dokuiroのCalling Tokyo参加&Top8入賞レポート

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まず、Callingって何?

Callingは参加費を払えば参加できるオープン大会であり、参加者数百名規模の大型大会です。Callingは上位入賞すると賞金、PTI(世界選手権やプロツアーなどの招待制大会への参加権利)、LegendaryGoldFoilと豪華な商品が手に入る為、世界選手権やPTの上位常連の強豪海外選手も、海外から遠征して参加しに来ます。Magic: the Gatheringでいう所のGP(グランプリ)にかなり近いです。

今回はWarld Premiam(超大型&世界最速のプレリリースイベントみたいな感じです)やサイドイベントをカジュアルなプレイヤーも楽しむことができ、競技的なプレイヤーはCallingへ参加するという非常に門戸の広いお祭りイベントでした。

滅茶苦茶楽しかったです!2023年に国内の店舗がFaBを取り扱いだしてから、これまでBattle Hardendや、Nationals等が開催されてきましたが、Callingは明確に一つ規模とレベルが上がる競技イベントです。国内の競技プレイヤー達が一堂に集うのは勿論、世界トップレベルのプレイヤー達と鎬を削れる(かもしれない)Callingを、競技勢としてFaBを楽しんでいる自分は非常に楽しみにしていました。今回はそんな自分(dokuiro@fab_dokuiro)がCallingに参加し、Top8という好成績を納めることができたレポートになります。

事前の練習と環境予想

まずシールド環境について、Blitz構築済みのリスト及び対戦動画が発表された辺りから、構築済みでの対戦やMST限定コモナーでの練習を開始しました。どのヒーローやカードが強そうかを把握するためですね。

発売前のリミテッド環境の練習ということで、コモンやレアが公開されてTalisharに実装され次第、新たにリストを更新しながら練習していく、慌ただしい練習となりましたが、新鮮で面白かったです。何より新しいヒーローやカードを使うのは楽しいですね。

そして、関東の強豪らいだー選手や、所属する関西の調整チーム”Okayu Pireats”のチームメイトとの練習・相談を経て、ヒーローの強弱は以下のような環境だと予想しました。

①強いプールの《ゼン》
②強いプールの《エニグマ》
③強いプールの《ヌゥ》
④普通のプールの《ゼン》
⑤普通のプールの《ヌゥ》
⑥普通のプールの《エニグマ》

MST環境は以下のような三竦みになりやすいです。

《ゼン》は《エニグマ》に有利。手数を出せて《エニグマ》の結界オーラを破壊しやすく押し切りやすい
《エニグマ》は《ヌゥ》に有利。ヌゥは手数が少なくなりやすい結界オーラを壊しづらい。かつ、Hit時能力も結界により怖くない
《ヌゥ》は《ゼン》に有利。防御値が高く、《ゼン》にファティーグを狙いやすく、また《ゼン》の青いgo againカードをヒーロー能力で連打できればそのまま勝利が狙える

ですが、強いプールの《ゼン》は《ヌゥ》にファティーグされずに押し切れるデッキになり、かつ《エニグマ》には元々有利であるため、全てを破壊するパワーを持っていることが練習を通して判明。
そして《ヌゥ》はシールド環境においては「ヒーロー能力による相手の青いカードの利用」が不発に終わりやすい点もネックだと感じました。理由は《ヌゥ》とマッチした対戦相手はデッキの青いカードを「《ヌゥ》に追放されて利用されても弱いカード」に入れ替えて挑んでくる可能性が高いからです。

ただ、《ヌゥ》のカードの平均値は高いので、《ヌゥ》になるプレイヤーは一定数いそう&普通の《ゼン》相手にはファティーグをしきれるかもという微妙なライン。上記を通して、個人的に構築したい優先度は《ゼン》>《エニグマ》>《ヌゥ》といった形でした。

公式のデータによると初日は《ゼン》が220人おり、かつ二日目進出数は《ゼン》の使用者が36名で最大ということで、「シールドの正解は《ゼン》」という認識は合っていたと思います。

Calling 1日目 シールド

そして、1日目実際に組んだシールドデッキはこちら。

《エニグマ》を選択しました。
《ゼン》のカードは強力なレアである《解き放たれた氣》赤黄青と3枚出ており、装備もそろっていましたが、基盤となる赤いカードの枚数が絶対的に不足していました。《ヌゥ》も同様にカードがかなり少なく、検討する余地もないな…といった様相。

反面、《エニグマ》は殆どのレアよりも強力なコモン《満ちる悪霊》の赤が2枚、黄が1枚、同じく強力な《亡霊の顕現》も赤1枚、強力なマジェスティックである《ミラガイの顕現》まであります。

