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Flesh and Bloodとは
いよいよ5月から日本語版が発売される『Flesh and Blood』通称『FaB』(ファブ)。出身はニュージーランド。リリースされてからまだ5年のTCGである。日本語版がまだ展開されていないにも関わらず国内ユーザーはここ1年で急激に増え続け、32人枠の競技イベントの参加チケットは1分も経たず売り切れるような熱狂ぶり。今年の5月には大型大会『Calling』(MTGでいうところのグランプリ)が日本で初開催され、7月には2度目となる日本選手権も開催決定しており益々盛り上がりを見せています。
多種多様な特徴のあるヒーローを軸にデッキを構築し、相手のライフを0にするのが勝利条件となっており、カードデザインは『ダークファンタジー』を基調としたテイストで、ドラゴンや天使はもちろん忍者やバイオチックなイラストまで多種多様に存在します。
そんなこれから必ず”来る”であろうTCG『Flesh and Blood』についてご紹介します。
格ゲーらしいとは?
もしもあなたにTCG経験があり『FaB』を気になっているとすれば、真っ先に聞きたいのが「どのTCGと似ているか?」ではないでしょうか。筆者自身がそうだったように、まず感覚として知るために自分の経験と照らし合わせるのが一番簡単だからです。
その問いに対し残念ながら「このTCGのようだ」といった回答は持ち合わせてはいません。
しかし「こんなTCGのようだ」とは表現できます。それがタイトルにある「格ゲーのようなTCG」です。FaBプレイヤーの大多数はこのように例えるのではないでしょうか。
「格ゲー」らしく感じる点をいくつか挙げていきます。
毎ターン発生する攻撃&防御
このゲームは他TCGみたく何かクリーチャーやユニットといった恒久的に攻撃が出来るオブジェクトをバトル場に配置し展開していくゲームではなく(一部除く)、自ヒーローが相手ヒーローに向かって「アクション」という形で攻撃し、それに対し防御を行う動作を毎ターン繰り返していきます。「対戦相手のプレイから対戦相手の狙いを読む感覚」が毎ターン発生し、それはまさしく「格ゲー」のようにヒーロー同士が直接干渉し合うもので、他TCGでは形容しがたい魅力です。
経験値とプランニング
このゲームは、ヒーローの個性が色濃くゲームに反映されています。例えば、「Ninja」クラスだと連撃を得意とし攻撃的で、「Guardian」クラスだと一撃が重く防御も硬いです。あらゆるヒーローに対する有効打は何度も対戦し経験値として蓄積されることで徐々に勝利へと近づきます。格ゲーにおける「キャラ対」の概念に近いですね。さらにこのゲームには、「これが通れば勝ち」のような恒久的なアドバンテージを得るカードはデザインされておらず、毎ターン発生するコンバットでアドバンテージを累積していくゲームデザインとなっているので先述した経験値無くしては勝利することは難しいでしょう。(TCGらしい「ぶん回り」はもちろんあります)この経験値からどのようにゲームを運ぶかプランニングし勝利へと向かう様は正に「格ゲー」らしいといえるでしょう。
「耐えるターン」と「しゃがむターン」と「ビッグターン」
相手がとてもアグレッシブなときに、カードを全てをひたすら防御に使用して反撃の機を伺うプレイをすることもあります。これは正しく「格ゲー」である中段と下段を見極めてひたすらガードしている感覚ですね。さらに、次のターンにとても大きな攻撃をするためにわざと攻撃の手を緩めてカードを温存し、次のターンに一気に攻め立てるプレイングも存在します。これはそれぞれ「しゃがむ」「ビッグターン」と表現されますが、まさしく「格ゲー」の超必殺技のような感覚です。
いかがでしょうか。「格ゲー」らしさを充分に伝えることが出来たと思います。
まだまだ肌で感じる「格ゲー」らしさは存在しますが、それは読者様が実際にFaBに触れて感じたときのためにとっておきましょう。
筆者が考える魅力ポイント
世界最古のTCG『MTG』と生まれ年は同じでFaBと出会うまでそこそこやっておりました。『デュエルマスターズ』は今はもうプレイしていませんが、初版発売したてから始めて《ボルメテウスサファイアドラゴン》が全盛期のころまでやっていました。他に昔の『デジモンカード』や『ポケモンカード』『遊戯王』『MTG』などいろいろなTCGを触れてきた筆者目線でFaBの魅力を語ろうと思います。
魅力その①:斬新なカードデザイン
FaBのカードスペックは、5つの要素でデザインされています。
①リソースを生み出す値
②プレイに必要なコスト
③攻撃力/パワー
④防御力/ディフェンス
⑤能力
他TCGと比べて多いのではないでしょうか。
まず一つ挙げられる素晴らしい点は、全てのカードに豊富な選択肢があるということです。
上記の上げた要素を選択肢に当てはめると、
①別カードのプレイのためにリソースにする
②このカードをプレイするために他のカードを用意する
③このカードで相手にダメージを与える
④このカードで自分の被ダメージを抑える
⑤①~④になんらかの影響を与える
これをMTGに例えてみると面白く、例えばコスト0|パワー3|ディフェンス3のカードがあるとすればそのカードは、『相手に3点のダメージを与える。または、3点のダメージを軽減する』というデザインになります。全てのカードが火力にもなり打消しにもなりえるということです。さらにはリソースとすることで土地にすることもできます。カード1枚がこれほどの選択肢を持つTCGはなかなか無いのではないでしょうか。
