテクニック
①「腐解」について
フローリアンは「腐解」を複数回行うことで、《フローリアン》のアクティブを狙っていくのが基本戦略ですが、この際、「大地」8枚の追放を、3回の「腐解」で達成するパターンと、4回の「腐解」で達成するパターンの2パターンがあります。「腐解」の効果は「大地」カード2枚と、アクションカード1枚を指定するので、アクションカード追放の際に、《王位の切り倒し》《秋の知らせ》などのアクションかつ「大地」のカードを追放することで、1回の「腐解」で3枚の大地を追放できるようになる訳ですね。

墓地に「大地」カードは十分あり、「腐解」が進んでいないような状況では大地を3枚追放するパターンが良いですし、逆に、墓地に「大地」カードが少なく、次引いた「腐解」カードのコストが足りなくなる可能性がある状況では「大地」を2枚追放するパターンが良いなど、状況に応じて使い分けていくと良いでしょう。
②《王位の切り倒し》と《すき込み》について


この2枚は「腐解」を持つカードの中でも特に強力なカードです。基本的に《フローリアン》では可能な限り採用されます。既に「大地」カードが2枚以上追放されてる状況なら、《王位の切り倒し》は青ピッチしてプレイすれば2枚で8点+1枚ハンデス=11点。《すき込み》は2枚で6点+格納庫破壊=9点のきわめて高いバリューを出します。
しかし、逆に「大地」を1枚も追放していない状況でプレイすると《王位の切り倒し》は4点+1枚ハンデス=7点、《すき込み》は2点+格納庫破壊=5点までバリューが落ちてしまいます。《王位の切り倒し》は2枚で7点なのでまだ悪くないですが、《すき込み》は2枚で5点なのであまり強くありません。避けたいところですね。
なので、なるべく1回目の「腐解」を《絡み根の外殻》で行うのが《フローリアン》の理想的な展開です。


序盤に《王位の切り倒し》を複数枚引いてしまった時には、マッチアップ次第では防御に出したり、武器《命刈りの刃》のピッチに使用するなどをしてごまかしましょう。また、《すき込み》を意識して格納庫にカードを置かないようにプレイをしてくる相手には《すき込み》はただの2コスト6点になってしまうので、無理してプレイしない判断も要求されます。これら2種のカードは「大地」の防御値3というだけでも優秀なので、時にはためらいなく防御に使用しましょう。
後は《すき込み》も《王位の切り倒し》もお互いを対象に効果が及ぶので、これらのプレイ時には自分が被害を受けないようにしたいですね。返しのターンに《すき込み》を打つつもりなら格納庫の防御リアクションを早めに使用しておいたり、予め《秘術の種子》などのプレイしやすいカードを格納庫に置いておくと困ることが少なくなります。
➂《千年樹の導き》について

《千年樹の導き》の役割は主に2つあります。
1:「大地」の防御値3のカード
2:《ルーン陣》のダメージを4点にして、秘術防壁が1しか装備していない相手に3点ダメージを通す役割
《フローリアン》が防御する側に回るアグロ相手には1の役割を果たすことが多いので、無理して《千年樹の導き》をプレイする必要はありません。《ヌゥ》や《エニグマ》などファティーグが視野に入る対戦、《フローリアン》が攻めに回る必要がある試合ではプレイして、《ルーン陣》のダメージを通るようにするのが大きな役割です。《千年樹の導き》をプレイしたターンに《アークナイトの掌握》起動→《命刈りの刃》で攻撃して4点+3点、次のターンにも《アークナイトの掌握》起動して4点~と動くことで、1枚で6点分のダメージを稼いでくれます。
④《発芽》について

《フローリアン》でよくあるのが、アクティブ後にライフの優位は取れて15vs8のようなライフ状況になったものの、相手が防御的に立ち回ると、残り数点のライフがなかなか詰め切れない…という状態や、ファティーグデッキ相手にライフを詰めることができない展開です。《王位の切り倒し》も1枚ハンデスの後、相手が手札3枚を防御に出すと1点もダメージが通りませんからね。
そんな状況で役立つのが《発芽》です。《発芽》は青の防御値3の「大地」というだけで優秀ですが、中長戦になることが予想できるマッチアップでは、なるべく青いカードと固めてピッチしておくと2週目に入った際にX=3-4など大きな値で《発芽》をプレイしやすく、リーサルが一気に出しやすくなります。ファティーグデッキ相手には《発芽》をプレイ→次のターンも《発芽》をプレイといったように動いて、《ルーン陣》を20個近く貯めてから《王位の切り倒し》などで攻撃することで一気に相手のライフを削るのが理想です。逆にアグロ相手には1ターン目など限られた状況でしかプレイしないことが多いので、気兼ねなく防御に出して墓地の「大地」を増やしていきましょう。
⑤装備品について