強力なコモン腕装備《継がれる伝統》もあり、《エニグマ》と相性が良い超越カードである《大海の一滴》も2枚あると、《エニグマ》の理想的なプール。

あとは俺が致命的なミスをしたり、引き分けを発生させず、かつ「最強の《ゼン》」を複数回踏まなければ2日目には行けそう…と予想できました。

実際の結果は以下。
《ゼン》 先手 〇
《ゼン》 先手 〇
《ゼン》 先手 〇
《ゼン》 先手 ×
《ヌゥ》 先手 〇
《ヌゥ》 後手 〇
《エニグマ》 後手 〇
《エニグマ》 後手 〇

7-1の10位で2日目に行くことに成功!
望外の結果です。センキュー《エニグマ》。負けは八十岡翔太選手の《ゼン》のみ。
1コストで7点相当になる強力なM《尻尾追い》をプレイされ、ちゃんと頭防具《しおれた髭の仮面》で回収されて再度プレイされて負けました。強かった…。

Mtgをプレイしていた時に憧れていた選手の一人なので、試合できて光栄でした。Calling Tokyoの良い思い出のひとつです。

シールドの勝ち試合を振り返る

《ゼン》相手には《傷つける殴打》《風の使者》《最前線の稜堡》等の赤汎用攻撃アクションを絡めて積極的に《ゼン》のライフを削るプランのゲームができ、3連勝できたのは幸いでした。

《エニグマ》は「手札3-4枚で防御して武器になる結界オーラを維持して、返しにオーラで攻撃し続けるだけで有利になる」という強力な試合パターンを持っています。が、対戦相手もそれは分かっているので、結界オーラの攻撃は一切防御せずにフルテイクして、返しに手札全てを使って結界オーラを破壊できるように攻撃してきます。特にアグロデッキである《ゼン》はそういったプレイが顕著です。

なので、序中盤は無理に結界オーラを維持しようとせず、使い切りの打点として運用しつつ、《満ちる悪霊》で攻撃→残ったAPで汎用の攻撃アクションをプレイして《ゼン》のライフをしっかり削ることを意識します。

例:青ピッチ《満ちる悪霊》プレイして残りの1リソースで4点続行攻撃、続いて、青ピッチして《最前線の稜堡》をプレイして7点
お互いライフが減って行けば、最終的に相手は結界オーラによる攻撃を防御せざるを得なくなり、返しのターンの相手は、結界オーラを割れるほどの攻撃を出すのが難しくなるので、そこで結界オーラを守り切る防御をすることでエニグマの勝ちパターンに持っていきやすくなります。

それぞれ的確なサイドインアウトができたことも勝因の一つです。MSTシールドは8パックとプールが広く、インアウトすることができるカードが多い環境です。

具体的にやったサイドインアウトは以下です。
・《ゼン》には押し切られるプランを防ぐために防御値が2のカードを極力減らす。
・《エニグマ》には《種に水を》といった続行を持つカードを増やす。
・《ヌゥ》には盗られて強い青いカードを盗られても弱い青いカードに入れ替える。《飛び退き》をサイドインして、攻撃リアクションに対応できるようにする。
・先手の際には結界を持つ《孤独の印》等を設置することができると事実上のライフ回復として有効なので、結界を持つカードを1-2枚増やす。

今回はプールの関係でできませんでしたが、《ゼン》相手には《墓守り》や《時の経過》をサイドインして、強力なコンボの再利用を防ぐ戦術も有効です。

プレイ方面の話では、《ヌゥ》相手にはアーセナルに《満ちる悪霊》をセットしておき、他のインスタントオーラを引いたターンに多面展開することで対処が難しい盤面を作りそのまま押切れました。
また、アーセナルに《飛び退き》を置いておくことで軽減不可の《徹底的な細断》をプレイされても2-3枚で防御+《飛び退き》でオーラを守るプレイもできました。

《エニグマ》ミラーは一方的なゲーム展開になりやすく、いかにして「相手だけオーラが複数枚ある状況にしないか」というプレイが要求されます。2回とも後手が取れたことで相手だけオーラが複数枚ある状況になりづらく、また《満ちる悪霊》《ミラガイの顕現》とデッキ内に十分な数のインスタントオーラがあることで有利が取れました。

腕装備《継がれる伝統》を攻撃リアクションのように使用することで相手に無理やり《継がれる伝統》の起動を要求し、ピッチコストの要求をして手札を奪うことができました。これにより、相手が返しの攻撃ができなくなり、マウントを取ることができた試合もあり、その辺りの攻防は自分の地力の上昇を感じました。

