Flesh and Bloodにおける再現性による影響について考える

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前書き

皆さんこんにちは、おかゆです。
ロゼッタ環境での大会もほぼ終わり、あとは新セットの「混転の餌食」を待つのみになりましたね。
新ヒーローは中々癖の強そうなヒーロー達ですが、シンドラは素直なアグロになりそうな感じもしていて楽しみです。

ところで皆さんはFaBの情報に触れていて、こう思ったことはありませんか?

「また〇〇が優勝してるじゃん。この人ずっと強すぎない?

カードゲームはある程度運の絡むゲームであるという認識はありながらも、
Flesh and Bloodでは強者が一定以上の好成績を毎回収めているといった印象があります。
強いプレイヤーはどうして毎回好成績を残せるのでしょうか。
今回はFlesh and Bloodにおける再現性について考えることで、私も好成績を再現したい。

そして彼らに少しでも近づくべく、考えることで知識を蓄えていこうというのが裏テーマでもあります。

再現性とは

カードゲームにおける再現性とはどういうものでしょうか。

私が想像する一般的なカードゲームにおける再現性というのは、
「A」というカードが強いためプレイしたい。
デッキには「A」が何枚入っていて初手に来る確率はこうで、
これをサーチするカードがさらに4枚あるから…と続いていき、
最終的にこのターンまでにこのカードをプレイできる確率は90%近い数値があるため再現性が高い。

このように「デッキの行動を相手の強い行動より先に仕掛ける」ための条件として定められることが多いと思います。
似たような役割のカードが一定以上デッキにあれば毎試合安定した戦術をとることができるでしょう。

もちろんFlesh and Bloodにも同様の思想はあります。
しかもFaBはレア以下のカードは赤黄青と同じ能力で収録されることが多く、
”似たような役割のカード”どころかほぼ同じカードを3種類もデッキに投入することができます。

例えばLexiにおける《電撃の射撃 / Boltn Shot》
Iyslanderの《Aether Icevein》は記憶に新しい、強力な3色使われていたカードでしょう。

青でも強い

デッキが空いてるなら入れちまおう!

基本的に違うのは火力面だけで、同じ役割を担ってくれるためかなり強力です。
しかも3種類投入されるパターンのカードは、
赤はとても強い、黄色でまぁまぁ、青で少し他に劣るかな、くらいのパワーを持っていたため
全色入るカードを持つヒーローは強い印象があります。

それではFaBにおいて似たような役割の強力なカードを多く持たないデッキは
再現性が低く、弱いのでしょうか。
答えはNOです。

FaB特有の再現性

FaBの歴史においてバニラカード(能力がないカード)が一時期禁止指定されていたことがあります。

ただの3コストの攻撃アクションカード
2022年4月~6月まで禁止

察しの良い方ならわかったかもしれません。
とあるヒーローの仕業です。

時代の申し子

それは《ショーの花形、ブラーボ / Bravo, Star of the Show》(以下スターボ)です。
一時代を築き、リビングレジェンドポイントは脅威の1500ポイントオーバー。
いまでこそ毎週リビングレジェンドチェックが入るようになり、
このようなポイントになることはあり得ませんが、
その強さはシステムさえ変えたといっても過言ではありません。
登場からその圧倒的な能力を軸にデッキが作られていきました。

今回はそんな歴代最強ヒーローと名高いスターボを題材として
Flesh and Blood特有の再現性について考えたいと思います。

スターボの全盛期のデッキはこのような形です。

Michael Hamilton Bravo Star of the Show Deck Calling Indianapolis 19.03.22

《ショーの花形、ブラーボ》(以下スターボ)は手札に3属性のカードを揃えるだけで
破格の能力を次の3コスト以上の攻撃アクションカードに付与できます。

《圧倒》《続行》《+2》

ただし、手札に揃う確率は2属性のカードを持ってしても約35%
(氷15枚、大地17枚、雷14枚、2属性のカードが各1枚ずつ、デッキは60枚時点での確率)
3ターンに1回揃えばいいというような確率です。
お世辞にも再現性が高いとは言えませんが、なぜここまでスターボが大暴れしたのでしょうか。

防御による再現性

FaBのカードには3つの使い道があります。攻撃防御ピッチです。
一般的なカードゲームと違い、プレイできない状態でも防御により価値を見出すことができます。

カードは基本的にはデザインのルールに沿って作成されているため、
攻撃時には4点分、防御時には3点分の働きをするようになっています。
能力を持つカードはその分防御値を減らされていることもあります。

詳しくはGo Again Mediaの記事にもありますので、気になる方はコチラもご覧ください。

スターボは手札に3属性が揃ったときに強いので、
手札が揃っていないターンは防御、揃っているターンは攻撃とメリハリをつけて行動することで
防御ターンで少しだけ損をしつつも攻撃ターンではそれを取り返すことができました。

ここで冒頭に出たバニラカードが関係してきます。
このカードはスターボの能力達成後の対象であるコスト3以上の攻撃アクションカードであり、
能力条件を満たすための”大地”のカードであり、
さらに揃っていないときに防御しやすい防御値3のカードです。

スターボは基本的に能力条件を満たせないと手札を使いきることが難しかったため、
防御によりどれだけライフの損失を最小限にし、ゲームを長引かせて能力を発動させるかが重要でした。

そのため全ての面で使い勝手の良かった《秋の知らせ / Autumn’s Touch》は攻めて良し、守って良しの万能カードだったのです。
ひとしきり暴れた後に無事禁止になってしまいます。

