《Command and Conquer》の強み・弱みについて

0

《Command and Conquer》(以下CnC)はFaBの競技シーンで頻繁にプレイされる、FaBを代表するカードの一枚です。

このチェインリンクに対して防御リアクションを使用できない。これがヒットした時、ヒットした相手の格納庫のカードをすべて破壊する。

ですが、そんなCnCでも「強いCnCの使い方」と「弱いCnCの使い方」があります。
何故そのような強弱が発生するのか、そして何故高い採用率なのか、今回はCnCについて徹底的に考える記事です。

《Command and Conquer》の強いところ

強み①アーセナルを破壊する効果により防御を強要できる
特にアーセナルにカードを置いてセットアップを狙い、かつ装備・カードの防御値も低い《Fai》、《Katsu》、《Zen》、《Azalea》などに有効な使い方です。
これらのヒーローは1ターンに使用できるカードが多いほど、トータルダメージが大きく強力な攻撃を繰り出すことができます。
例として《Azalea》がこういった手札とアーセナルの時


ターンが回ってくると《Lace with Bloodrot》などのArrowの攻撃を強化するアクションを手札から4枚プレイして、《Endless Arrow》で攻撃して、16点にHit時能力に様々なデメリットトークンを相手に与える凄い動きができる!という状況ですが、相手にCnCをプレイされると、手札3枚を防御に使いArrowを守らざるを得なくなり大幅に損する形になります。

上記のような例は少し極端ですが、《Katsu》や《Fai》でも「このままターンが帰ってきたらアーセナルと手札の組み合わせで凄いターンが作れる!」という状況で、CnCをプレイされて苦悩する…ということはよく起こります。

強み②防御リアクションを封殺する
CnCの防御リアクションを使用できなくする効果は非常に強力です。
特に防御リアクションを複数枚採用するようなAssassin、Guardian、Control Dash、Riptideといった防御的なデッキには致命的な状況を作ることができることもあります。

また、相手を「アーセナルに防御リアクションを置いてdominate対策したい」と思ってるような状況を作りやすいヒーローであるBravoなどでは特に「アーセナルに防御リアクションを置いている時にCnCをプレイされて、本来防御に使いたくなかった手札2枚を防御に使わざるを得ない」という状況を作れます。

強み③攻撃リアクションと非常に相性が良い
攻撃リアクションは相手の防御を見てから後出しじゃんけんする強力なカードタイプですが、同じく後出しじゃんけんである防御リアクションに弱いという弱点を持っています。

CnCは防御リアクションを封殺する能力により、「攻撃リアクションをプレイしたが、それを見てから相手が防御リアクションをプレイして結局攻撃が通らない」という状況が発生しません。なので、攻撃リアクションと相性が良いんですね。特に《Pummel》とは非常に相性が良く、「CnCPummel」というスラングがあるほど。

青ピッチ→CnCプレイして浮きリソース1→相手が2枚6点で防御→《Fyendal’s Spring Tunic》の効果を起動して1リソース生産→《Pummel》プレイして+4点!はCnCを使った最も理想的な動き。決まればCnCの効果で相手のアーセナルを破壊しながら、《Pummel》の効果で手札1枚を奪うことができます。防御リアクションではない防御手段である《Oasis Reptide》等の軽減インスタントなどを使えば対処されますが、相手が綺麗に対応できる状況は稀です。

強み④パワーを上げることでより強力になる
CnCは①で説明したように、アーセナルのカードを破壊する効果により相手に防御を強要することが可能です。その攻撃が《Goliath Gauntlet》、《Art of War》、Mightトークン等により強化されることで、相手は防御に必要な手札や装備がより多くなり、数値以上に強力な攻撃になります。

6点のCnCは手札2枚で防いでアーセナルのカードを守れますが、7点になると手札2枚に加えて装備品を出すか、手札をもう1枚出さなければHitしてしまいますからね。
Mightトークンの生成に長けた《Kayo》は特に7点や12点といった強力なCnCを繰り出すことが可能です。

強み⑤ポッパーである
パワー6以上の攻撃アクションであるため、幻術師の”Phantasm”を持つ攻撃アクションの対策になります。
“Phantasm”は「パワー6以上の幻術師クラスでない攻撃アクションに防御されたときに、破壊される(=攻撃が成立しなくなる)」というデメリット能力です。

CnCが競技イベントのサイドカードとして採用される大きな理由の1つになっています。

強み⑥Fatigue戦術で強いカードである
相手のアーセナルにカードがある状況かつ、装備品で6点防御できない状況でCnCをプレイした場合、ほぼ相手の総カードの枚数が減ります。大体の場合、相手が手札2枚を防御に使ってくれるので、自分はプレイしたCnCが1枚墓地に行き、相手は防御に使った2枚が墓地に行くことになるので総カード枚数で1枚差をつけることができます。そのため、デッキの総枚数で差をつけるFatigue戦術のデッキでは高い採用率を誇ります。