総じて1日目の結果は、強いプールを引けた運と、練習が実を結んだことが勝因かと思っています。

8ラウンド終了後 2日目に備えて

1日目の終了後は、友人が厚意でプライズのMSTボックスを提供してくれた(滅茶苦茶感謝!!!)ため、2日目が確定した選手で集まってドラフトの練習を実施。前回出場した大型競技イベントである世界選手権バルセロナではドラフトラウンドで1-2、1-2をして大きく順位を落としてしまった過去があるため、正直ドラフトに自信があるプレイヤーではないんですよね…。なので、練習の機会は滅茶苦茶ありがたいです。練習では初手で取れた《解き放たれた氣》に固執してクオリティの低いゼンを構築。

練習では卓4《ゼン》、卓3《ヌゥ》、卓1《エニグマ》となりました。
練習を通じてドラフト環境は以下のような特徴があるという所感を得ました。
・シールドに比べて赤いカードの絶対数が少ないため、青いカードで打点を出す必要がある。《チャクラ》サイクルのや、《潮の上昇》のような、条件を満たすことで赤いカードの打点効率に変わる青いカードの使い方が大事。

・汎用カードは1パック1-2枚であり、強力な汎用である《最前線の陵堡》などは基本流れてこないため、オープン気味にピックするのは難しそう(オープンピック=ヒーローを固定しないピック)。逆にそういった初手が来たら貴重なオープンピックができる機会なので狙う

・シールドに比べて赤いカードが少ないため、《ゼン》は完成度が低くなりやすそう。が、良いデッキが組めたら依然強い。シールドより少し組みづらいができた時のバリューはある位置と判断。

・《ヌゥ》はシールドより評価アップしてそう。理由は赤いカードが少ない=全デッキの出力が下がる=《ヌゥ》の得意とするファティーグ戦略が狙いやすくなる。また、シールドでは「ヒーロー能力で盗っても弱いカード」と入れ替えられていた青いカードも、ドラフトではサイドチェンジできることはなかなか無く、ヒーロー能力も避けられづらい。

・《エニグマ》は卓1-2だと強そう。対面するアグロデッキもが少ない関係で結界オーラを守り通すプレイがやりやすそう。ただ、装備も揃いづらいため、《ヌゥ》の武器攻撃1点などを装備で守る動きはやりづらそう。ただちょっと判断材料が足りていない。

上記を踏まえて、シールドで猛威を振るった《ゼン》は弱体化している為、卓4とかは厳しいだろうがおそらく卓3までは許容値。選択肢としては依然有力。《ヌゥ》はシールドでは負け組でしたが、ドラフトではシールドより勝ち筋が増えており魅力的に。《エニグマ》も卓のプレイヤーがエニグマの複雑さを嫌えば、卓に少なくなり勝ち組になれそう。

シールドに比べて《ゼン》がちょっと評価ダウン、《ヌゥ》が評価アップ、《エニグマ》は据え置き~不明という立ち位置で、「結局は空いてるヒーローをピックできたら勝ちそう」という結論に。
個人的にアサシンやガーディアンなどAPが少ないヒーローでのプレイは経験値が少なく、自信がない為、《ゼン》=《エニグマ》>>《ヌゥ》くらいの優先度でピックしたいなぁと考えになりました。初日は《ゼン》で抜けたプレイヤーが多そうだったので、《ゼン》は人気になりそうで、逆に不人気そうな《エニグマ》をピック出来たら良いなとか考えながら宿に戻り就寝。

2日目 ファーストドラフト

朝8時に宿を出て、会場に8:40頃に到着し、ファーストドラフトのテーブルへ。
10位という好成績で2日目へ行けたこともあり、所謂「上位卓」であるテーブル2に着席。世界選手権やCallingのtop8の写真や配信で見た有名プレイヤー達がたくさん視界に入ります。ジャッジのドラフトコールに従いながら、黒封筒から14枚のカードを取り出し、独特の緊張感と高揚感の中、判断ミスをしないよう冷静にピックを進めます。この勝敗でtop8の可否が決まりかねない運命のファーストドラフト。できたデッキは…

なんかやりたくないって言ってた《ヌゥ》になったけど…

1-1:2コスト6点の《事実調査任務》からピック ヒーローを固定せずに済む貴重な強めの汎用が引けてラッキーなスタート

1-2:パッとしないパックだったので強めの超越である《先祖への敬意》をピック

1-3:《ヌゥ》の強力なレアである赤《問題の拡大》が流れてきたため、上2名にヌゥがいないと判断しピック。《事実調査任務》は《ヌゥ》と相性の良い汎用でもあるので好都合

