アーセナルの上手な使い方

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はじめに

「Flesh and Blood」(以降FaB)の特徴的なシステムのひとつにアーセナルがあります。ターン終了時に手札から1枚アーセナルに置いて、そこからカードのプレイが可能というシステムにより、FaBは「常に手札を全て使いきるゲーム」ではなく、「温存してアーセナルにカードを残す」という選択肢がある、奥深くやりがいのあるゲームになっています。しかし、アーセナルは活用の幅が広いからこそ選択肢が多く、慣れないうちはプレイミスに繋がったり、アーセナルに置いたカードをうまく使えないままゲームが終わってしまったりしがちです。なので、今回は「アーセナルの上手な使い方」について書きます。

1.ディフェンスリアクションをアーセナルに置いて守りを固める

アーセナルにディフェンスリアクションを置いておくことで、1ターンの(ディフェンス値)を増やすことができます。手札が4枚ある状態で相手の攻撃がスタートし、手札のカードの(ディフェンス値)が全て3の場合、3×4=12点分の攻撃しか防ぐことができません。しかし、アーセナルにディフェンスリアクション、例えば《Sink Below》を置いていた場合、12点+4点で16点まで防御に使用することができます。相手の攻撃が激しいターンが続き、相手の攻撃が弱いターンが来るまで耐えたいときや、Fatigue(Fatigueについてはこちらを参照)を狙う際に重要な動きになります。

また、アーセナルにディフェンスリアクションを置くことによるメリットは他にも何点かあります。

①相手のアタックリアクションを見てから合わせてディフェンスリアクションをプレイすることができる

自分の残りライフが1~3点と少ない時、「アタックリアクションによる突然の上昇で負ける」といった事態を防ぎやすくなります。具体例を出すと、相手の6点の攻撃を自分が3点のカード2枚で防いだ後、相手がアタックリアクションで《Pummel》をプレイして+4点!このままでは負ける!といった緊急事態に、アーセナルにディフェンスリアクションを温存しておくといつでも対応できます。

アーセナルにディフェンスリアクションを置いておくことで、オーバーブロック(アタックリアクションを警戒して、相手のよりも大きな値のでブロックすること)が不要になるのが大きなメリットです。アタックリアクションを複数枚採用していることが多い、「Warrior」クラスや「Assasin」クラス相手に特に有用です。

②ブレイクポイントの攻撃を防ぐのに活用できる

[ブレイクポイントについてはこちらを参照]

相手のブレイクポイントによる攻撃、例えば4点の攻撃は、4点のディフェンスリアクション、《Sink Below》や《Fate Foreseen》で防ぐことでカード1枚ずつの交換に抑えることができるため、有効な対抗手段になります。しかし、相手がいつブレイクポイントによる攻撃をしてくるかはこちらではコントロールできません。なので、「相手がいつブレイクポイントによる攻撃をしかけてきても良いように、アーセナルにディフェンスリアクションを置いておく」ことは頼れる防御手段になります。

③Dominateの対策になる

Dominateを使ったブロック阻害が得意なヒーロー、《Bravo》、《Azalea》、《Uzuri》を相手にする際に重要なアーセナルの使い方になります。

Dominateは「手札からはカードを1枚しかブロックに出せない」というブロック阻害能力なので、「手札から3点のカード1枚をブロックに出す」+「アーセナルから4点のディフェンスリアクションを1枚をブロックに出す」ことは可能なため、Dominate持ちの強力な攻撃を防ぐことができます。Bravo渾身の11点Dominateをディフェンスリアクションと装備品などを駆使して防ぎましょう!

④Repriseの対策になる

《Dorinthea》や《Kassai》といった「Warrior」クラスはRepriseという能力により、「自分の攻撃が相手の手札からブロックされている」という条件を達成していると強力になるアタックリアクションが豊富です。アーセナルからディフェンスリアクションを使用することで、Repriseを達成させず、攻撃を安全に防げます。