強み⑦防御値が3である
上記、①~⑥の強みを持ちながら、防御値が3あるというのは破格の性能です。多くの汎用のプレイして強いカードは防御値が2に設定されていることが多いです。FaBというゲームをやるほど、この防御値3の強さを感じる機会が増えていきます。

《Command and Conquer》の弱いところ

弱み①相手がアーセナルにカードを置いていない状況でプレイするとヒット時能力がない
相手がアーセナルにカードを置いていないときや、《Sigil of Solace》などのインスタントを置いていた場合回避されて、ただの2コスト6点の能力の無いカードになる状況があります。CnCのHit時に相手のアーセナルを破壊する効果はあくまで相手依存の能力なんですね。

弱み②相手が手札2枚で防御する前提のデッキの場合あまり有効ではない
対Kassaiや対Uzuriといった相手にはCnCをプレイしてもあまり強くないことが多いです。理由はそれらのヒーローは手札は手札2枚で防御し、2枚で攻撃し返すことを基本としている「ミッドレンジ」なヒーローだからです。例として、Uzuri相手にCnCを使った例を見てみましょう。

こちらがCnCをプレイしましたが、Uzuriのデッキには防御値3のカードが多く採用されているため、難なく2枚で防がれます。そして返しのターンにも《Isolate》からUzuriの能力を起動して《Shake Down》で相手に6点と手札破壊効果を押し付けるといった十分なプレッシャーを与えることができます。

手札4枚で強いが、手札が減ると弱いアグロヒーローと異なり、ミッドレンジヒーローは2枚のカードで十分強力な動きができるよう構築されているので、CnCの「強み①アーセナルを破壊する効果により防御を強要できる」が発揮できないというワケですね。

弱み③相手が装備品だけで6点防御できる場合、手札を防御に使わせることができない
強い状況として「相手に手札からの防御を強要できる点」と書きましたが、装備が硬い相手にはその目的でのプレイが成立しません。
GuardianやWarrior、Brute辺りは装備品が硬く、有効でない状況が多いですね。

一度装備品を使わせた後はこの弱点はなくなるので、”dominate”や”overpower”などの防御制限能力により相手に装備でのブロックを強要しやすいヒーローや、Hit時能力を持つカードが多くて相手の装備品を消耗させることにメリットが多いヒーロー、相手の装備品が消耗した後半ではこのデメリットはあまり目立ちません。

弱み④汎用カードであるため、クラス参照カードと相性が悪い
《Bloodrush Bellow》、《Ancestral Empowerment》、《擦れ音》などクラスや特定のタイプを参照して強化するカードは多数あります。CnCなどの汎用カードはどんなデッキにも入れることができる利点がありますが、反面、これらのカードと相性が悪いです。

弱み⑤青ピッチしてプレイしてエンドする場合、打点効率が悪い
手札2枚から繰り出す打点という観点のみで考えると、青ピッチして6点のCnCよりも3コスト7点の《最前線の稜堡》、《蒼白》、《Fyendal’s Fighting Spirit》などの方が強いことになります。

弱み①相手がアーセナルにカードを置いていない状況でプレイするとヒット時能力がない」や「強み②相手が手札2枚で防御する前提のデッキの場合あまり有効ではない」といった状況の場合、特にこの打点効率の悪さは顕著になります。Ninjaなどの続行を得意とするクラスでは、1コスト続行を持つ攻撃の後にCnCをプレイしやすく、この弱点はあまり目立ちません。

まとめ

CnCについて語りつくしてみました。採用するメリットが多くあるカードですが、「単純な打点効率は悪くなることが多い」「相手がアーセナルにカードを置いていなければHit時効果がない」などデメリットも十分にあるカードです。必須カードではなく、環境や、自分の使うヒーローの特性を見て採用すべきなのかどうか検討するカードの1種だよな~と思い続けていたのですが、改めてその強み弱みを整理してみました。FaB初心者の方でCnCを見て「高くて皆使ってるし買わないといけないのかな」と悩んでいる方も、必ずしも高いカード=強いカードというわけではないことが伝われば幸いです!

以上です。お読み頂きありがとうございます。


Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

みんなのコメント

コメントはまだありません

コメントを残す

このサイトは reCAPTCHA と Google によって保護されていますプライバシーポリシー利用規約 申し込み。

The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.

「コメントを送信」ボタンを押すとガイドラインに完全に同意したものと見做されます。
規約に違反する書き込みは削除・編集が行われる可能性がございますので何卒ご了承ください。