その後は安めに《ヌゥ》用の装備品が流れてきたり、一周しても暗殺者クラスのカードが大体残っていたり、良いポジションに座れていることを確信。最終的には卓二の《ヌゥ》が選択できていたようです。

オープンピックから空いているクラスを選ぶ理想的なドラフトができたこともあり、《ゼン》に勝ち、《エニグマ》に勝ち、《ゼン》に勝ちで3-0!トータル10-1。次のドラフトで2-1すればtop8確定。1-2してもtop8に入れるかもしれないという、望外の結果です(2回目)。

ドラフトの《ヌゥ》は基本的にファティーグを勝ち筋としました。
《ゼン》相手には手札2-3枚で防御してライフを守りながら、隠密持ちの攻撃アクションで攻撃し、エンドを繰り返し、相手のデッキを消耗させるファティーグ戦術で勝つことに成功しています。

《問題の拡大》に攻撃リアクションを連打するターンや「超越」が絡むターンのみ手札が複数枚必要なため、そのターンのみ、あまりブロックせずテイク気味に動きます。ライフゲインに成功するとファティーグの成功率が上がっていき、有利になっていくので、的確にライフゲインの条件を満たしやすい隠密カードで攻撃するのが大切です。《ゼン》と《ヌゥ》には攻撃アクションの追放でライフゲインする《肉体の欲望》。《エニグマ》にはインスタントを条件とする《衝動的な欲望》や攻撃でないアクションを条件とする《心の欲望》をプレイしていきました。

《エニグマ》vs《ヌゥ》だと正直《ヌゥ》は勝てないのでは…思っていましたが、想像より《エニグマ》のデッキ消耗速度がはやく、デッキ枚数に10枚以上差があるような試合展開になり、結界持ちオーラさえ処理できれば問題なく勝てることを認識。
無駄にライフで受けすぎないようにしつつ、《満ちる悪霊》などの強い結界を武器による攻撃で狙えるよう2-3枚の手札でこちらの攻撃を通す試合を展開。
ここぞというタイミングで手札4枚を保持して、軽減不可を持ち結界の大量破壊が狙える《徹底的な細断》や打点が大きく伸びる《問題の拡大》で一気に相手の結界と山札を狙うプレイができて、勝利をもぎ取れました。
相手のデッキにはボムレアである《激怒の亡霊》があったのですが、運よく《親密さの誘引》で防御カードとして消耗させることができたのもツイてました。

会場の友人たちに3-0したよ!と報告しながら急いで間食を食べつつ、セカンドドラフトへ。

2日目 セカンドドラフト

また《ヌゥ》になった…。
1-1:強力な汎用の1枚《風の伝令》が出た為、初手に取って再びオープン気味に進行。
1-2:《気の教義の二:月》をピック。青い3の5とプレイアブルな青。他にピックしたいような赤カードもなかったため選択。
1-3:超越《誰もが通った道》をピック。どのヒーローでも超越はデッキに2-3枚以上は欲しいため、オープン気味のピック
1-4:《ヌゥ》の強力なコモン装備品《反抗の高踵》が流れてきたため、これを《ヌゥ》のサインと受け取りピック。

3パック目の1手目ではMレアの《苦悶の束縛》も取れてニコニコのデッキ。セカンドドラフトも卓二の《ヌゥ》です。

ヌゥミラー ×
ゼン(フューチャーマッチ) 〇
エニグマ 〇

結果は卓二《ヌゥ》ミラーとなったらいだー選手とのミラーマッチのみ敗北して、2-1!14R終了時点で12-2の2位でtop8進出!感動です。

初戦は時間切れも迫ったことから慌ててプレイしてしまい、悪手を打ってしまったことから敗北に。とはいえお互いTop8が狙える戦績であり、かつ練習しあった相手だったので晴れやかな敗北でした。

二戦目のフューチャーマッチ(リンクはこちら)は《ヌゥ》を使用した6試合を通して唯一ファティーグではなくライフレースで勝った試合となりました。後手を選択できた優位もあり、まさかの7分という短時間で試合が終わっています。良ければご覧下さい。

三戦目は《エニグマ》相手に丁寧に負け筋をつぶしていくプレイをしてファティーグ勝ち。ファーストドラフトでの勝ち試合の経験が生きました。

一緒に練習したらいだー選手も1位抜けし、他、知人である日本人選手も2名Top8に進出し、日本人選手は計4名がSEに進出。

日本人のFaB歴は1年~1年半ほどが殆どであり、海外の選手たちに比べると歴が浅いため、「日本人選手は一人くらいTop8に行ければ良いなぁ」と正直思っていました。なので、半分を占めるのは予想を遥かに超えていました。望外の結果です(3回目)。