胴装備《千年樹の樹皮鎧》は「大地」を4枚以上していれば《大地の化身》トークンを防御時に作成します。そのターン中非攻撃アクションの防御値を上げてくれるため、上手く使えば1回の防御で4-5点分のライフを守ってくれることも多々あります。今回紹介するミッドレンジタイプのフローリアンはこの装備を活かす為に攻撃でないアクションを多めに採用しています。



《アウローラ》相手によくあるのが、《燃焼》や《稲妻峡谷の導き》をプレイされたターンの武器《スターフォール》に対して《千年樹の樹皮鎧》を防御に出し、それ以降の攻撃値4点の連打を、強化された攻撃でないアクションで防御し続けて、相手の攻撃をシャットアウトするような動きです。

《アウローラ》の強みの一つを無力化できる防御力の高さは《フローリアン》の長所の一つです。
リスト紹介1.安価構築リスト
Fabraryリンクはこちら

L装備や高価なMレアを抜いた、安価リストです。



《死骸の耕作》はコモンの「腐解」カードですが、2枚で8点を出せる優秀なコモンです。《アークナイトの増大》は《フローリアン》アクティブ後に腕装備《苛立つ文筆家》や《秘術の種子》など、1枚で3つ以上の《ルーン陣》を作成するカードと組み合わせて、0コストでプレイする目的で採用しています。0コストでプレイできない時は無理にプレイせず、防御に使用していきましょう。
リスト紹介2.ちょっと強化リスト
Fabraryリンクはこちら

腕装備《アークナイトの掌握》と、強力無比な「腐解」カード《王位の切り倒し》を買い足したリスト。


それに伴い、武器も《命刈りの刃》に変更しています。

《アークナイトの増大》も《フローリアン》アクティブ後に青ピッチして→《アークナイトの掌握》起動から浮いている1コストでプレイできるようになったので取り回しがアップしています。
リスト紹介3.競技的なリスト
Fabraryリンクはこちら

Calling:Kobeで優勝したオカニシ選手のリストになります。所謂ミッドレンジフローリアンと呼ばれるリストの一つの完成系です。(優勝者によるレポートはこちら)
詳しくはカードの採用理由などが書かれているレポートを参照されるのを強くオススメします!
また、今回のサンプルリストはミッドレンジフローリアンを紹介しましたが、武器《苦痛の王笏》を装備して、《ルーン占い》などをプレイし、《ルーン陣》を大量にため込んだ後に《血の誓約の九本剣》等で一気に放出する”亀フローリアン”と呼ばれるデッキもあります。(詳細はこちら)



ミッドレンジフローリアンとはまた違ったプレイ感になり、有利不利の相性も変わってくるので、こちらを組んでみるのもおススメです。
おまけ-主観による高額カードの購入優先順位-

強力な「大地」攻撃アクション2種《王位の切り倒し》と《すき込み》は何よりも優先してデッキに入れたいカードになります。汎用のカードは「ヒット妨害に乏しい」という弱点を補ってくれる《征服の命令》、続行のカードが少なく《エニグマ》等が辛いという弱点を補ってくれる《啓示の一撃》がそれぞれ次点に買っていきたいところ。《最も脆い所》や《嵐からの避難》はサイドカード、メタ次第のカードになるので後回しで大丈夫です。
装備品は《フローリアン》アクティブ後に非常に強力な《アークナイトの掌握》が最優先です。《千年樹の樹皮鎧》と《煉獄の相貌》も《フローリアン》の防御力を大幅に上げてくれるので優先度は高めです。《双対の外殻》は秘術防壁2が採用理由であり、魔術師クラス相手にのみ装備するサイドカードなので優先度は落として大丈夫です。
まとめ
・《フローリアン》は高い防御力を持ちバリュー勝負に強いミッドレンジヒーロー
・「大地」を墓地に貯めて「腐解」していこう!「大地」を8枚追放すれば《フローリアン》の時間!攻防共に出力アップ。
・防御の仕方に腕が出るヒーロー!手札を余らせてしまったり、致命的な攻撃を通さないよう気を付けよう。
以上です!お読み頂きありがとうございます。
Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。CallingKobeTop4。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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