Flesh and Bloodでは一般的なカードゲームと違い、盤面を構築するようなヒーローは稀です。

各ターンが終われば闘技場には何も残っておらず、
また次のターンに格納庫と手札を合わせた最大5枚のカードで攻撃されることになります。
そのため攻撃せずに毎ターン防御に徹したところで差が大きく開いていくわけではないため
防御による価値が比較的高いです。

毎ターン、カード4枚×3点防御を繰り返すことができれば、そう簡単に負けることはありません。
しかしこれがカード4枚が全て防御2だった場合は
単純にさらに4点ずつライフが減っていくことになるので
10ターン後には確実にやられてしまいます。

攻撃性が高いデッキは防御することをほとんど考えないため問題ないのですが、
そこまで攻撃性の高くないデッキを組む際は防御値による価値の高さも重要な項目になります。

装備品による再現性

スターボにおいて戦術の核を支えたのはメインデッキのカードだけではありません。
強力な装備品による安定した行動を得ていたのも強さの一因です。
装備品はゲーム開始時から盤面に存在するため再現性を担保するのに最適な手段です。

《種子の王冠 / Crown of Seeds》は格納庫のカードを入れ替えれるだけでなく、
さらに1点のダメージも軽減してくれるオマケ付き。
一般的に格納庫には重要なカード以外置かないのがセオリーですが、
混融」コストのため手札に余った強くないカードも安心して格納庫に置くことができます。
しかもカードを入れ替えれるため、スターボの足りない属性のカードを引くチャンスにもなりました。

前項でおよそ35%程度だった確率も上昇し、
《フィエンダルの春のチュニック》からリソースを捻出し手札消費なしで格納庫を入れ替えて
手札が5枚になったときはスターボ成立確率は約53%程度あるようです。

あとは防御的なデッキにありがちなのが、デッキ切れ(ファティーグ)による敗北です。
デッキ切れを起こさないためにはどれだけカードを消費せずに攻撃や防御を行えるかが重要で、
《種子の王冠》はカード1枚をピッチすれば防御1点に変換してくれるので少し損です。
しかし《羊頭の堅盾》を同時に装備することで余ったピッチを更に防御に変換でき、
カードを消費せず防御することが可能だったため、デッキ切れにも強いデッキでした。

さらに武器も強力。
《冬の哀哭》による最低限の攻撃が脅威でした。

アグロデッキにとって《凍傷》トークンによる1リソースのロスはかなりの痛手。
スターボ側は最低限の攻撃ですが、アグロデッキの勢いを削ぐには十分な攻撃でした。

FaBにおける装備品がもたらす各ターンの安定的な行動はヒーローの強さを押し上げる要素です。
最低限の行動が保証されることで、手札の質に関わらず行動することが可能です。
再現性という点であれば装備品は確実な戦略をもたらす要素であるといえるでしょう。

ピッチによる再現性

ピッチしたカードは効果によりデッキをシャッフルしない限りは
いつかそのままの順番でデッキから引くことになります。
これを利用して再現性を担保する技術をFaBではピッチスタッキングと呼んでいます。

主に《ケイノ》で使われることが多い技術ですが、スターボにもピッチスタッキングがありました。
守護者を相手にするときやミラーマッチでは度々相手が防御に徹することがあります。

そんな時にピッチを「3コスト以上の攻撃アクションカード」「大地カード」「氷カード」「稲妻カード」となるようこれを繰り返せば、
あとはこのカード群を同時に引けるようにすれば毎ターンスターボの能力条件を満たせます。

強い手札になるようにコントロール

上手くコントロールできれば毎ターン強力な攻撃を仕掛けることができます。
毎ターン圧倒付きの攻撃をするため、いかに防御的なデッキといえど耐えることはできないでしょう。

ピッチスタッキングは強さに差はありますが、中速以下のデッキには求められる要素になります。
本人の記憶力と協力な手札を形成するためにピッチを工夫する技量が問われます。

システムに愛されたヒーロー「スターボ」

題材としてスターボを扱いましたが、
構成している全てがFaBのシステムとマッチした再現性を持っていることがわかります。

強いヒーローでは運による上振れも重要ですが、
再現性をどうすれば高められるかは攻防をコントロールするプレイヤーの腕による影響が大きそうです。
強者が安定して勝っているのには、
ヒーローの理解度が高く、攻撃と防御のバランスを間違えていないのでしょう。
普通のプレイヤーにはない1ターンや攻撃のタイミングは間違いなく存在しています。

今回はわかりやすく3点のFaB特有の再現性について考えてみましたが、
相手ヒーローに合わせた戦略面での再現性要素も存在していますので、まだ奥は深そうです。

FaBについて深く知ることで経験の差を埋めるべく頑張りましょう!

そして今回題材にしたスターボはCCでこそプレイできないものの、
LLフォーマットで遊ぶことができるので気になった方は遊んでみてください。

ちょうどマスタリーアーカイブパック:守護者が発売し、
日本語版でもかなり組みやすいはずなのでオススメです。

最後に

今回は再現性がもたらしている影響について考えてみました。
「スターボ」が題材だったためミッドレンジのヒーロー視点でしたが、
アグロヒーローが得意な人はまた別の視点を持っていそうです。

とにかく考えることでFaBの理解度が少しでも上がればいいと思っています。
この記事が何か皆さんのFaBライフの一助になれば幸いです。

ではまた次回の記事でお会いしましょう。
ここまでご拝読いただき、ありがとうございました。


おかゆさま @okayusama
お気に入りヒーロー:《Kano》,《Azalea》,《Lexi》
お気に入りカード:《Blazing Aether》
ホームショップ:TCG Shop Go Again
日本選手権2年連続トップ8。調整チーム「OkayuPirates」船長

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