2.アーセナルにキーカードを置いて、ビッグターンを作る

こちらはシンプルに、1ターンに出る合計ダメージを上げるための使い方です。特に《Bloodrush Below》等、このターン中を上げるカードをアーセナルに置いておき、次のターンに手札4枚とアーセナルを使用して相手を攻めるのは強力です。そういった1ターン内の合計ダメージが大きいターンを「ビッグターン」と呼びます。具体例としては、《Art of War》をプレイし、「手札のアタックアクションを1枚追放し、2枚引く」と「このターン中のアタックアクションのを1上げる」を選択した後、アタックアクションを3枚プレイすれば合計3の得ですが、4枚プレイすれば4得しますよね!他、《Katsu》のComboカードやComboの起点になるカードをアーセナルを活用してComboの連鎖を狙ったり、《Fai》でDraconic Chainlinksの数を稼ぐために使ったりするのも有効な使い方です。手数が多いほど強くなるデッキで、1ターン中の手数を増やすためにアーセナルを攻撃的に活用するイメージです。

3.アタックリアクションを置いて理想的なタイミングでプレイする

アタックリアクションの代表格の1枚《Pummel》は+4点に、Hit時の手札破壊効果を持ち非常に強力です。

が、単純に手札から2コストのアタックアクションを一緒に使おうとすると、(リソース)4と、Ⓒ(コスト)2のアタックアクション、《Pummel》の4枚が要求されます。手札4枚を使ってそれをするのは少し効率が悪いので、「強く使えるタイミングが来るまで《Pummel》をアーセナルに置く」というプレイが有効です。理想的な状況の一例としては、アーセナルに《Pummel》、《Fyendal’s Spring Tunic》のカウンターが3つ溜まっており、手札が青いカード1枚、《Command and Conquer》といった状況でしょう。青ピッチして《Command and Conquer》をプレイ、相手の防御後に《Fyendal’s Spring Tunic》から(リソース)1出してアーセナルから《Pummel》をプレイすることで手札2枚とアーセナル1枚から10点のアーセナル+手札破壊が狙えます。

そこまで極端な状況ではなくても、相手の攻撃が弱いターンが来て、手札をブロックに消費せずに済んだタイミングで使用するといった使い方も十分強力です。ただ、裏目もあり、自分のライフが少ない時に《Pummel》のような単体で使えないカードや、《Crippling Crush》のようなコストが重いカードをアーセナルに置くと、置いた後、防御に手札を使わざるを得ない状況が続き、使えないまま負けてしまう=手札1枚分損をして負けてしまうといった事態になりがちです。ピンチの時はプレイが大変なカードはアーセナルに置かないことが大事です。

4.ブロックされ辛いフィニッシャーを温存しておく

構築よりもお互い決め手にかけるデッキになりがちなリミテッドにおいて特に重要なテクニックです。ライフがお互い10くらいのタイミングでDominateやOverpowerを持ったカードを引いた場合、アーセナルに置いて温存しておき、その後お互いライフが消耗していった後、トドメを狙えるタイミングで使うといった使い方です。アタックアクションや、次のアタックのを上げるアクションを引いたタイミングで打てると尚良いですね。

おまけ.アーセナルに置くと後悔する例

これまでアーセナルの強い使い方を紹介しました。最後に置いてしますとアーセナルを活用できなく例を紹介したいと思います。例えば、コストの重い青のアタックアクションがその代表例です。

アーセナルに置いたカードは自分がコストを払いプレイするか、相手によって破壊されるまで空くことはありません。なので、基本的に一度置いたカードは「ゲーム中にプレイする必要のある」カードとなります。上記を踏まえて、コストの重い、具体的にはコスト3以上の青いカードを置いた場合の大きなデメリットを3点書きます。

・アーセナルに置いた重いカードプレイする為の(リソース)を払う必要があり、手札の使い方に制限がかかる

・青いカードは払うリソースに対してのが低いので出力が低くプレッシャーにもなりにくい

・コストを払ってアーセナルを開けるまで、今まで紹介した強いアーセナルの活用方法ができなくなる

何らかの理由でカードが余ってしまった場合、アーセナルに置きたくもなりますが、ぐっと堪えるのも時には大事になります。

以上です。他、アーセナルには色々なテクニックや駆け引きがありますが、代表的な強い使用方法を挙げてみました。アーセナルはとても奥深い要素なので、対戦相手が上手なアーセナルな使い方をしていたら、対戦後の感想戦で何を狙ったアーセナルセットだったのか、といった話を聞くと成長に繋がると思います!

ご拝読ありがとうございました。


どくいろ @dokuiro_mtg
お気に入りヒーロー:《Lexi》,《Fai》
お気に入りカード:《Art of War》
ホームショップ:TableGameCafe’Shuffle、TCG Shop Go Again
史上初の日本選手権で優勝。日本屈指の強豪プレイヤー。手数、打点を読む洞察力が強み。アグロデッキが得意。

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