今回はFaBの戦闘で発生する”チェインリンク”と”戦闘チェイン”について徹底解説します。
元々混同しやすかったり、ややこしい要素がありましたが、「混転の餌食/The Hunted」のリリースで”竜系のチェインリンク”や《機運の仮面》の参照機会が増加したり、《屈性回避》などが登場したことで「この時ってどうなるの?」「このルールってどうなるの?」といった疑問をよく見かけるようになりました。
今回は、”チェインリンク”、“戦闘チェイン“関連で勘違いしやすい点をいくつかピックアップし、「こうすることで得する」「ここを気を付けないと損する」といったプレイヤー目線での小テク・知識について触れていきます。
チェインリンクと戦闘チェインの概要
まず、ざっくりとした認識として、”チェインリンク”が1回の攻防で形成される一つの塊、それが複数あるのが”戦闘チェイン”という認識で大丈夫です。“チェインリンク”が「個室」で、戦闘チェインが「個室」が連なってできる「建物」のイメージです。
例えば《飽くなき無秩序》→《飽くなき無秩序》→《スナッチ》と攻撃したターンを見てみましょう。
最初の《飽くなき無秩序》で攻撃した際に、”チェインリンク”及び”戦闘チェイン”が作成されます。《飽くなき無秩序》は続行を持つので、”戦闘チェイン”を続け、2発目の《飽くなき無秩序》をプレイし、”戦闘チェイン”が続き、最終的には3つの”チェインリンク”による”戦闘チェイン”が開かれています。
「チェインリンク」を参照するカードを実例に挙げて見てみましょう。
《電磁回転》の「アクティブな”チェインリンク”」というテキストは、「攻撃・防御が発生している”チェインリンク”」=「処理中の”チェインリンク”」=「処理中の攻撃」と理解して貰っても大丈夫です。逆に、処理が終わっている”チェインリンク”の攻撃アクションを対象に取ることはできません。
《黒曜の炎脈》は「この”チェインリンク”」での攻撃中に「竜系・カード」をプレイしなければ効果が発揮されません。《黒曜の炎脈》で攻撃する前に「竜系攻撃アクション」をプレイしていても効果は有効になりません。
続いて、「戦闘チェイン」を参照するカードをいくつか見てみましょう。
《炎の教義:口火》は「この戦闘チェインのあなたの次の竜系の攻撃」に+1点をするので、《炎の教義:口火》をプレイした後、”戦闘チェイン”を閉じてしまうと強化効果が不発になってしまいます。
《石壁の籠手》の-1効果は”戦闘チェイン”を対象とするため、相手が”戦闘チェイン”を閉じて、その後再び攻撃をし始めると、その攻撃には-1効果は乗りません。
大まかな概要は理解できたでしょうか?
では続いて、”戦闘チェイン”を閉じることに関するルールの確認と、小テクを紹介します。
“戦闘チェイン”を閉じることについて
攻撃をすることで”コンバットチェイン”が作られ、それに伴い、”戦闘チェイン”も開かれます。ゲームの進行で開かれたものは、閉じられることもあります。”戦闘チェイン”が閉じられると、以下の現象が起きます。
①攻撃と防御に使用しているカードを”戦闘チェイン”から取り除く
(装備品でないカードは墓地へ送られ、装備品や武器は闘技場へ戻る)
②”戦闘チェイン”で使用された「”戦闘チェイン”が閉じた時」の効果を持つカードの効果処理を行う
(《報復のクナイ》や「焼き戻し」、「刃壊」能力を持つ装備品など)
つまり、”戦闘チェイン”が閉じられることにより攻防に使用したカードが墓地に送られたり、参照する”チェインリンク”がなくなったり、次の”チェインリンク”に作用する効果が消えたりします。
“戦闘チェイン”は基本的に以下3つのパターンで閉じられます。
①アクションフェイズの終了を宣言する(=エンドフェイズへの移行の宣言)
②続行の解決後、優先権があるタイミングで”戦闘チェイン”を閉じる宣言をする
③戦闘チェインが開かれている状況で、アクションを起動/プレイしようとする
①、②はプレイヤーの宣言により”戦闘チェイン”が閉じられるので、「意図せず戦闘チェインが閉じられてしまう」というプレイミスは起きませんが、③はカードのプレイや起動する順番に注意が必要になります。ルール上、”戦闘チェイン”が開かれていると、非攻撃アクションのプレイ/起動ができないため、一度”戦闘チェイン”を閉じる必要があります。
プレイ中の実例で言うと、例えば《ファング》をプレイ中に以下のような手札の時。
竜系の一部カードは”戦闘チェイン”中の「竜系」”チェインリンク”の数を参照します。例えば、《焼けつく刃》は基本は2点の強化を行うカードですが、竜系の”チェインリンク”が2つ以上なら3点の強化になる為、1点得します。
なので、上記の手札4枚を使い切って攻撃する場合の理想のプレイは以下です。
①《深傷》をプレイして次の短剣の攻撃を+4点
②《黒曜の炎脈》で攻撃
②リアクションステップに《焼けつく刃》をプレイして《黒曜の炎脈》を℗2点+4点+2点=8点続行に
③《黒曜の炎脈》で攻撃
④リアクションステップに《焼け付く刃》をプレイして℗5点続行に
ここで、《深傷》を最初にプレイせず、1回目の《黒曜の炎脈》での攻撃後に《深傷》をプレイしようとすると、”戦闘チェイン”を閉じる必要があります。”戦闘チェイン”を閉じると「竜系」の”チェインリンク”の数が1つになってしまうので、《焼けつく刃》の強化が2点になってしまうので、1点損する、という訳ですね。