リミテッドという運も絡むゲーム性のフォーマットでの結果ですが、Calling Tokyoを通して、「日本のFaBのレベルは世界と渡り合える」ということを確信しました。この時点でPTIの獲得やLegendary Gold Foilの獲得が確定。勝って兜の緒を締めよ、と言いますし、そもそもここからが本番なのですが、抑えきれない喜びでふわふわした気持ちのまま、Top8メンバーとしてインタビューや写真撮影の時間して、友人達からの応援と激励を受けながらSEラウンドに挑みます。

2日目 SEドラフト

SEドラフトはランダムに座席が決まるようで、番号が書かれた裏向きのカードを引いていき、その座席に座っていくという、ドラフト練習会の席決めのような手順から開始しました。
結果、日本人選手4名が左半分、海外の選手が右半分の卓に割れるというプチ奇跡が発生。しかしこのプチ奇跡がドラフトに混乱を生み出します。

自分のひとつ上のスパーロック選手が序盤は《エニグマ》をピック→《エニグマ》の流れが悪いため、《ヌゥ》にカーブというピックをしたようで、自分は振り回される形に。1-4くらいで赤《欲望の技:体》が流れてくるも、上が何をやってるか読みづらく、「《エニグマ》のカードは少ないけど《ゼン》と《ヌゥ》どっちをやるべきだ…?」と迷いながら《ゼン》のカードを数枚ピックして進行してしまいました。

1-6で足装備《反抗の高踵》が流れてきて、《ヌゥ》が卓に少ない!と断定。しかし、結果、自分の上流にはスパーロック選手、下流ではらいだー選手が《ヌゥ》をそれぞれピックしており、「最も弱い《ヌゥ》」の席になってしまいました。(既に他2名の《ヌゥ》は《反抗の高踵》をピック済みだったようです)1パック目の後半から《ヌゥ》に行くことを判断した遅さもあり、無駄ピックが多く屈辱のバブル入りデッキに。卓3ということもあり前2回のピックに比較して明らかにデッキは弱いです…。

また、対戦でもプレイミスが発生。
SE初戦の《エニグマ》との対戦で、ゲーム終盤、相手の山札が残り8枚ほど、こちらは15枚というシチュエーションで、相手の結界2の《欠ける悪意》が攻撃してきた状況で、手札の《親密さの誘引》を防御に使用するか、アーセナルに残すか悩んだ結果、テイクしてこちらのライフを10点に。
アーセナルに残した《親密さの誘引》で、相手のデッキの残りカードを防御に使わせればファティーグが完全に決まるだろう、という計算をしてのプレイでしたが、そんなことをわざわざしなくても、もうファティーグは目前でしたし、結局そのアーセナルに置いた《親密さの誘引》をプレイする余裕が来ないまま敗着となりました。

相手が最後に結界持ちオーラを大量展開して攻撃してきて、その返しをライフが10点になっていたせいで手札4枚でテイクできず、負けてしまったので明確なミスプレイでした。この1手のミスがなければ4位に入賞できていた可能性は十分あり、今でも記憶に残る痛恨のプレイミスです。

この辺りはガーディアンや暗殺者といったディフェンシブでロングゲームをするデッキをCCで余りプレイしていない、経験の浅さも出たなぁと反省しています。
top8に行けて嬉しい気持ちは強いものの、嬉しさによる気の緩みもあってか、最終戦はまだまだ未熟だな…と反省せざるを得ないピックとプレイになってしまいました。

もっと練習して次は優勝します!!!

最後に

改めて調整仲間、運営、ジャッジ、参加者の皆さんに感謝します。最高の3日間でした。
複雑なリミテッド環境かつ、初の国内大型イベントとなり、正直多くのトラブルを想像していました。
が、日英対訳冊子により言語によるトラブルは自分や周囲のテーブルでは発生していませんでしたし、多くの方がとても楽しまれている素晴らしいイベントでした。

会場の緊迫感はありつつも良い雰囲気と、応援して下さる多数の方がいるからこそ、良いメンタリティーでイベントに挑むことができたのも、今回の勝因の一つだと思っています。また、会場でお会いした多くの方に「Go Again Media」読んでます!と言って頂けたのはとても励みになりました。今後も、競技・ライター活動共に頑張りたいと思います!

読んで下さりありがとうございます。


Hiroyuki Tansei/どくいろ @fab_dokuiro
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》,《Kayo》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。CallingTokyoTop8。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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