もう一つ、このカードデザインであることで『インフレが起こりづらい』点も素晴らしいポイントです。調整できる要素が多いので、「パワーは高いがディフェンスが低い」。「パワーは無いがディフェンスが高い」。など細部で調整することで最初に決められた基準を逸脱しにくい設計となっています。
このコンテンツが生まれた現在、最初期のセットで登場したカードは最高レアリティからコモンまでばりばり現役ですし、上記の理由から『何かの上位互換』が生まれることは早々無いでしょう。
魅力その②:公式のポリシー
Flesh and Bloodを提供している会社「Legend Story Studios(通称LSS)」は、「ゲームという共通言語を通して人々を結びつけること」を理念としており、「デジタル」ではなく「テーブルトップ」でプレイする形に強いこだわりがあります。TCGが本来持つ「カードを使ってコミュニケーションを通して遊ぶ」基本的な形式は裏切られることはありません。さらには競技イベントも充実しており『Tier』と呼ばれる段階で整備されています。もちろん競技イベントに必要な「ジャッジ」制度も完備されており、安心して競技イベントに臨むことが出来ます。
魅力その③:交錯するターンが多い
FaBはそのゲーム性から毎ターン「アクティブプレイヤー」による攻撃と「非アクティブプレイヤー」による防御がコンスタントに行われます。上記であげた豊富な選択肢を毎ターン考察する必要があるのでゲーム中に退屈することはありえません。ゲームがとてもアクティブに展開するので、ゲーム後の感想戦などのコミュニケーションは活発に行われがちです。「ゲームという共通言語を通して人々を結びつけること」理念ととてもシナジーしており素晴らしいポイントですね。
魅力その④:禁止制度
TCGには必ず必要な「禁止制度」についてです。他TCGでは「殿堂」であったりいろいろな表現がされていますね。禁止制度のうち、さきにご紹介するのは『Living Legend』という制度です。競技イベントで優勝したヒーローに対しポイントが割り当てられ、基準を満たすとそのフォーマットでは使用できなくなるというものです。どのヒーローにどれだけポイントが獲得されているのかは常に視覚化されており、「組んだデッキが突然使えなくなる」ということはありません。さらに、『Living Legend』となり使用できなくなったヒーローは、将来別の形で再登場し作り上げたデッキパーツは再使用できる設計となっています。
この制度は環境の流動性にも貢献しており、その環境において「強すぎる」ヒーローはポイントを荒稼ぎして早急に伝説化(使用禁止)する仕組みとなっています。史上最強ヒーローがとんでもない速度でポイントを荒稼ぎし早急に伝説化した前例もあります。実際には一度勝ったヒーローは注目され対策される形となるので、強すぎなければ慢性的に増加しがちです。
つぎにカード単体で使用禁止となる制度もあります。適用頻度は極端に少なく、デッキごと使えなくなるというより突出した部分にナーフが入るイメージです。
魅力その⑤:Gold Foil Pack
Tierが高いイベント、所謂「競技イベント」の優勝者には『Gold Foil Pack』が贈呈されます。(ちなみに、FaBには「ID」や「スプリット」は存在しません)『Gold Foil Pack』にはランダムで1枚金枠のプロモが封入されています。ここでしか手に入らないプロモカードなのでとても高い価値で取引されています。この金枠プロモカードは「装備品」固定なのでもし自分が使ってる場合は、金枠仕様の装備品を使用することが出来ます。憧れますね。競技イベントのシーズン中は世界中で『Gold Foil Pack』を開封する模様が楽しまれています。
魅力その⑥:装備品
デッキの中には『装備品』も含まれており、ゲーム開始時に盤面に配置することで戦いを様々な方法でサポートします。『装備品』にはレアリティ『Common(コモン)』か『Legendary(伝説)』まで存在し、まずは『Common』から初めて徐々に『Legendary』装備をそろえていくRPGのような楽しみ方もできます。そのデッキの戦術を支える重要な要素であり、サイド装備の選定からとてもデッキビルドを奥深くします。
Flesh and Bloodを始めるには
FaBには主に3つのフォーマット「Blitz」、「Classic Constructed(通称:CC)」、「Draft」が存在します。世界的に見て競技シーンで主にプレイされているのは「CC」や「Draft」ですがまずは「Blitz」から始めてみるのが良いでしょう。「Blitz」は「CC」を半分の規模で始めることができるのでおすすめです。また、オンラインツール『Talishar』では無料で全てのカードを使用することが出来ます。いろんな方が使い方を解説されているのでそちらをご確認下さい。
FaBプレイヤーは初心者にとっても親切です!興味があれば是非FaBの世界に飛び込んでみて下さい!
また、下記のTwitterまでご連絡頂ければサポート致します!
以上、ご拝読頂きありがとうございました!
ギロチンカッター @guillotine_mito
お気に入りヒーロー:《Uzuri》,《Ira》
お気に入りカード:《Codex of Frailty》
ホームショップ:TCG Shop Go Again
犬が好き。
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