逆に、墓地のカードを参照したり、相手の防御に使用したカードを墓地に送りたい場合は意図的に「”戦闘チェイン”を閉じる」宣言をすることが活きることがあります。
上記のターンの例で、1回目の《黒曜の炎脈》での攻撃に、《跳蛙の鳴き袋》と《跳蛙の粘着被膜》が防御に出されていたとしましょう。この状況で、”戦闘チェイン”を閉じずに2回目の《黒曜の炎脈》で攻撃し、攻撃リアクション《焼けつく刃》をプレイしてしまうと、《跳蛙の鳴き袋》と《跳蛙の粘着被膜》の能力が誘発し、再び防御カードとして加わってきてしまいます。
なので、1回目の攻撃が終わった後、”戦闘チェイン”を閉じ、《跳蛙の鳴き袋》と《跳蛙の粘着被膜》を「刃壊」により墓地に送ってから再度攻撃した方がお得です。
他、意図的に”戦闘チェイン”を閉じることで得する事例は過去の記事でも紹介しております(リンクはこちら)
竜系チェインリンクについて
竜系”チェインリンク”の概念が何度か出ていますが、整理しておきます。竜系のカードにはいくつか竜系”チェインリンク”の数を参照するカードがあります。
「”戦闘チェイン”で、竜系を持つ攻撃が作る”チェインリンク”」が竜系”チェインリンク”です。《浪人の反逆》で2回攻撃している状況では、竜系”チェインリンク”は2個コントロールしている状況です。
この状況で、《シンドラ》の能力を起動したり、《燃え滾る報復》をプレイするためには1コストかかります。
《浪人の反逆》で攻撃した後に《忠誠の顕示》をプレイした場合、攻撃成立時に2つの竜系”チェインリンク”をコントロールしていることになるので、続行と《忠義》トークンを作成する能力は有効になります。
《報復のクナイ》で攻撃した後、その《報復のクナイ》を《短刀の妙技》で破壊したり、《忠義》トークンにより竜系になった《不滅の献身》がヒット時の効果で追放された場合も、カードは墓地に行ったり追放に行ったりしますが、”チェインリンク”自体は残るので「竜系”チェインリンク”」のカウントは減りません。
《機運の仮面》と《短刀の妙技》の相互作用について
《機運の仮面》と《短刀の妙技》はシナジーがあります。
まず基本として、《機運の仮面》はややこしいテキストですが、要は「攻撃アクションがヒットした時」「それが3連続以上ヒットしている”チェインリンク”なら」「1ドローする(各ターン1回まで)」という装備です。
3回目の攻撃が防がれた後、4回目の攻撃がヒットしてもドローできません。主に2回目や3回目の攻撃を防ぐのが有効な防御方法でした。
ですが、ここに《短刀の妙技》のような「短剣をヒット扱いでダメージを与える効果」が絡むと話が変わります。結論から言うと「攻撃を防御されても《短刀の妙技》によってヒットしている”チェインリンク”という扱いにできるので、《機運の仮面》の誘発条件をキープできる」というシナジーです。
具体的な例を挙げて解説していきます。
シンドラで《報復のクナイ》で攻撃しヒット→《報復のクナイ》で攻撃しヒットという状況で《浪人の反逆》で攻撃した状況。
既にヒットしている”チェインリンク”が2つあるので、《浪人の反逆》がヒットすれば《機運の仮面》による1ドローが誘発します。相手は《浪人の反逆》を3点で防御しました。
その後、リアクションステップに《短刀の妙技》を起動し、《短刀の妙技》が解決され、《報復のクナイ》を破壊して相手に1ダメージを与えます。
そうすると、《浪人の反逆》はヒットしていないため《機運の仮面》の攻撃アクションヒット時の1ドローは誘発しませんが、《浪人の反逆》の”チェインリンク”内で「ヒット」は発生している扱いになります。《短刀の妙技》の効果で「短剣をヒットした扱いとする」処理になっているからですね。その後《火速》で攻撃し、《火速》がヒットした場合《機運の仮面》による1ドローが誘発します。
もし《火速》が防御された場合、その次に《浪人の反逆》で攻撃してヒットしても、その場合は「連続してヒットした3回目以上の”チェインリンク”」になっていないので1ドローしません。
ただ、4つ目の”チェインリンク”が《火速》ではなく《血脈の深化》で、短剣がヒットした扱いになっていた場合、《血脈の深化》を防いでも、そのあとの《浪人の反逆》にもヒット時1ドローが付きます。
《屈性回避》について
《屈性回避》はアクティブな”チェインリンク”に防御カードとして加わる効果です。なので、一度能力を起動した後、”戦闘チェイン”を閉じられても、そのターン中であれば再度能力を起動して、2点の防御カードとして使用できます。逆に”戦闘チェイン”が続いていても、前の”チェインリンク”から今アクティブな”チェインリンク”に移動可能です。
その際に解決済みの”チェインリンク”から防御値2が減ったことでダメージを受けたりといったことは発生しません。また、《征服の命令》の効果で制限されるのは「プレイ」のみなので、《屈性回避》は問題なく起動できます。
以上です!お読みいただきありがとうございました。
Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。
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